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転生しても山あり谷あり!  作者: 月城 紅
18歳になったよ!
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成人式だ! 1

 

 差し出した頭に、シリウスがそっとティアラを乗せてくれた。

 ・・・・乗せてくれた。ここまではいい。

 でもさぁ・・・これ落ちない?

 ちょっとでもふら付いたら、落下してカシャーンって音を立てて、床に転がりそう。


 ん?想像力豊かだな・・・って?

 いいぞ!もっと褒めるのだ!!


「ルーチェ・・・・またくだらないこと考えてるな?何時までたっても成長しないなぁ」


 そうため息を付きつつも、シリウスが乗せてくれたティアラをピンで留めていく。


「乗せただけではダメだったか?」


「あのな、シリウス。ポンって乗ってるだけだと落ちるだろうが!傷でも付いたら大変だろ」


「そうか・・・だが問題ない。他にも作ってある」


「・・・・・ん?お前、今、なんっつった?」


「だから他にもある、と言ったんだ」


「「・・・・・」」


 これにはジルと一緒に無言になる。

 え?この、今、頭の上にあるティアラ意外に、他にもある?


「ねぇ、シリウス・・・他にもあるって、幾つ作ったの?」


「うむ。ルーチェフルールに似合いそうな図案が幾つも思いついてな、絞るのに苦労した。そのティアラを入れて五つだ」


 ちらっとジルを見ると絶句している。

 たぶん・・・いや、絶対的にこのティアラ一つでも相当な金額だろう。

 それが後、四つもある。


「お、お前、バカかーーーーー!!!!!!!」


 ジルの絶叫が部屋に木霊した。

 耳がキーーーーンってなる。

 すごい肺活量だ。


「お前、これ一つでも、幾ら金が掛かってると思ってる?!」


「問題ない。現在付けているティアラも含めた全部のティアラの代金は、私が払った」


「・・・・・ってことはなんだ?予算使ってないのか?」


「あぁ、勿論だ。普段使う物ならいざ知れず、こんな大事な時に使用する物だ、私が払って当たり前だろう。寧ろ誰か知らない者の物を、ルーチェフルールが付けていることが問題だろう」


 ドヤ顔で言われました。

 てか、このシリウスの貢ぎたがりはどうにかならんのか?


「まぁ、それならいいわ」


 そしてジルさん?あっさり受け入れ過ぎじゃないですかね?

 予算があることにも問題だと思っているのに、例え予算が組まれているのに、貢がれるなんて・・・。

 考えように、国庫に負担がない・・・と思えば良いのか?

 どうもジルはそこを気にしているようだし・・・。


「それよりも、支度が出来たのなら行こう」


 そう言ってシリウスが私に向けて手を差し出した。

 これにももう慣れた。

 最初はエスコートなんて恥ずかしかったのだが、これからはそう言った機会が増えるから・・・と言われて頑張っている。


 が、シリウスの手を握ったら、流れるようにお姫様抱っこされた・・・。

 うん。これも慣れた。

 いや、毎回抱っこする訳じゃないよ?ちゃんとエスコートの時もある。

 でも、どっちかって言うと抱っこのが多いかも・・・。


「よし、んじゃ行くか」


 そう言ってジルが扉を開く。

 ジルもこの光景に慣れており、もう当たり前とさえ思っているみたいだ。

 てか、私の行動範囲に居る人達は、もう慣れている。

 最初は物珍しく見られていたのだが、何度も続けばそりゃ慣れる。

 私はもう色々諦めた。



 *  *  *  *



 向かうのは、神殿・・・ではなく、ホールだ。

 城での催し物でよく使う場所だ。

 よくあるのが、夜会・・・とかかな?

 他にも音楽会とかもやるそうだが、基本的にはイスなどが常に置いてあるわけではなく、その時その時に合った様に準備するらしい。


 因みに今日は、円形に椅子が並べてあり、中央の部分がぽっかりと空いている。

 この中央の部分で儀式が行われる。


 てか、儀式って言うよりも、宣誓的な感じだそうだ。

 予行演習でも、え?こんだけ?って思った私は悪くない!


 そして、何よりも・・・・この儀式に参加するのは私だけなんだよ。

 いや、成人が私だけなんて可笑しいだろ!って言ったら、他の人は神殿で行うんだが、『今日は私だけ』なんだそうだ。

 他の人は後日になった。


 つまり、この儀式は愛し子の見世物だな。

 勿論、私一人が見世物になるのは嫌なので、にゃんこ達も強制参加だ。


 えぇ、渋りましたよ!!

 でも私一人なんて嫌!!と駄々をこねて、更には新作料理を差し出すことを条件に、参加させたのだ!

 偉い、私!

 因みに、にゃんこでは示しが付かないとのことで、人型での参加になります。


 この人型での衣装も苦労した・・・。

 最初はローブで~と言いだして、私もまぁいいか!とか思っていたら、納得できない人が一人。

 えぇ、言わずもがなジルさんです。

 ここからは怒涛の勢いで、全員の衣装を作成しておりました。

 それぞれのカラーに合った、それぞれのイメージを表した衣装。

 ちゃんと本人達の意見も取り入れてますよ!


 そうして出来上がった衣装に身を包んだ、にゃんこ達は私とシリウスを待っていた。

 既に椅子には、招待された方々が静かに私を見ている。

 中央に続く道をゆっくり歩きながら・・・・てかゆっくり歩く必要あるの?って聞いたら、見世物なんだから我慢しなさい!ってジルに言われた。

 オカンは今日も厳しいです。


 私が中央に付くと、鐘が鳴った。

 それを合図に、儀式が始まった。


 ねぇ、成人式って皆でワイワイする感じじゃなかったっけ?


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