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転生しても山あり谷あり!  作者: 月城 紅
18歳になったよ!
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各々の近況?

 

 昨日の対策会議?と言う名の打ち合わせ?(方向性はあまり決まって無かったので…)が終わった後は、ジルにシリウス宛に手紙を書き、届ける様にお願いした。


 内容は…


 シリウスへ


 ジルから現状のお話を聞きました。

 やることが多くて、とても大変なようですね。


 それで今朝の事ですが、私が怒った理由については分かりましたか?

 アクベンスの愛し子とお話が必要なのは、シリウスだと私は思いました。

 ですが今は仕事も大変忙しい中、話し合いをするのはとても難しいことでしょう。

 なので食事や会話等は、当分はアクベンスの愛し子の方を優先してください。


 事態の解決が早く決まればいいですね。


                           ルーチェフルール


 うむ。

 我ながら上出来!


 別に拗ねてとかないからね!

 本当の事を書いただけだから!

 まぁ…確かに…ちょっと、寂しいけど…。




 *  *  *  *




「ルーチェ、こっちは耕し終わったぞ~」


 エーデルが短いお手で私に呼び掛けてくる。

 そう!本日は晴天なり!春の種まきの日なのです!


 未だに城下はお祭り騒ぎでもあるのだが、明後日には一般の人の成人の儀が執り行われると、ジルからは報告を受けている。

 手紙をジルに渡したのが一昨日。

 その後、1時間位してアロイスさんがシリウスから預かった手紙を持って現れた。


 が!長いのよ!!手紙が!

 便箋にして3枚。

 一体、何をそんなに書くことがあるのか?!と思い読めば、大体が謝罪でその他は懇願(食事はせめて一緒にしよう…とか、朝の挨拶には行くから…とか)だったのだが、結局はごめんなさいと接触拒否は嫌!と言う内容なのだ。

 それをオブラートに100枚ほど包んだ手紙だったのだが、私の返事は同じなのでそれを伝えて貰ったら、再び長い手紙が来た…。


 で、それは読まずに焼却しました!

 いやね…返信があんなんだったんだよ?

 また来た手紙なんて、前に貰った封筒より厚かったからね?

 てか、その返事の返事…つまり二通目を貰ったのなんて三時前だったからね?


 だけど、読まずに燃やした手紙の話をシリウスが聞いたら、会えないならせめて手紙だけでも…と言ったらしくて、それを伝えにげっそりしたジルが現れた。

 現在は五通目の手紙が手元にあります。

 一日に3通も手紙出すって正気?!

 一体何をそんなに書くことがあるのか…。

 ってまぁ内容なんて、「今日の朝食の席で~」とか「今後の警備の方針は~」とか「ルーチェフルールが立ち上げたいと言っていた商会が~」と言った報告的な手紙になっている。


 因みに私からは大体が一言での返事なのだが、最後の商会についての話は便箋にして5枚ほど書いて送った。(配達員はジルです)

 この話については、シリウスが落ち着かないとジルを貸し出してくれないから、話が進まないんだよ…。


「ルーチェ?聞いておるのかえ?」


 呼ばれたのにも関わらずぼへっとしていたら、白色の長毛種のにゃんこ(プーロ)が座っていた。

 遠くを見れば他の子達もこっちを見ている。

 因みに今日の護衛もカリマさんなのだが、にゃんこ達の中央に立っている。

 さながらにゃんこに召喚された人みたい(笑)


「ごめんごめん!今行くよ!!」


 プーロを抱っこして、私も種まきに混ざるために皆が居る所へと向かった。






 一方…


 第八階層の迎賓塔では、アクベンスの愛し子・カンセが荒れまくっていた。


「なぜシリウス様はお会いになって下さらないの!?あの女ね…あの女が居るからだわ!今までなら私のことを放っておくことなんてなかったのに!アロイス様やジル様まで、忙しいってこちらには顔を出してくれないのに!!」


 イライラと恨み言を言いつつ、部屋の中をうろうろと歩き回る。

 本来なら部屋の中に待機している侍女も、この部屋の中には今は居ない。

 何故ならばそこに居るもう一人の美女が、部屋を出る様に指示したからだ。


「ねぇ、フェアトラ。私のお願い叶えてくれる?」


 先程までイライラと怒鳴っていたのに、今度は懇願するようにカンセはフェアトラと呼ぶ。

 フェアトラ…そう呼ばれたのは、部屋に居た美女だ。

 赤い巻き毛に、瞳はルビーの様な濃い赤。

 女性らしい肢体には、白い花が書かれた赤い着物を着ている。

 そうフェアトラはカンセと契約した火の最高位精霊だ。

 だがカンセを見る瞳は冷たい。


「ねぇフェアトラだって知ってるでしょ?わたしがシリウス様が好きなことを!」


「ええ、知っているわ」


「だったらお願い!あの女をシリウス様の前から排除して!」


 そうカンセは声高々にフェアトラにお願いと言う、命令をしてくる。

 それに対してフェアトラは何も言わない。

 答えないまま、カンセの傍に居る。

 それに対してまた怒るカンセ。

 この数日、二人が繰り返してきた行動だ。

 いくら契約者とは言え、愛し子とは精霊に気に入られた人であるだけだ。

 気に入らなければいつでも契約を一方的に破棄出来る立場に居る。

 本来のフェアトラからすれば、今の状態のカンセは目にも入れたくない類の者だ。

 だがフェアトラはカンセを気に入っている。

 だからこそ、現状のカンセに対してどう対処していいのかが分からないでいた。



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