プレゼン 3
「一番大事な話?」
「そう!一番大事な話!」
「確か、『お化け屋敷』ですよね?」
「そう!お化け屋敷!」
「ルーチェ、一応、聞きたいのが・・・それはなんだ?」
「え~・・・ジルが苦手なもの?」
そう!皆さん、覚えておられますか?
カリマさん事件?それとも、ロワ事件?絵本事件?の時に、ジルが怯えたことを!
いやいや、決してジルが怖がるのが楽しみとか・・・その為だけに作るとか・・・・。
・・・・・あります!
あるよね?!身近な人が怖がる姿を見たいとか、驚く姿が見たいとか!
サプライズってそう言うモノだよね?!
・・・・え?主旨が違う?
サプライズは喜んでもらうもの?
いやいや、吊り橋効果ですよ。
お化け屋敷→怖い→ゴール→外に出れて安心→ハグ!
因みに最後のハグは私とだよ!
最高のご褒美じゃない?!・・・・そう思っているのは私だけですか?
とにかく!
「今度の花火大会で、お化け屋敷作りたいの!夏と言ったら怪談でしょ!」
「なんで怪談なの?」
「え?なんで・・・って怖い話で夏の暑さを吹き飛ばそう!って話だよ」
「へぇ~人ってそんな行事があるんだね」
「精霊の悪戯と、どっちが怖いのじゃ?」
「プーロ・・・怖さが違うと思うぞ」
「え?精霊の悪戯ってそんなに悪質なの?」
「まぁ、時と場合によりますね・・・」
「因みに参考までに聞きますが、どんなものがあるの?」
「そうですね・・・軽いモノなら『ちょっと物が無くなる』とかですね。たちが悪いのだと『拐かされて、家に戻ってみたら百年経っていた』とかですね」
・・・どんな試練だよそれ。
玉手箱か?いや、玉手箱だ。
ん?でもあれは開けなければ良いんだよね。
でも今の話を聞く限り、強制だよね?そうなると、やっぱり精霊のが怖い・・・。
「・・・なぁ、話が逸れまくってるが、結局ルーチェはその『お化け屋敷』を作りたいんだろ?」
「そうですな」
「お化け屋敷って言うくらいだから、屋敷を使うんだろ?」
「今回は、屋敷がテーマじゃないけど、建物は大きくいこうかな!っと」
「それな・・・時間的に難しいだろ?」
「何故に?!」
「いや、考えてもみてくださいルーチェさん。花火大会に屋台出すのを今から許可貰うんだよね?まだの許可も出てないから、案を通してそれに伴った、交通整備やら何やらで大変になるだろ?それなのに、デカい建物建てる場所とか今から検討しても、時間的に無理だろ?」
・・・やっぱムリですよね~。
だって花火大会まで後、3ヶ月程しかないもん。
ホッタテゴヤ的なのならいけるかな?とも思ったのだが、こちらの世界には『ホラー』なんて無いから、最初はやっぱりちゃんとした物を作りたいんだよね~。
でも、ムリかぁ~・・・。
「ルーチェ、大丈夫ですよ。場所や建物なら魔法で作ればいいんです」
「いや、確かに建物は魔法でもいけるが、場所は・・・」
「大丈夫ですよ、ジル。別次元に作ればいいんですから」
「「別次元?」」
「そうですよ。所謂、『空間魔法』ってのですね。ルーチェの魔力量なら問題なく作れます。そこにお化け屋敷を建てれば問題は解決です」
何て都合がいいんだ・・・。