深夜に来るの止めてもらえませんかね…
皆様、こんばんは!今日も月が綺麗だよ!!
……現在、深夜2時。
草木も眠る丑三つ時ってやつなのですが、皆で仲良く寝ているベットの隣…つまり私の枕元に女性が立っております。
めっちビビった!
リアルホラー!!
思わず「ヒッ…!!」って声が出た。
私のリアルより怖いお化け屋敷よりも怖いよ!!
いやね…アレはね起きてて来るって分かってるからこそ、怖くないの。
寝てて、「ん~?」ってなったところで見るのとは違うよね…。
「深夜にごめんなさいね。この時間しか予定が空かないくて…ちょっと話を聞いてくれるかしら?エルタニンの愛し子それから…ぐーすか寝ている同胞達」
そう言ってサイドテーブルに明かりを付けたお姉様は、次々とにゃんこをベシベシと起こしにかかった。
それにしても…美人だ。
で、赤い。
こんだけ赤くてにゃんこ達を同胞って言う時点で、まあ誰かは見当が付くよね~。
結局、起こされたにゃんこ達と一緒に隣の部屋のリビングに移動。
こんな時間にメイドさん呼ぶわけにはいかないので(いや、こんな時間の来訪者とか不審者だよね…)、私手ずから紅茶を淹れる。
前世からお茶を淹れるのは趣味だったので、意外と上手いのだよ!……って何自慢なんだ?
それから、ちょっと小腹が空いた時用のお茶菓子も用意した。
「ふぁぁ~~……フェアトラ、ちょっと非常識じゃない?こんな時間に来るとかさぁ~」
「眠い…」
「ルーチェ……寝てきて…よい…か?」
「プーロ…まだ目が覚めぬのか?」
「てかさぁ…俺達起こすなんて、緊急なわけ?」
「…お久しぶりでございます、フェアトラ様」
「……で?」
上からルス・レイナ・プーロ・エーデル・リシェス・ロート・ロワの順で文句を言っております。
てかロワの機嫌が一番悪い…。
日中もあんだけお昼寝して、夜もしっかり寝るのに何故にそこまで眠いのかしら?
因みに私はホラーで眠気は吹っ飛んだ。
きっと昼寝が必要になるだろう…。
「……エルタニンの愛し子。貴女も大変ね」
…なんか憐みの視線を感じるのですが、気にしない!!
たぶん一番大変なのはジルだから。
エルタニンのお母んは、王様のサポートから愛し子のお世話に、最高位精霊の我儘、服飾と大変多忙な人なのだよ。
何処の世界のどのお母さんは、みんな忙しいのさ。
だから家事なんかは手伝ってね!
息抜きは外に遊びに行くのではなくて、家の中で自分の時間を持つことなんだから!!もしくは本人のしたいことをさせてあげること!!…って何の話だ?
「早速、本題に入りたいのだがまずは自己紹介をしましょう。わたくしはフェアトラ。そこに居る最高位精霊と同じ炎の最高位精霊よ。…ひとつ聞いてもいいかしら?なんで猫のぬいぐるみに揃いも揃って入っているのかしら?」
「えっと初めまして、私はルーチェフルールと言います。好きに呼んでね!で、ぬいぐるみの件なんだけど…あーー……精霊って食事が取れないでしょ?何かに憑依すれば食べれるとのことで、私の保護者作のぬいぐるみに揃いも揃って㏌したの。それでフェアトラさん、お話があるとの事でしたが……本題を聞いてもいいですか?」
私は話を聞く体制に入ったのだが、にゃんこ達は半分も起きてない。
だがしかしここで起こすことに尽力を尽くすよりも、フェアトラの話を聞いた方がよさそうだ。
なんせこんな時間に来るくらいだし。
「そうね…夜明け前には戻りたいし、ぶっちゃけ貴女に相談があったのだから…。簡潔に言えばカンセの事よ。貴女は勿論カンセとは初対面になると思うだけど…カンセの事は詳しく知っているかしら?」
「カンセさんの事ですか?ん~…一応ですが、エルタニンに来た次の日?の朝食で会いました。シリウス…現竜王ですね、彼と食事を何時も共に取っているのですがその時に来られて、食事を一緒に取るか取らないかで喧嘩になり話が平行線で収集が付かなかった為、放置したので直接のやり取りは無かったです。その後に保護者のジルから何となくの人物像は聞きました。まぁ、180度違う人物みたいですけど…ご本人であってます?」
ちょっとしたクレームと、契約者が入れ替わってないかを心配してみた。
「えっと…ルーチェフルールだったわよね?貴女、結構言うのね…」
「こちらは朝一番の楽しい食事を邪魔された挙句に、ピーピーと五月蠅い喧嘩に巻き込まれたんです。文句も言いますよ」
「フェアトラ、貴女契約者の教育がなってないんじゃないんですか?ルーチェフに迷惑をかけるなんて…貴女の契約者でなければ、消し炭にしてましたよ?」
おっとぉ~、眠くて機嫌が悪いロワさんが復活。
いや話は一応聞いているが、覚醒してるかと言われたら微妙なラインかもしれない…。
「それにしても、ロワまで契約をしていたなんて…豪華なメンバーね。って関心してる場合じゃないわね。ルーチェフルールが聞いている通り、わたくしもカンセの性格が180度変わっていると思ってるわ。それから私の契約者で間違いないから。で、話と言うのは件のカンセのことなの。既に嫌な思いもさせてしまっているから聞きたくはないと思うのだけど、今このエルタニンにはカンセの従者なんかは居ないから、相談できる相手も困ったことに居ないのよ…」
「成程、それで白羽の矢が立ったと…」
「ごめんなさいね。実はねカンセがあんな感じになったのはエルタニンに入ってからなの。最近では愛しの竜王には中々会えないし、その原因が貴女だと言って貴女を消すように私に言ってくる位エスカレートしているの…。普段のあの子ならそんな事は言わないし、今までにない状態でわたくしも困惑しているのよ…考えられるのは、何かの魔法にかかっている…のかもしれないと言う事しか分からなくて」
フェアトラの『消す』発言で、にゃんこ達が一瞬で殺気立ったが、フェアトラは平気で話す。
まぁ、私を消すなんて現実味がないだろう。
なんせ自分以外の最高位精霊と争うことになるし、明らかに勝てる要素もないし。
と言うか…かもしれないって何ぞよ?
最高位精霊でも感知出来ない魔法とかあるのか??
こちらの魔法っておおざっぱなんだよなぁ…基本的なことは型はあるけれども、自分のイメージが最も大事になってくるから、柔軟な考え方をする人だと何でも思いつくんだよなぁ~。
まあそれに見合った魔力量が必要にはなってくるから、無限にって訳にはいかないけど…。
しかし……どうしたもんかね??