反省って言葉は大切だよね
あー…せっかくの美味しいご飯が、楽しく美味しく食べる事が出来なかった…。
一日の大事な時間なんだよ?朝食って。
一日の始まりの原動力になるんだから!
「それにしても…はぁ~…なんか面倒くさいこと100%になる」
「さっきの感じだと、そうなるよねぇ~」
「いっそのこと、部屋に籠るのが良いのではないかえ?」
「そうなると、ルーチェのやりたいことが出来んくなるじゃろ」
「外に行けなくなるなんて、俺様には苦痛」
「ルーチェ、レイナは平気」
「私はどちらでも大丈夫ですよ」
「私もどちらでも問題ないですが…この状況が続くのであれば、考え物です。アレでも一応は愛し子。竜王も強気に出てはいましたが、ずっと断り続けるのも難しいでしょうし…何よりも、アレがいつまで滞在するんでしょうか?ルーチェは知ってますか?」
部屋に戻って来るなり、疲れてソファでゴロゴロしている私達に、にゃんこ達が各々話し始めた。
いや…きっかけを作ったのは、私ですけどね。
「……いや、聞いてない。そもそも、愛し子との面会自体、話に出てなかったもん。てか…私も引きこもるの反対!畑の様子もみたいし、商品の開発もやりたいし、ジルに相談して商会立ち上げの計画の話とかしたいし!それから……」
「それから?(にゃんこハミング)」
「それから……ハイラント対策もしないと……」
「あーー……(にゃんこハミング)」
「ね?大変でしょ?目下の問題は、愛し子だけど…ハイラントの動向も見ないと」
「ハイラントに関しては、既に監視の手も回っていますし、下位精霊に監視をさせていますので、問題はないと思います…」
ん?なんかロワの言い方が引っかかるような…。
まぁ今はいいか。
「ここは取り敢えず、ジルを召喚しよう!!」
* * * *
と、言う訳でジルを召喚しました。
召喚したけど…なんかやつれてる?
「ルーチェ、朝から悪かったな」
「ジルどこまで知ってるの?」
既に始業してる時間だから、シリウスから聞いてるとは思うが、一応確認。
コレ大事。
「あー…うん。朝食に愛し子が乗り込んできたことは知ってる。それからシリウスと愛し子がやりあったのも」
なんだ、全部じゃん。
「ただ、ルーチェの事をシリウスに聞いても、何も話さない…から、侍女には経緯は聞いた。で?何に怒ってるんだ?」
「怒ってるのは確定?」
「まぁ、そうだな。シリウスめっちゃ凹んでたぞ。アレは今後の仕事に支障をきたす。だから、早めに許してやって欲しいんだが」
「はぁ…もうシリウスは、ほっといていいんじゃない?」
「いやいやいや!ほっとけないからな?アイツ、竜王!仕事が回らんくなる!何がダメだったんだ?アレか?アクベンスの愛し子が来たからか?」
「……確かに、あの愛し子は常識がなってない。迎賓塔に食事が用意されたのに、シリウスと食べたいからって他の人達を脅してまで来るのはおかしい。それよりも、腹が立ったのは、二人がいつまでも言い合いをして、美味しい朝食を食べないこと」
「あー…ルーチェらしいって言えばルーチェらしいなぁ。今回は何が原因かは分らんのだが、アクベンスの愛し子…名前をカンセと言うんだが、彼女がこんな暴挙に出たのは初めてなんだよ」
「初めて?なんかすんっっごい話を聞かないタイプみたいだったけど…」
「いや、正確にはエルタニンではって話だが…シリウスに気があって何かにつけては来ようとしてたんだ。で、今回だ」
「今回?私のお披露目で挨拶に来たんじゃないの?」
「表向きはな。実際には一度ちゃんと挨拶に…って話になったんだ。でも愛し子どうしを会わせるには酷では?って話になって、今回は保留になったんだ」
「私に会うのが?」
「そう。最高位精霊が付く愛し子が、同時期に複数いる事のが珍しいんだ」
「ん?どう言うこと?」
「ルーチェ、話は簡単」
「精霊に好かれやすい子を愛し子って呼ぶんだよ。だから結構いるんだよね」
「そうですね。ただ…最高位精霊が付く愛し子と言うのは、早々居ません」
「まぁ、そもそも俺様達が付くような愛し子なんて、迷い人のが多かったしな」
「そうじゃのう…妾達とて、色持ちと言った理由だけで契約するわけじゃないからのう」
「そうですね。現に私も一般的に愛し子と呼ばれる存在と、契約はしたことはありましたが…その時でも私と同等の精霊は居ませんでした」
「そうじゃな。高位精霊が何体も付くことも珍しいほどじゃ。最高位精霊が付くなど数えるほどじゃろうて」
え?なに?それじゃあ私は、激レア中の激レアってこと?
もうなんかそれって、一周回ってそんな奴居ないって話にならない?
「ってことで、一回は保留になったんだが…愛し子が無理やり来たんだよ」
「無理やり来た理由ってなに?」
「あー……噂で『竜王が嫁を決めた』って聞いたらしいんだ。で、突撃してきた」
「竜王?…それってシリウスのこと?結婚するってこと?私、聞いてないんだけど…」
「いや、結婚ってか…まだシリウス本人は気持ちを伝えてないって言うか……とにかく!その噂を聞いて来ました!って言うアクベンスの愛し子に、シリウスが激怒したんだよ」
「……シリウスが怒るの?」
「まぁな…あいつだって、ルーチェの人生で一度きりの成人の儀を楽しみにしてたんだ。お披露目だってあるだろ?なのに、権力使って来るわ我儘言いたい放題だわ…で怒ってるんだ」
ってことはなんだ?シリウスはいやいやなのかな?
でもなぁ~朝の事と、この事は別物だし…。
うん!やっぱり
「二人はほっておこう。アクベンスの愛し子の恋路は知らんが、そこはちゃんと話し合うべきだと思うし、私はハイラントのことで考えたいから!」
「そうだよな…ハイラントもあるもんなぁ~…だが、ルーチェ。シリウスが会いたいって来たら話を聞いてはくれるよな?」
「まぁ、取り込み中じゃなければ、いいかな」
そうは言うが、当分は私の手が空きそうにないから、会えないとは思うけど!
ご飯は当分一緒にする気にはなれません!!