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転生しても山あり谷あり!  作者: 月城 紅
ばんざーい!
131/152

ある兵士の一日 4

 

 俺は非常口の扉を開けた。

 その先は鬱蒼と茂る森だ。

 ココが非常口?安全は確保されるのか?

 そう思うのは仕方がない。

 現在進行形で、アルは気絶中なのだ。


 そう戸惑う俺の前に一人の女が現れた。

 なんだ?!気配がしなかったぞ?!

 その女は無機質な声で話しかけてきた。


『ここは非常口になります。棄権すると言うことでよろしいでしょうか?』


「あぁ、そうだ」


『それはチームとしてですか?それとも誰かだけになりますか?』


 その言葉は意外だった。

 棄権する・・・戦線を離脱する場合にはチーム単位になる。

 それが、一人でも良いと言う。

 この言葉に、後ろに居る二人を見た。


「俺はこのまま続行で問題ないっす」


「私も」


『貴方は如何いたしますか?』


「俺も続行で問題ない」


『畏まりました。では、魔導士アルを棄権させます』


 その言葉に、アルもその女も目の前から消え、更には扉も消えた。

 不思議な現象だが、ここは愛し子が魔法で作った空間。何が起こるのかは、俺達にはわからない・・・。


「ここでの棄権はアルだけだから、扉が消えたのかしら?」


「たぶんそうだろう」


 そう俺とアンが話していると


「せんぱーい!花があったっす!」


 そう言いつつ、ギドが黄色の花を持って来た。

 これでやっと2本目だ・・・。


「それじゃあ、続きだ。確か、この部屋の先には扉はなかったよな?」


「そうね・・・手近な扉には入ったけど、なかったと思うわ」


「俺もそう思うっす」


「ふむ・・・だが確証はないから、通路の先を確認してから引き返すかを考えよう」


「また、さっきのが居たらどうするの?」


「俺が思うにさっきのアンデット同様に、居なくなっている可能性が高い。愛し子様は『驚かす場所』だと言った。俺ならば先程とは違う手で行く」


「それもそうっすね・・・」


「ならここで、あーだこーだ言っても仕方がないから、部屋を出ましょう」


 アンのその言葉で、扉に向かう。


 カチャ・・・カチャ・・カチャカチャ・・・


 何か金属が鳴る音が後ろからする。

 ・・・・振り向かなければよかった。


「せ、先輩・・・扉を開けっるっすーーーー!!!!」


 ギドの言葉と共に、扉を出て元来た通路を走る!

 後ろからは幾つものナイフの様な物が追いかけてくる!


「さっきの奴はいないけど!物理攻撃は、ないんじゃなかったの?!」


「わからん!!とにかく走れーーー!!!」


 通路の角を曲がると、ナイフは壁に突き刺さった・・・。

 間一髪・・・と言ったところか?


 “・・・残念。串刺しにならなかったなぁ・・・”


 心底残念そうな男の声が木霊する・・・。


「ねぇ・・・愛し子様は怖がらすだけ・・・って言ってたわよね?あれ間違いかしら?明らかに敵意があるけど・・・・」


「でも、殺気はないっすよ?」


「グダグダ言っていても仕方がない・・・先に進もう」


 そう言って、俺達は折り返して来た道を進む。


 ペタ・・ペタ・・・ペタペタペタ


「ねぇ・・・また後ろから音がするんだけど・・・」


 アンの言葉に


 バァン!バァンバァン!!


 と窓ガラスに赤い手形が付く。

 そして、窓を割る勢いで音が響く!

 今度は一体、何なんだ!!!

 俺達は、そのまま走り抜け、再び受付まで戻って来た。


「ここな一息つけるっすかね?」


「はぁ・・・はぁ・・っここなら・・問題・・・ないでしょ・・・」


「アン、大丈夫か?」


 そう言えば、アンは魔導士だった・・・。

 ここまで俺達に付いて来られるのならば、魔導士の基礎体力をUPすることを検討してもらえるように、申し出てもいいかも知れんな・・・。


「・・・先輩?なんか、変な事考えてないっすか?」


 ん?ギドは鋭い部分があるな・・・。

 俺もいささか疲れてきたぞ・・・。



 *  *  *



「ねぇルーチェ。意外と人が残ってない?」


「そうだね・・・てぬる過ぎた?なんか・・・もっと・・・こう、キャーキャー言ってもらいたいんだけど・・・」


「そうですね・・・一応、リタイアは出てはいますが・・・あまり多くはないですね」


「それにこの人達、基本的に連携してるから対処出来ててつまらないね」


 そう、私達は複数のモニターの前に居ます。

 なんかさぁ・・・アンデットってこの世界に居るから、兵士とかはたいして驚かないんだよね~。

 唯一、攻撃が出来ないから、逃げるしかない!って感じなだけで・・・。

 それでもまぁ、お化け苦手な人は何人か手術室で脱落はしてるけど・・・。

 ルーチェさんの目指すところは、全員なんだよね!


「仕方がない。ぷらんBに変更だ!!」


 フフフ、恐怖とは決して一つではないのだ!


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