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転生しても山あり谷あり!  作者: 月城 紅
ばんざーい!
137/152

変化 2

 

 最近のシリウスの行動に疑問を浮かべながらも、私は大事なことを訴える!


「あのね、ジルがお化け屋敷を花火大会で運営しちゃダメって・・・」


「そうなのか?ジル」


「あ~まぁ、そうなんだよ。今日、騎士団と魔導士団の混合訓練で、ルーチェのお化け屋敷のデモンストレーションをしただろ?それの結果がよくなくて、今回は見送りにしろって言ってんだ」


「合同訓練・・・?今朝、言っていたのだな。結果が悪いとは?」


「いやな、騎士団と魔導士団なんて結構な人数だろ?それを四人一組のパーティで実施したらしいんだが、誰もゴール出来なかったんだよ。それじゃあ、一般人がクリア出来るわけがないだろ?ルーチェは、難易度を変更するとは言っているが・・・」


「確かに人数も多くはなるが・・・誰もと言うのは流石に・・・」


「違うよ!二人共。確かに今回は誰もクリア出来なかったけど、途中からモンスターハウスに主旨を変更したの!通常のお化け屋敷なら一般人でもクリア出来るよ!(たぶん・・・)」


「モンスターハウスとは?ルーチェフルールが言っている、お化け屋敷とは違う物なのか?」


「うん。お化け屋敷は驚かしたりするのなんだけど、今回はリーリアさんとカリマさんに「最近の竜人の軍は粋がってるから、〆て欲しい」って言われたの。で、途中からモンスターハウスに変更したんだ!」


「確かに両副団長からそう言った話は聞いているな。それで?具体的に何が変更されたんだ?」


「んとね、お化け屋敷は恐怖を与える方だから、驚かす・怖がらすってのがメインなの。で、モンスターハウスは、違う恐怖・・・恐慌状態?にするのと、モンスターに襲われる感じにして、幻術で実際に攻撃を受けた様な痛みなんかを再現したんだ!」


「「・・・・・」」


 やり切ったぜ感で言ったら、二人共黙っちゃった・・・。

 なぜに?

 頑張ったのに・・・確かにちょっとはやり過ぎかな?とは思ったけど・・・。


「ルーチェフルール。確かに両副団長からの依頼には答えた?ような気がするが、流石にそれではジルも私も反対だ」


「な?そうだろ、シリウス。それにルーチェ、花火大会まであと三日だぞ?今からだと最終確認なんてしてられないだろ?」


 その言葉に押し黙る・・・。

 いや・・・そうなんだけど、そしたら私の未来への貯金はどうなるんですか?

 誰が保証してくれるんですか?


「そもそも何故、そんなにもお化け屋敷をやりたいんだ?次の豊穣祭までに調整すれば遅くはないだろう?急ぐこともないだろう?」


「あー・・・シリウス。ルーチェはな、金儲けがしたいんだよ」


 えーーー!!!ここでシリウスにチクるのか?!ジル!!!酷い!!!


「金儲け?何故だ?お小遣いが足りないのなら、あげるぞ?そもそも、そんなにも稼いでどうするんだ?確か他の出店の売り上げの一部も、ルーチェフルールに入るようになっているだろう?」


 至極真面目に、なんで?なんで?攻撃をしてくるシリウス。

 チラッとジルを見ると、諦めろと言うように首を振った。

 ・・・・・いや、ここで諦めたらダメだろ!


 まぁ、確かに、シリウスからお小遣いを定期的に貰ってるよ?

 いや、正確にはお小遣いと言うけど、国庫から出てるんだよ。

 なんかね、『愛し子様予算』ってのが組まれてるらしい。

 それ聞いた時には、なんだソレ?って思いましたけどね。

 そんなの国の予算から出すの?って聞いたら、愛し子は特別だから・・・とのこと。

 何が特別なんだ?とは思ったが、聞いても特別だからとしか返ってこなかった・・・。

 とりあえず・・・・


「シリウス。確かにお小遣いは貰ってるよ。そしてちゃんと足りてる。てか、使う所がないよね?街には基本的に出かけないし・・・。でもね、この先人生は長いんだよ?何があるか分からないじゃん。稼げるときに稼いで、老後の資金にあてたいんだよ。それにもしかしたら、エルタニン王国を出て他の国も見てみたい!ってなるかもしれないでしょ?そのお金まで、エルタニン王国から出してもらうのは筋違いじゃない?」


 ん?なんだ?今、背中がゾワッてした・・・なに?


「ルーチェフルール。この国を出る・・・と言うのか?」


 さっきよりも声が低くなったシリウスが質問してくる。


「シリウス!落ち着け!!大丈夫だ!ルーチェは何処にも行かないから!」


 え?なんでそんなことジルが決めるの?


「どうなんだ?ルーチェフルール」


「どうって・・・機会があれば他の国も見てみたいよね」


 なんか・・・ゾワゾワが酷くなってきたよ?

 あれ?可笑しいな~。

 心なしか、ちょっと寒くありません?


「ルーチェフルール。お出掛けは私も同伴するからな?君は私の許可なしで、何処かに行くことは許さないからな?」


「あ・・・うん。分かったよ」


 何も分かりたくないけど、ここでの正解はコレしかなくない?


「そうか、それならば問題ない」


 むっちゃ良い笑顔でお返事きたーーーー。

 ・・・・まさかのシリウスは、ヤンデレ属性らしいです。


 そして、有耶無耶になったお化け屋敷は、豊穣祭まで延期になりました。

 なんてこった・・・。

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