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神になった商店主  作者: 雪蓮花
不老不死
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不老不死 生の更新

帰国してすぐに、欧州の不老不死コミュニティーからの打診があった。不老不死の家族の受け入れについてた。いきなり日本の田舎に外国人が大挙してというのはいろいろ問題があるけど、3組の家族の受け入れで、見返りにこちら側からも3組受け入れてもらえることになった。不老不死者は聖獣や魔法師と違って不老不死であることを隠したがる。しかし、何十年も同じ姿でいると周囲から不審がられるし、いろいろ問題が起きる。レベル3以上の不老不死者は若返りが可能だから新天地へと向かい、新たな別の人間として暮らすようにしようというのが、不老不死コミュニティー同士の最も大きな役割だ。今までは欧州内だけでやってきたそうだが、人数も増えて対応しきれないことがでてきたのだそうだ。

俺の祖母、そして両親、雪の両親も近いうちに不老不死化するつもりだから、遠くない将来、別の場所で新しい人生を送ってもらわなければいけない。特に祖母は90歳後半なので、すぐにでも若返らせて欧州のほうで受け入れてもらうつもりだ。

以前から日本の田舎に移り住む外国人が増えてきている。古民家を改装して住まう海外の若者がいるという。俺の住んでいるところも、過疎化、高齢化が進んで空き家の古民家がけっこうあるが、そこを受け入れ先にしてもいいかもしれない。俺の祖母の実家も同じように空き家になっていて、跡継ぎがいないから祖母が相続していたはずだ。あと、町に相談して2軒ほど受け入れ可能な物件を紹介してもらった。

祖母や両親たちは俺の話を聞いて、最初はなかなか半信半疑のようだったけど、近年の聖獣や魔法の騒ぎで不老不死のことも信じてくれたようだ。さっそく、祖母に俺の血を分けた。血を分けると、妻の雪と同じように、俺と同じレベル5の不老不死を引き継ぐ。ただ、血液を媒体にする場合は血族かそうでないかによって、レベルの劣化が起きる。近い血族同士では同じレベルを共有できるが、遠くなるほど劣化は大きくなる。血族以外、他人へ血液を媒体にして不老不死を与える場合は1レベル下の不老不死になる。ただし、伴侶となる人は同レベルを与えることができる。他人の場合、ぶっちゃけSEXで不老不死を与える方法が一番確実。まぁ1回程度じゃ劣化したレベルしか与えられないけど、夫婦になって毎晩の営みがあれば数か月で同じレベルの不老不死になることができる。

祖母には少し寂しいかもしれないけど、1人で欧州に行ってもらうことにした。

もちろん若返らせてから。不老不死レベル5の若返り方法はひたすら生のたんぱく質を摂取する。生卵、レバ刺、生肉などなど。しかし、時間がかかるので欧州に行ってから、現地のコミュニティーで輸血してもらい直接身体に若返るためのエネルギーをいれてやる。それで20歳前後まで若返るのに2,3日はかかる。それで20歳に若返った祖母は、まずは俺が叙勲を受けた公国に入国した。受け入れは俺が拝領した古城。住み込みで働くことになっている。

不老不死が公になりつつあるとはいえ、皆慎重だ。特に自分の祖父母を不老不死にした場合は生の更新。つまり、一度若返って別の場所で別の人として人生をスタートさせる。そうすることで、不老不死の疑いをかけられないようにする。おそらく俺の代でそういった面倒はなくなると思うし、なくなってほしいとは思っているが、これからの聖獣、魔法、人間それぞれの派閥との話し合い次第だろう。

祖母と入れ替わるように、3組の外国人の家族、夫婦が俺の町に引っ越してきた。一組の若い夫婦は俺の祖母の実家の古民家に住むことになった

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