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神になった商店主  作者: 雪蓮花
不老不死
13/31

そろそろ動かないと

結婚して2年。2020年。

世界は激動?いや、まだ動きは小さい。

中東は石油先物が暴落した影響で混乱が始まった。石油に代わるエネルギーとして魔導融合炉が完成したのが原因だ。なんか物々しいネーミングだけど、普通に自動車エンジンぐらいの大きさで、仕組みも従来の原子炉とあまり変わらない。違うのは、発生する放射能も魔法でエネルギーに転換してしまう。正確には放射能が発生する核分裂時に魔法の質量転換で電子に変換、発生するはずの熱エネルギーも電子に変換する。ようは核分裂反応でダイレクトに電気を作り出して取り出す、ゆえに低温でクリーン、安全な次世代エネルギーとして急速に普及するだろう。まだ1台800万円するがコンセプトカーが売り出されただけだが影響は大きい。

年末ごろには中東では紛争が激化。そこに、一部の国に現地で迫害された聖獣がかかわり、いくつかの小王国が獣王国を名乗り聖獣中心の国造りをはじめた。国連ではまだ認められていない、2016年ごろに中東を騒がせたISっぽい感じで支配域を広げている。また、各国の魔法師獲得の動きも活発化してきた。

一部の大国は巨大企業を後ろ盾に魔素半導体を使った兵器開発や産業が本格的に動き出した。雪に最初に教えた水魔法の水ブラシも魔素半導体を使ったデバイスが開発されて魔法を使えない一般人も使えるという。その水ブラシの価格は7万円もする。ぎりぎり年末商戦に間に合うぐらいに発売なるが、もちろんDiosマートでは取扱できない値段だ。置いても、近所の高齢者たちじゃ買わないだろうし。

そんななか、大国の権威も大きく揺らぎ始めた。あまりに大企業や富豪の影響力が増したせいだろう。EUはかつてない分裂の危機。特にこれまで産業中心でEUを支えてきたドイツ自体が分裂危機に陥っていた。これはアメリカも中国も同様で、もとから小国の日本や東南アジアのいくつかの国、EUからすでに離れていたイギリスなどは為替の高騰で多少まいってはいるもののかなり安定した状態でいる。


結婚3年目。2021年

田舎はさほど変化ない。世界は相変わらず激動の世界ってマスコミは毎年の年末、新年同じことばかり言っている(^^;

EUは崩壊。以前の国々に戻ったが、さらに細分化しそうな状態。スペインは3国に分裂。分裂はドイツ、イタリアも分裂しそうな気配。

分裂や独立はあまり暴力には発展していない、意外に冷静に落ち着きを持って国が分かれていっている。もしかしたら不老不死者がかかわっている可能性がある。不老不死者は暴力をことさら嫌う。

アメリカも分裂というよりは2派にわかれてしまった。東側に多い人類至上主義と西側に多い聖獣も魔法を使える人も平等に扱う融和主義とに。厄介なのは西側の融和主義にエリートや大企業や軍需産業が多く、掲げる理念は高いけど、貧富の差が大きな状態では人類至上主義のほうが優勢だということ。すでに、西側では大企業はもちろんエリートの多くが魔法を扱える人間で占めているのだろう。

中国は強権的な中央集権の支配体制を堅持している。聖獣や魔法自体を認めておらず、巨大な街のような隔離施設があるとかないとかそんな噂がワイドショーのネタになることもある程度。

人々も激動という言葉に慣れてしまって、ほんの数年前までの常識が完全に崩壊した世界になってきているとは思ってなさそうな感じだ。これは神としては重畳。大戦が起きないだけかなりマシな展開だ。

さて、俺が不老不死になってからもう20年以上経った。そろそろ、両親も含めていろいろ考えていかないといけないな。

大企業のCEOとまではいかなくても、不老不死ライフを安定しておくるためには、それなりの地位、権力、財力のいずれか?それとも全部が必要だろうな。そして不老不死のコミュニティーに属さないとなかなかうまく世渡りできないだろうな。実際、聖獣や魔法がこれだけ表だってきても不老不死だけは表に出てこない。実は不老不死ゆえの理由があるのだが・・・。まぁ不老不死のことは後回しにするにしても、そのためには魔法を使ってでも準備しておいたほうがいいだろうな。

そう思いつつも、なかなか動けないでいる俺でした。

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