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神になった商店主  作者: 雪蓮花
不老不死
22/31

交渉会議 I

香港を訪れて2か月後、リチャードの会社はASEC(ASIA Space Elevator company)を設立。欧州の数十か国からも出資が集まり、軌道エレベーターの建設が発表された。建設場所はインド洋の赤道直下。

なぜか、リチャードに俺個人に出資金を出すから出資者に名を連ねてほしいと頼まれて神崎翔として全体の5%、さらにルドルフからも出資するからと俺自身の貴族名義で5%で合計10%の株主になった。別名義とはいえ事実上の筆頭株主だが、それは会社が危機的状況になったときの保険のようなもので、表向きは8%を個人保有しているリチャードが筆頭となり最高経営責任者となっている。

それからすぐに、再び香港を訪れることになった。

アメリカ大陸で続いていた戦争の秘密裏の和平交渉が完成間近のリチャードの海龍城で行われることになり、ルドルフのお付きとして同行することなった。

事前に、リチャードからはかなり荒れた交渉会議なるだろうと伝えられた。

会場の海龍城は完成すると高さ2222メートル。現在1800メートルまで工事は進み。前回来た時見学した1500メートルまでは開業した。軌道エレベーターの建設が始まりこちらの海龍城の需要がどうなるか?とも思ったが、実は軌道エレベーター絡み、そしてさらに先のことで重要な拠点となるのがこの海龍城だ。詳細は追々明らかになっていくのだが、実は神崎商店はこの海龍城に2号店を出店することになっている。さて、この海龍城は真ん中の1000メートルまでの下部層は居住とオフィスなど都市空間になっていて、1000メートルから1200メートルまでの200メートルの高さの空間は巨大な空中庭園になっている。前回3人で会食したところだ。前回は魔動のテラス上で会食したが、魔法を嫌うというか信用していない人類至上主義の陣営も来るので空中庭園の端の眺めの良いところに強化ガラスでできた会議室を設けて、交渉会場にするとのことだ。

不老不死側の出席は欧州でいち早く不老不死の国を宣言した公国の皇太子とその護衛、ルドルフとそのお付きの俺、リチャード、チベットに籠っていた不老不死の高僧。俺の立場は神崎翔ではなくて、ルドルフのお付きで貴族の1人ということになっている。魔法側の代表はアメリカ大陸魔法同盟のダグラスとその護衛、魔動機構を組み込んだデバイスや魔道具の兵器から日用雑貨まで開発販売をしている巨大企業デバイスアス社の最高経営責任者のスティーブンと秘書の女性、アメリカ大陸でゲリラ戦をしている魔法師、聖獣解放会議のエリックとアレックス。聖獣の代表は中東の聖獣評議国の代表ハシムと族長代理の女性のアイシャ、欧州で唯一聖獣の国政参加権を与えた北欧の王国からリンデルとヘレナ、アラスカ難民キャンプのウルマとマリーン。人間代表の代表は人類評議会の議長スコットとデューク議員、アメリカ共和国の首相顧問のジェイコブと同国陸軍中将のローガン、日本の外務副大臣の青木、中国本土政府外務部楊楽進。

各派6名で24名。その中には護衛も含めることになった。

今回の会議は円卓会議とした、議長は定めないが進行役として、今回の紛争に直接かかわっていない不老不死側からルドルフがおこなうことになった。

不老不死派はどの派から見ても腰抜けの、言いなりになる人々だと思われていたのも、あっさり進行役を預けてくれた理由だろう。

さっそく、人類評議会のデューク議員が発現を求めてきた。

人類評議会デューク「人語を介さないような野蛮な生き物がいるが、ここは会議をする場ではないのかな?」

魔法師・聖獣解放会議エリック「暴力的で下賤、かつ滅びゆくような種族に未来を語らう場は不釣り合いでは?」

聖獣評議国代表ハシム「聖獣も人も変わらんよ。聖獣は人の欲の体現と聞く、どちらも同じものだ。同じもの同士が批判をするのは、自ら貶めているのと同じこと、双方慎んでいただこう」

どうやら、魔法陣営が聖獣陣営を巻き込んで人類側へ攻撃させたがっているのかもしれない。

ここで、アメリカ共和国首相顧問のジェイコブとデバイスアス社の最高経営責任者のスティーブンの秘書が一瞬目配せをしたように感じた。


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