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第一弾『そして少年は誇りと共に帰ってきた』

初のガンアクション物でバトルしまくりの内容となっております!

楽しんで頂ければ幸いです。

【*】



 ここは春木市。この町にはある都市伝説がある。

 【桜の花を背負う執行者】というものだ。

 春木市の【大門寺】のご神木に【報復書】を巻きつけられ、そこに書かれている者が、真の悪なら、【桜の花を背負う執行者】に裁かれるらしい。

 まるで正義の味方である。


 まあ〝彼ら〟が、悪で無い保障など、どこにも無いのだが。



【*】



『【八〇五】より【八〇一】へ。各位所定位置良しだよ。執行対象、ナンバー【四十七】。早急に処理してね』


「【八〇一】より【八〇五】へ。了解した。【八〇一】より各位、これより執行を開始する。【オープンコンバット】」


 【八〇一】と名乗った、かつて少年だった者は、青年に成長していた。バイザーをつけ、左耳に無線を装備し、黒のロングコートを羽織り、フードを深く被る。すると、先ほどフードで隠れていた部分が見える。

そこには警察の象徴といえる桜の大門の紋章が刻まれていた。

 彼は、黒い中型バイク『YZF‐R25』のキーを回し、エンジンをふかす。


『【八〇四】、了解。突っ込むぜ!』


 青年の指示を聞くと、トラックから、ヘルメットを被った長身の少女がアサルトライフルを二丁持ってかけた。向かうはとあるビルである。


『行くぞ、ゴラァァァァァッッッッ!』


 ビルの前に警備しているヤクザの様な男達に向け、少女は吠え、銃弾をばら撒く。

 それを見た青年は、アクセルを回し、走り出す。

 目指すはビル四階である。


『【八〇二】、了解。予定通り〝橋〟をかけます』


 そんな声が無線から聞こえる。するとビルの塀に罅が少しずつ入っていく。そして塀は崩れ、まるで発射台の様な形になる。


『【八〇一】突入する』


 その塀をバイクで乗り超え渡り、ビルに侵入する。勿論、ガラス窓を突き破って。

 これであっという間に四階に到着という訳だ。


「な! なんだお前は!」


 そこにいたのはここのビルを根城にしているヤクザの組長だ。

 ヤクザの組長は驚き、自動小銃をあわてて構える。


「執行ナンバー【四七】。これから死ぬ、お前には知る必要はない」


 青年はそう言い、腰から自動小銃を、引き抜き構える。


「死ぬのは、お前だ! 消えろ!」


 ヤクザの組長はまるで躊躇せずに、自動小銃を撃った。

 青年の胸に弾が当たる。だが、効果が無いのか、青年はまるで反応しない。


「辞世の句にしては三下過ぎるな。まあ、〝薬〟を学生に売っていた屑には相応しい最後か」


 すると背後から撃たれる。

 青年は振り返り、撃った奴を仕留める。


「な!」


 その時、青年の背中に書かれた桜の大門を見て、驚愕する。


「その紋章は! まさか、お前【SKR】の私兵か!」


「俺らの事知ってたのか、何にせよ始末することしたことは無いな」


「ま、待て!」


「待たねぇ」


 青年はヤクザの組長に、引き金を引いた。

 ヤクザの組長の額に穴が開く。


「【八〇一】より【八〇三】へ。対象執行完了。これより撤収を開始する」


 青年はそう軽く報告する。


『【八〇三】。了解でやがります。ルートCでの撤収を推奨しやがります』


 すぐに無線から声が入る。


『【八〇一】、撤収する。各自殲滅後、撤収せよ』


 青年はそのままバイクのアクセルを回し、入ってきた窓と真逆の窓を突き破って出る。

 バイクでそのまま、トラックの方に走り、バイクを収容する。


「おかえり、全員撤収完了だよ」


 トラックには金髪の女性が座っていた。


「なら、爆破して」


 青年がそう言うと、天井からシュタッと、マフラーをした黒髪ポニテの少女が降りてくる。


「承知しやがりました」


 ポニテ少女はそう言い、いつの間にか手に持っていたボタンを押す。

 背後で爆発音が聞こえる。


『熱い熱い! 【八〇四】まだ退避してないんだが! マジ熱!』


 無線からそんな声が聞こえる。どうやら先ほどの長身の少女は爆発に巻き込まれたようだ。


「おいおい。ムギ姉さん、レナもしっかりしてくれよ」


「あ、ミコちゃんの事忘れてた」


「そういえば、そんな奴いやがりましたね。ガチで忘れてやがりました」


「全く、次から気を付けるんだぞ」


「「はーい」」


 青年がそういうと二人はビシッと敬礼する。


「よし!」


 青年が満足げそう言うと後ろドアが勢いよく開き、爆発に巻き込まれた奴が帰ってきた。

 すぐにヘルメットを脱ぐ。ヘルメットを脱いだ途端、茶髪のロングツインテールが揺れる。


「おいこら! 何もよくねーよ! 馬鹿か? タキてめぇ馬鹿だな、馬鹿だろ!」


 爆発に巻き込まれたから体から煙が出ている。


「いや、お前だから大丈夫かなって」


「テメェ……。ふざげ、んごっ」


 長身の少女が何かを言おうとしたが、後ろから棒のような物でしばかれる。

 長身の少女はヘルメットを外していたからか、気絶していて動かない。


「……邪魔」


 そこには自分の身長ほどあるスナイパーライフルを持った銀髪の少女が立っていた。


「おう、イセ。おかえり」


「ん、ただいま。タキ」


 二人はそう挨拶すると、金髪の女性がこう言う。


「環部隊長。そろそろ、撤収しよう」


「そうだな、了解。で、次の目的地は?」


「『春木市に帰ってこい』だって」


 それを聞いて、青年は固まる。


「マジ?」


「マジマジ」


「そうか、分かった。おい、ミコ起きろ」


 青年はそう言って頬をペチペチと叩く。


「んあ? 私なんでこんな所で寝てんだ」


「いいから、トラック出してくれ。行先は春木市だ」


「ん、ああ。あいよ」


茶髪の少女はトラックの運転席に座る。


「んじゃ、帰るか」


「「「「了解!」」」」


 そしてトラックは走り出した。

 十二時間後。


「春木市……。六年ぶりだ、帰ってきたな」


 青年はしみじみそう言った。

 青年は六年前、この町で妹を守るために犯罪者を十五人殺した。

 彼は以降、都市伝説の中に身を置いて生きてきた。

 しかし今日六年ぶりに、ここ春木市に帰ってきた。



【*】


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