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第七弾『反撃開始!』

【*】



 そして、暗殺者を撃滅し、弾を本部で摘出した後、相理から電話が掛かってきた。


『あ、もしもし。お兄ちゃん』


「なんだ?」


『暗殺者は倒したの』


「いや、殺した」


 環は素直に答える。


『そうか。うん。分かった。鍵子ちゃんを守ってくれてありがとう』


「まあ、任務だからな」


『ところで、傷はどう?』


「今、弾丸の摘出作業が終わったところだ。問題ない」


『分かった。鍵ちゃんに伝えておくよ』


「ああ。頼む」


『でね。お兄ちゃん。今回の相手ってまだいると思わない?』


「いると思うな。狙撃手死んだ後、敵が何人も逃げ出したらしい。一人も帰さなかったが」


『そう。やっぱりか。ねぇ、お兄ちゃん。私からも依頼していいかな?』


「どういう依頼だ?」


『復讐のために私の親友に怖い目を遭わせている連中を抹殺して欲しい』


 その言葉には強い悪意が込められていた。


「いいよ。請け負おう」


『ありがと。敵がどこにいるは見つけておいた』


「はぁ? お前何言って」


『人工衛星にハッキングかけて、二十七時間遡って、あのビルに来た車を、どこから来たか探しただけ』


「お前……」


『私はね。私の周りにある物を壊そうとする奴は、どんな方法を使っても抹殺する。それに今回の敵はヤバそうなんだよね』


 そう軽く話す相理に環は静かに聞いた。


「お前も俺と同じ道を歩むきか」


『それで、私の願いが叶うなら喜んで』


「分かった。お前の願い叶えてやる」


『ありがとう。お兄ちゃん』


「とりあえず、敵の暗殺グループどこか教えてくれ」


『殺し屋【ガウル】。聞いたことあるよね?』


「あいつらか。分かった。後の事はまかせろ」


『了解。敵の位置はメールで送っとくから』


「ああ」


 環はそして電話を切る。そしてかける。


「あ、親父か、依頼を受けた。殺し屋【ガウル】は執行対象だったよな? ああ。ああ。分かった。では、これより殺し屋【ガウル】を執行する」



【*】



『【八〇二】配置良し』


『【八〇三】進入経路確保完了』


『【八〇四】準備完了』


『【八〇五】配置完了』


「【八〇一】準備完了。これより、殺し屋【ガウル】を撃滅する。【オープンコンバット】」


『『『『了解』』』』


 全員の声が無線から聞こえる。

 そして全員行動を開始した。

 環はある廃倉庫に近づく、ゆっくりと歩いて。

 倉庫に近づくと、変な男に絡まれる。


「おい、お前誰だ? ここは立ち入り禁止だぜ?」


 しかし、環は気にしない。


「邪魔だ」


 男の顔面に回し蹴りを決める。


「ガッ!」


 男は何がどうなったか分からずに、吹き飛ばされる。

 それを見た数人の男が、アサルトライフルを構える。


「止まれ! 何者だ」


 その言葉を聞いた瞬間、左太腿のホルダーにさしたコンバットナイフを抜き去り、走り出す。


「ぐっ! 打て打て!」


 男達はアサルトライフルを撃ってくるが、環はそれを全て避け、ナイフで敵を切り裂く。


「邪魔なんだよ」


 そう言うとナイフを直し、次は腰につけたホルダーからアサルトライフルを抜く。

 マガジンを付け安全装置を解除する。そして敵に向ける。


「いくぜ。覚悟しろ」


 そして環は引き金を引き続けた。



【*】



「【八〇二】。狙撃を開始する」


 エインセは敵を狙い、引き金とボルトを引く行為を繰り返す。

 そして敵は次々と倒れていく。

 周りには薬莢が飛び散り、火薬の臭いで満ちていく。

 この臭いがエインセは嫌いだった。だってこれは人の命を奪って出る、命を燃焼して上がる排気ガスだからだ。

 それでもエインセは引き金を引く。もう誰も失わないために。



【*】



「ふんふ、ふ――ん♪」


 玲奈は鼻歌を歌いながら、コツコツと堂々と廃倉庫の地下を歩く。

 両手のサバイバルナイフから赤い血が滴り落ちていく。

 そして突然立ち止まる。


「さてと、こいつら自分達のねぐらは、一度捨てたら爆破しやがりますからね。何処かに自壊用の爆弾が……。えっと、お! あった、あった」


 そして言葉通り自壊用の爆弾を、見つけた玲奈はそれを弄り始める。


「よーしよーし。ん! こんなもんでやがりますかな」


 そう言って汗を拭こうとしていると、後ろの殺気に気付く。

 後ろには、拳銃を今にも打とうとしている男がいた。だが、爆弾を解体したサバイバルナイフを後ろに投げ相手を殺す。


「邪魔しないでもらえやがりますか?」


 玲奈はペンチを口に咥えたままそう言った。



【*】



「ヒャハハハハハ! 死ね、死ね、死ね、死ね、死ねぇぇぇぇぇっっっっ!」


 由美子は二丁のアサルトライフルを、脇に構えたまま走りながら、打ち続ける。

 その姿はまるで鬼のようだった。


「そら、プレゼントだ!」


 そう言って手榴弾を投げる。

 バガーン! と乾いた爆発音が聞こえる。


「あひゃひゃひゃひゃひゃ!」


 由美子はまるで魔王のように笑っていた。

 ひょっとすると、これが由美子の本来の姿かも知れない。

 まさに化け物と言えるほどの凄まじさだった。

 だが、由美子はこう思っていた。


(まだ、足りない。私は強くならなきゃ! 自分のために! 仲間のために! 守るもののために)


 そう思いながらアサルトライフルの引き金を絞った。



【*】



「はいはい。火力支援♪ 火力支援♪」


 結城はそう言ってオープンカーに乗りながら、ロケットランチャーを放つ。


「いや――。今日はジメジメしたオペレーションルームじゃないから、気持ちいい」


 そう言って弾切れのロケットランチャーを投げ捨てる。そして、リアシートに積んでいるロケットランチャーを担ぎまた打ち出す。


「おいおい。殺し屋【ガウル】! この程度なのかい? つまらない! つまらないよ!」


 とても、専守防衛を主とする元自衛官のセリフだとは思えなかった。



【*】



 環は制圧出来ていない最後の部屋に来ていた。


(この部屋を制圧出来れば終わりだ)


 そう思い、アサルトライフルを左足のホルダーに直し、右足のホルダーからショットガンを取り出す。

 そしてショットガンを両手で構え、ドアを蹴り壊し入る。

 しかしそこにあったのは、積みあがった死体。そしてその上に一人の体を覆うほど長い黒髪の少女がいた。


「おや、待ってたよ。久しぶりだね【黒弾】」


 その少女の事を環は知っていた。なぜなら、環の異名である【黒弾】はそいつにつけられた異名なのだから。


「【S】ッ!」



【*】

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