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4話 ツンとした妹

シイナが怪しい、テルミはシイナが放課後にテルミに内緒でこっそりいなくなることに気が付いた。

そしてテルミが学校内を探し回っても見つけられない。

今日こそは呼び止めて捕まえないと。テルミは思った。


シイナとテルミはお笹なじみで、小さい頃から家族ぐるみで付き合いがあった。

小さい頃はお泊まり会を開いて二人で同じ布団で寝たりしていた。

テルミは小さい頃からシイナのことが好きだった。

シイナは小さい頃は今ほどキザでなかったが、クールでやさしいところがテルミは好きだった。

ところが、高校に入ってから徐々にキザっぽくなってきて、そこがシイナは気に入らなかった。

そしてテルミは段々とシイナにやさしくできず、きつく当たるようになってしまっていた。


テルミから見ると、シイナは学園内で人気があるが、エリコから無下に扱われているようだった。

無下に扱われ落ち込んでいるシイナを見て、テルミはきゅんとした。

シイナは負けじとエリコに声をかけていたが二人の関係は変わらないようだった。

テルミはそこからエリコが気になっていた。エリコの雰囲気がテルミ自身の理想像に思えたからだ。


しかし、最近になって状況が変わってきた。

シイナもエリコと仲良くすることが増えていったのだ。

シイナが教室にいない時に、テルミはエリコに話しかけることにした。

「エリコさんって最近シイナと仲良いよね。」

「あら?そうかしら。でも確かに最近話すことは多くなったわね。」

「そうだよね。なんかあったの?」

「うふふ。気になる?それなら、もし良かったら、今日の放課後に屋上にいらっしゃって」

エリコは悪戯めいた笑みを浮かべながら言った。

テルミはうん、とうなづいたが、屋上に何があるか想像もつかなかった。


放課後になるとエリコは足早に屋上に向かった。そばにはサクラも付き添っていた。

シイナはまだクラスに残っていたが、テルミは気にせずに屋上に向かった。

屋上に着くとそこは庭園が広がっていた。庭園の側にはテーブルとその奥には塔屋があった。

「あら、テルミさん、ようこそ屋上の庭園に」エリコがサクラを手招きする。

そこにはエリコとサクラが既に席についていて、お茶会の準備をしていた。

エリコ、サクラ、テルミの三人のお茶会が始まった。


「エリコさんはなんでお茶会を開いているの?」

「私が小さい頃から好きだったお話の中でお茶会が出てきて、すごく憧れていたの。」

「そうなんだ。でも私もそういうのわかるかも。」

「あら、そうなの。どういったお話が好きだったの?」

「王子様が出てきたりするようなものとかだったよ。」

「そう。」エリコは少しがっかりした顔をした。


「テルミさんは、シイナさんのことお好きなの?」

さっきまで全く別の話をしていたはずが、エリコは唐突にテルミに訪ねた。

「え、そんなことないわ!」

「うふふ。赤くなっちゃって。」

「なってません!一体なんなんですか?」

「だって教室で私とシイナさんが最近仲がいいって気にされてたじゃない?」

「あ、あれは……。気にしてました。」テルミは認めるしかなかった。

「ふふふ。最近、シイナさんとお茶会することがあって、それで仲良くなったの。」

「そういうことだったんだ。シイナもそうならそうと教えてくれたらいいのに。」

「シイナさんはテルミさんのこと楽しそうにはなされてたわ。」

「え、シイナは私のことなんて言ってた?」

「妹みたいって」

「なんですって!」テルミは怒った。

「じゃあ、テルミさんはシイナさんのことどう思っているの?」

「そ、それは、友達って感じでもないし、うーん、していうなら、大切な人かな。」

「あらあらうふふ。」エリコは怪しい笑みを浮かべた。


「あれ、テルミも来てたんだ」気づけばそこにはシイナがいた。

シイナは部活動に顔を出してから屋上にきたのだった。

四人のお茶会が始まった。


「テルミさんはシイナさんが来てから、お静かね。さっきまであれほどシイナさんの話を」

「エリコさん!その話は今は出さないでください!」

「あらあら、うふふ。」

「え、何の話?テルミ教えてよ。」シイナは気になり、テルミに確認するも教えて首をぷりぷり振られてしまう。

エリコとサクラはその姿をやさしく見守る。

「気になるなー。」

「気になるなら、そもそもシイナが私にお茶会していたこと教えてくれたら良かったのに。」テルミはいじけて言った。

「違うって。ただ言い出しづらくって。」シイナが返す。

テルミもお茶会に参加させてもらえることになったが、早速いじけてしまった。

「ふふふ。ごめんなさいね。テルミさんにも声をかけるべきだったわね。」エリコが笑いかける。


「シイナさんとテルミさんは昔からの付き合いなのかしら?」

「家族同士で仲よかったんだ。」

「しーていうなら、妹みたいな感じ。」

「何いってんのよ。どっちが妹よ。」テルミは普段のシイナのガサツさと適当さを思い出す。

「姉ならエリコさんみたいな落ち着きを持ちなさいよ。」

「あらあら。私って姉らしいのかしら。」

「エリコさんは、なんかこんなお姉ちゃんが欲しかったって思うときがあります。」

「うふふ。呼んでくださって構わないのよ」

「えっ。と。」テルミは一縮口止まり、シイナを見る。シイナは微笑んでいた。

「お姉ちゃん」テルミは恥ずかしかったがエリコを読んでみる。

「ふふふ、これは堪りませんわ」エリコは異様な笑みを浮かべ苦しそうだ。

シイナの顔も何かにんまりした表情を浮かべている。

「エリコさん」サクラが冷たくエリコを呼んだ。

「あらいやだわ。ふふふ。」エリコはいつもの顔に戻る。

テルミはエリコの豹変に驚いた。

「テルミも私のこと姉だと思っていいんだからね。」

「はっ?」テルミはシイナの提案を足蹴にすると、シイナは残念そうな表情をした。


四人はその後も会話を楽しみ、下校時間になった。

例のごとくエリコは屋上に残り、三人は先に帰ることになった。


テルミが教室に戻ると、ふと気がつくとシイナがいなかった。

エリコの片付けのお手伝いで屋上に戻ったのかなと思い、テルミも屋上に向かった。

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