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神になった商店主  作者: 雪蓮花
聖獣
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聖獣 IV

俺は雪ちゃんとご両親に聖獣についての説明からはじめた。

人のDNAに限らず生物のDNAの塩基配列には、その動物以外のDNA情報も多分に含まれる。人はまだ不完全な生き物で、実は地球にかけられた制限、わかりやすく言うと封印によって、特定の生物の特徴しか発現しないようにされている。これにより、人は人、その他の動物も種の多様性の中で必ず、人の子は人となり、種も途中で変化することはない。この封印がかけられている状態でDNAが暴発するとそれはガンのような病気になるけど、封印が解かれると人は自分の塩基配列に含まれるほかの生物に変化することが可能になる。今の望まぬ聖獣化の状態は秩序ある暴発。封印のかかった状態であれば癌になるが、封印がとけているおかげで、おそらくDNAの暴発時にそこに含まれる狐の塩基配列の情報が発現してきたということ。実際にはもっと複雑で難解な事象だけど、簡単に言うと癌になるはずが、狐に化けたということ。

では人の姿に戻れるかというと、一度発現した聖獣はもう一つの自分の形として受け入れないと戻ることができない。忌避したい気持ちのままでは人の戻ることは難しい。あとで戻る方法を説明するけど、今の思いのままじゃ簡単ではないということ。

聖獣とはまさしく聖なるもので、人間の本来の在り様を示していて、人間の必要な欲の体現であり、これをコントロールすることが最も大切なことのひとつ。そして、戻るうえで忌避する思いを少しでも和らげると聖獣化のメリットとして、人を超えた力を得ることができるということ。といっても、この力は聖獣化のコントロールと一体で、心まで獣になってしまうと、ただの大きな動物で何の特別な力も得られないということ。

さて、聖獣化した状態から人の姿に戻る方法だけど、おおよそ3つの方法がある。

一つ目は力のコントロール。聖獣化する過程の地球から受ける力を感じて、それをコントロールして聖獣化したり人化すること。これは聖獣化しているときの力を、とても繊細なものだけど感じ取って、自分から出し入れするようにするので、心を落ち着けて、聖獣化が始まる前との違和感、新たに得た分の力を少しでも感じ取れれば見込みのある方法だということ。自分の力だけでできるのが利点。難点は、気持ちの動揺で人化がとけてしまったり、中途半端な聖獣化に終わったり、完全な人化ができなかったり、いずれにしてもかなり訓練しないと不完全に終わることが多いこと。

二つ目は魔法を使って強制的に人化させること。これは、人化させる魔法があるわけだけど...残念ながら魔法を使える信用できる人との出会いがないので事実上不可能。自分で魔法を使えるようになれば一番いいけど、一つ目の聖獣の力のコントロールよりも一段難しい。しかも、長期間の使用はできないこと。長期間使用するといろいろな弊害がでてきてしまうこと。

三つ目は、事実上現状俺相手でしかあり得ない方法なんだけど、すでに力のコントロールができている人と結ばれること。まぁあまりお勧めできない方法なのでさらりと流して利点も欠点も説明しなかったけど。

さて、以上のことから一つ目の力のコントロールが一番なんだけど、時間がかかると思うと伝えた。なので、弱い力だけど二つ目の魔法を使うのも僕ができるから、二つ目も組み合わせで人化を促すことを提案した。

雪 「じゃ3つめで」

ご両親も同席している手前俺は

「じゃ1,2の組み合わせで行きましょう」と言い切ってしまった。

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