不老不死の出会い
クマに襲われた彼らは俺らが不老不死のことに詳しいとわかると安心したようだった。ただ、転移魔法を使ったので同じ不老不死者だとは思っていないようだった。
不老不死者の血液は本体を離れて細胞の起死回生ができなくなると、砂というか灰のようになってしまう。これは、本体を離れても再生しようとすべての水分も使い切ってしまうからだ。これがあるかないか、そして、この現象があっても、そのスピードがどのくらいかによって不老不死者のレベルの違いがわかる。
3人とも、こぼれ出た血液は灰になるまでの時間は1時間。
これはレベル3の不老不死者といえるだろう。
不老不死者の一般レベルといっていいと思う。
不老不死者のレベルは次の通り。
レベル1 細胞の起死回生がまったく同じく繰り返される。これは、正確には不死ではなくて不老。医学的にも到達可能な範囲。怪我をして体の一部を欠損しても再生できない。また、欠損部に移植しても定着しない。輸血は全ておいて適合しない。
レベル2 細胞の起死回生が全く同じに繰り返され、欠損しても回復可能。ただし、若返りは不可能、大幅欠損で血液、水分、栄養素が体内に不足した場合は回復不能。生命維持に必要な器官以外は欠損しても血流を遮断して生命維持が可能。
レベル3 DNA自体が本質維持され細胞がDNA情報に正しく起死回生し、栄養素によって若返りが可能。主に生のたんぱく質の摂取によって第2次性徴まで若返ることが可能。また大きく欠損した場合でも大腸、小腸に機能が残れば生のたんぱく質接種で欠損部を高速で回復可能。真空状態、飢餓状態でも休眠で生存可能。
レベル4 レベル3に状態保存の魔法が常時発動している状態。真空、飢餓状態でも活動可能。本体が分断されても、破砕や蒸発させない限り生存、回復可能。
レベル5 肉の体はレベル4と同じだあが、精神体で存在可能。いつでも、どのような形でも復元、再生可能。
俺はレベル5で嫁の雪もレベル5にしてある。両親や身近の人たちはレベル3か4を与えようかと思っているが、まだ不老不死コミュニティーに属していないからやってない。
彼らと話をすると、どうやらレベル3の不老不死者で自覚もあるようだ、しきりに病院に行きたがらないのもそのせいだろう。
俺は自分も不老不死者であることを告げた。
今回、不老不死者を助けたのは大きなチャンスになると思ったからだ。




