襲撃 5
前回の続きだけど・・・人攫い→マダムの話ね。
マダムが依頼を受けていた貴族を探して、確認したところ・・・・依頼主が消えてたの。
正確には、この世に居ない。
更に言えば、マダムが依頼を受けていた時点でこの世に居なかったのよ。
普通、自国の名門貴族が亡くなっていたら嫌でも耳に入ってくるよね?
それがね無かったの。
表向きは病気療養。その実は『毒殺』されてた。
マダムが依頼を受けた時期は、その貴族が毒殺されて直ぐぐらいなんだよ。
通常、貴族が亡くなると次の当主を決めたり、国に報告したり・・・・と忙しくなるんだけど、この貴族は跡目で問題を抱えていたし、毒殺されました!ってなったら世間体が一気に悪くなる。
だから、内々で調査して・・・ってやっていたところだったの。
その間に誰かがその貴族に成りすまし、マダムに依頼。
だからマダムが本当に、契約を交わした人が分からなくなった・・・・。
多分、てか十中八九、その貴族を毒殺した人が依頼をしてるんだけど・・・それが誰かわからない。
マダムは知らずに、子供を集めていたらしい。
で、その子供を集めるようにマダムが依頼したのが、あの人攫い集団。
それで、なんで今回の襲撃に『人攫い集団』が出てくるかと言うと・・・。
私がのほほ~んと、図書館通いしてたり、リュカとお菓子作りを奮闘してる間に、人攫いの一部を捕まえていたんだって。
で、その人達の自白によると・・・
人攫い集団には、マダムの依頼と別に違う依頼も受けてたの。
そっちも他国からの依頼でこちらは『富裕層の十五歳の女の子』ってのが依頼。
こちらの依頼は結構難しい依頼だよね。
『富裕層』の子供なんて早々攫ってはこれないし・・・まぁ、十五歳で女の子ってなんてそんなに沢山の子が当てはまる訳じゃないから、ターゲットは分かるが作戦プランは綿密に・・・って事だよ。
実際に、近隣の国では何人か攫われている事も分かってるし。
ただ、この人攫い集団は逃げ足も速いので捕まえるのが一苦労。
で、シリウス達は大胆な行動に出た!
なんと人攫い集団にスパイを送ったのだ!
Ⅿ:I:Pだよ!!すごいね!!
それでスパイさんの活躍によって、今日の襲撃が分かったんだって!
正確には、『襲撃させた』が正しい。
スパイさんの情報によると、私が売られたときに人攫い集団の頭が不在だったらしい。
なんと、部下の三人が勝手に私をマダムに渡した事が問題になったそうだ。
何故かと言うと・・・・頭は依頼の『富裕層の十五歳の女の子』が『愛し子』かもしれないって思ってたんだって。
根拠は?って思うでしょ?
『勘!』だって・・・・・。それもどうよ・・・・。
で、まぁ部下が勝手に売った子供が『愛し子』で、取り戻そうとした時には、私は保護されていた。
でも『緑の祈り』に参加してパレードで大々的に、発表される!ってわかったらか、一か八かの大勝負に出たらしい。
なんでこんな大勝負に出たかと言うと・・・・今度は、『宮廷内のごみ掃除』が関係してくる。
お城の『緑の祈り』の時に私が居ることは緘口令がしかれている。
てかその前から城内をうろうろしていたわけだから、結構前から緘口令は出てたんだって。
でも何らかしらの形で、人攫い集団には情報が洩れていた。
その捜査線上に、エルタニンの一部の貴族が上がってきたの。
まぁ、私を政治的に使いたい人達だよね。
でもさぁ~こう言う人達ほど、なかなか尻尾を出さなくて・・・それ以外にもきな臭い事をしているみたいだし・・・でシリウス達の頭痛の種だったらしい。
でも、今回の人攫い集団にスパイとして潜り込んだ人が、証拠を掴んできたからこれで芋づる式に他の宮廷内のごみ掃除が出来る!ってなったそうです。
人攫い集団も人攫い集団で、私を攫った後はその貴族達を使って逃げる予定だったらしい。
てな事で、シリウス達は人攫い集団・宮廷内のごみ掃除を一緒にする為に、私がパレードに大々的に出る!って噂を流して襲わせたそうだ。
これが今回の襲撃事件の一連のお話。
この後は、証拠やら自白やら・・・で大忙しになるってさ。
『大掃除』も大変だねぇ~・・・・。
・・・・・・説明疲れた。