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転生しても山あり谷あり!  作者: 月城 紅
ばんざーい!
130/152

ある兵士の一日 3 (ギド)

 

 俺達は無事に最初の赤い花を、やっと一本を手に入れたっす。

 それにしても・・・


「再び戻った部屋には、誰もいなかったすよね?」


「さっきの奴らは何だったでしょうか?」


「てか、アンデットが複数居るのも問題だったけど、それよりも何でアンデットがアンデットを診察してるの?」


「まぁ皆落ち着け、確かにアンデットが、診察を受けているのもよくわからない状況だが、目的の花は手に入った。ただ、まだ一本目だ。残りの六本を探しに行こう」


 謎だらけな場所なのに、先輩は冷静に先を見据えてた。

 先輩の何事にも動じない姿勢が、俺は凄く好きだ。

 先輩は俺の憧れっすよ!


 で、先に進む通路は直ぐに壁で右に曲がっていた。

 その先の突き当りに扉が・・・


「また、何か出てくるのかしら?」


「ちょっとだけ開けてみるっすよ?」


「僕は大丈夫です!」


 それぞれの、意見を聞き先輩が俺にGOサインを出した。

 ・・・・が、扉を開けても何もなかった。

 そう、物も何も・・・。なんかミスしたんすかね?


「何もないのも気になるが、ないなら先に進もう」


 そう言って、先輩は通路の先を指した。

 だが、左手に直ぐに通路がある。

 チラッと見た感じでは、突き当りになっているし、扉もこの先にはない・・・。

 なんの為の通路なんすか?愛し子様の考える事は不思議っす・・・。


 暫く歩くと、先に扉が・・・・。

 警戒して進む俺達の後ろから、何だか音が・・・。

 振り返ったら、先に気が付いていた先輩も来た通路を見ていた。

 続いて他のメンバーも後ろを見る。


 イ・・タイ・・・イタイ・・誰カ・・・


 そこには全身を包帯が覆い、足を引きずりながら歩いて来る人が。

 さっきの通路!?確認した時には誰も居なかったっすよ!?

 そんな考えもお構いなしに、少年?少女?・・・どちらとも取れない人がこちらを向いたっす。

 手を伸ばしてくる、見るからに痛そうっす・・・。


 ボトリ・・・


 腕が落ちたっす・・・。

 そう思った次の瞬間に、腕が凄まじい速さで這ってくる。


「ギィヤーーーーーーーーーー!!!!!」


 一泊の後に誰かが叫んだ。

 と、同時に走り出す!!

 俺を追い越して、走り出したのは魔導士のアルさんっす。

 それに続いて走り出す俺達。

 目の前の扉を開き、勢いよく閉めた。


 ゼーハー、ゼーハー・・・。


「コレって間違いなく訓練っすよね?」


「そうなの?!」


「アル、大丈夫か?」


 先輩の声で、先に部屋に入ったアルさんを見たっす・・・。

 顔面蒼白の上、ガタガタ震えてるっす・・・。


「ボ・・僕、モウ、ムリ・・・」


 片言になってるっす・・・。


「ギド、確か近くに非常口があったな?」


「あっハイっす。地図によると確かこの部屋ですよ」


 そう言って周りを見渡すと、部屋の奥に非常口が。


「先輩、奥に非常口が見えるっすよ。あと、黄色の花もあるっす」


「それにしても・・・この部屋ってなんの部屋なのかしら?」


 そうアンさんの言葉に、俺も部屋を見渡す。

 ごちゃごちゃと物が置いてある。

 中央には青い布が被せられた台が。

 その上には、大型の照明が取り付けられている。

 台の近くには、可動式の台があり、上を見ると刃物が並ぶ。


「どちらにしても、良い場所ではないだろう」


 先輩の声に振り向くと、先輩はアルさんを背負っていた。


「アルはこれ以上歩けそうにない。棄権した方がいいだろう」


 そう言って、非常口の方へ歩いていく。


 ガッ!!


 掴まれたっす・・・。


「アーーーーーー!!!!!」


 先輩の耳元で大音量で叫ぶアルさん。

 その後、ぐったりと・・・。


「なっ?!何が?!」


「・・・・その台から伸びてきた腕が、アルさんの足を・・・・」


 自分以外がこうも怖がると、何だか冷静になってくるっす・・・。


「ギド!まだ掴んでるか?!」


「もう離れてるっす!」


「何なのよ!もう!!」


 そう言って今度は、アンさんが台にかかった布を取る。

 なんと胆の据わった・・・惚れそうっす。


 剥がされた台の上には、死体が。

 特に変哲のない死体。

 突いてみたがもう動かないようみたいっすね。

 死体を横目に通り過ぎ、非常口に。

 何だかここまでが異常に長く感じるっすね・・・。


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