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転生しても山あり谷あり!  作者: 月城 紅
18歳になったよ!
143/152

私のゲージは・・・

 

「キャー!!こっち向いてー」

「愛し子様ーー」

「精霊の加護を―!!」

「私に仕えさせてくださーい!!」

「愛してまーす!」


 馬車に乗りながら、声援?を聞いているルーチェフルールさんです。

 因みにこの馬車、オープンですよ?オープンカー!

 え?オープンカーの意味が違う?

 …馬車って車だよね?馬が引く。

 だからカーの括りに入らないの?違うの?(大真面目)


 それにしても…いやぁ人気ですなぁ~。

 てか、愛し子発表、二日前にされたのに人気過ぎない?

 馬車の速度が緩やか→まったりになっておりますが?

 てか、自分が手を振る立場になってから分かった。皇室の方々はすごい。

 因みに私は頭からすっぽりヴェールを被っているので、笑顔を作らなくては良い。

 でもね、手を振るのが辛い!!肘置きを!誰か私に肘置きを下さい!!!


「…辛い」


 笑顔でポソッと呟くよ…。


「ルーチェフルール…辛抱してくれ。これを使えば腕もましになるだろうから」


 そう言いながら、背中にあったクッションの一つを渡してきた。

 それにしてもですよ?

 シリウスさんからちょっと殺気が出ているのですが?

 左側がちょっと痛いです。


「シリウス?何かあった?」


「ん?どうかしたか?」


「いや、どうかしたか?はシリウスだよ。なんか殺気出てません?」


「…すまない。ちょっと不穏な言葉を聞いたのでな」


 スッとさっきまで、チクチクしていた殺気が引く。

 それよりも…不穏な言葉?むっちゃそっちのが、気になるんですが?!

 え?それってこの声援の中でだよね?

 ナニ?爆発とか起きる?襲撃再びとか?それとも暗殺?

 

 でもここで暗殺とかされたら、世界が滅びないかな?

 契約精霊さん達が嬉々としてやりそう…でも、世界がなくなったら精霊も意味がなくなるか!

 いや…間違いなくエルタニン王国は滅びるな。

 一人悶々と考える私にシリウスが話しかけてきた。


「いや、ルーチェフルールが思うような言葉ではない。ただ…私としては見過ごせない…と言った言葉だったのだ。気にしないでくれ」


 ちょっと苦笑いしながらも言ってきた。

 言って来たのだが、見過ごせない言葉で、冷気が出る言葉ってなんだよ?!

 あんな温厚なシリウスがオコになるとか…。

 言った人の今後が心配になる。

 と言っても、この衆人環視の中で誰が言ったかなんてわからないと思うけど!


 とにかく今はお仕事!

 この永遠かも…と思えるような手を振る作業を、頑張ります!

 …でも、この後の夜会は馬車と騎士と言う隔たりが無くなるから、もっともみくちゃにされるのでは?

 イカン、カンガエタラ、ダメ。



 *  *  *



「お疲れ~様!」


 何だか独特な言い方だな、ルスよ。

 ルスの言葉で、お菓子を食べてたり、昼寝を楽しんでいた皆が集まってくる。

 いいよね、君たち呑気で。


「それで?皆は私に何か言うことがありませんか?」


 黒ーい笑顔で問う。


「え?」


「なに?」


「言っておらなんだか?」


「なんのことじゃ?」


「さぁ?私には…」


「あー…たぶん?」


「握手会の事ですか?」


 ルス・レイナ・プーロ・エーデル・ロート・リシェス・ロワの順で話しております。

 そして、確実に最後の二名に関しては、心当たりがあるらしい。

 …てか、ロワが確信犯だと思うんですが?


「ロワさん?ご説明を!」


「そうですねぇ…一言で言えば『私達も忙しかった』です」


「…」


「無言の圧は止めましょう、ルーチェ」


「いやいやいやい、忙しくても君達、私と四六時中共にいますよね?ちょっと私から離れて、ジルに説明聞くよりも、一緒に居る時間のが多いですよね?おかしくありません?」


「…面白そうだったので」


「……」


「そう、怒らないでください。パレードはいきませんでしたが、この後の夜会には皆で参加します。しかも面倒事になる精霊の姿で」


 ロワの言葉で他の皆が一斉にしかめっ面になる。

 何故に?


「あー…ルーチェはどこまで聞いた?」


「夜会の事?」


「そうだ」


「えっと…会場に入ったら皆の挨拶を受けて、ファーストダンスをシリウスと踊る…ってのは聞いた」


「まぁ、概ねはあってますね」


「そうだな。正確には招待されている面々が厄介なんだよ」


「と、言いますと?」


「まず神殿の上層部。次に各国の王族か代表貴族。それから、火の最高位精霊とその契約者…などなどってとこだな。俺達は精霊だから、神殿の上層部に追い回されるのは必然だ」


「へー、愛し子が来るんだ!初耳」


「そりゃそうだ。フェアトラ…火の最高位精霊な。その契約者は今回は表向き、お忍びなんだよ。なんでもエルタニンの愛し子が見たい!って我儘で来たらしい。てか、俺達のことは?」


「それに私達、契約精霊も見たい…そですよ?絡まれることこの上ないと思いませんか?」


「まぁ…確かに?でも、見たい!ってだけでしょ?他に何かあるの?」


「そりゃな、自国の愛し子が他の最高位精霊に見初められるかも!って思ってる奴らが居るってことだよ。ルーチェ、リシェスに返事してやれよ」


 なんだか一杯の思惑を帯びた言葉を放ちつつ、ジルが部屋へ入って来た。


「第一声がそんなドロドロした話ですか?そして、精霊たちは自業自得です」


「いや、知っていて欲しくて。それからお疲れさん。さらにガンバレ!」


 …コイツ、はっ倒すか?

 最近のジルはイラっとするわぁ~。


「落ち着けmルーチェ!その拳を諫めるんだ!」


「ねぇ?おちょくってる?」


「…いや、これから起こるであろうことを考えると、今のうちに怒っておいた方が良いかと思ってな」


「どういうこと?このイラっとすること以上があるの?カルシウムを早急に摂取した方がいい?」


「ルーチェ、今からカルシウムを取っても直ぐには吸収されませんよ」


 そんなことは分かっとるわ!


「まぁ、落ち着け。その、来る愛し子なんだが…シリウスが好きなんだよ」


「そうか。シリウス、イケメンだもんね」


「…それでいいのか?」


「何が?」


「…まぁ、取り敢えずルーチェはいいか。それよりも、こっちのがイヤな思いをすると思う」


 なんだか勿体付けた言い方をするなぁ~ジルは。

 仕方がない!待ってやろう!!


「……ハイラントの貴族が来る」


 その言葉に、目の前が真っ暗になった。


訂正前➡ヴェールを被っていない状態でした

訂正後➡ヴェールを被ってもらいました


話の都合上、変更しました!

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