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Wiarm-ワイアーム-  作者: しろなえ
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1話 飛龍と少女と堕ちゆく者

 最近、ファンタジーといえば転生モノだったり、主人公がとんでもない能力を持っていたりという作品が多く、食傷気味な人に向けた小説です。

 正直な話、自分が読みたい物語を自分で書いただけですが(笑)


 趣向を凝らした設定や奇抜な発想があるとは言えませんがファンタジーならではの色は出せたと思います。

 拙い文章で恐縮ですが、是非御一読下さいませ。

 ――エルヴァン、私熱があるかもしれない。

 自らを乗せて空を舞う飛龍(“ワイバーン”ドラゴンに成り損なった竜の意、腕を与えられなかった)に語り掛けるのは栗色の髪を持つ少女だ。飾り気のない服に丈夫そうなスカート、腰には一本の剣を携えている。名をリアという。

 降りる? と聞いてきたのはリアを乗せる飛龍だ、心を通わす二人の間では意思の疎通ができる。その身体は黒く、光に当たると鱗の一枚一枚が煌めく。身体に敷き詰められた鱗はまるで黒いガラスでルビーの宝石をコーティングしたようにも見える。鱗の下には熱くたぎる血が脈々と流れているのだ、おかげで、これほどの高度を飛んでも凍えずに済んでいる。飛龍の名は、エルヴァン。

 ――頭がぼーっとする。気持ち悪い。

 降りるよ、今度飛龍は質問ではなく、決定したことを口にした。すぐに降下が始まる。リアの体は自然と軽くなり、吹き付ける風が心地よい。だんだんと瞼が重くなってきた。

 ――ごめん、エルヴァン。ちょっと寝る。

 ダメだよリア! 君が寝たらどうやって人とやり取りするのさ、僕の声は君以外の人間には聞こえないんだから。

 エルヴァンはそう訴えるが、どうにも瞼が重くていけない。そのままリアの意識は深い闇に沈んだ。


 沈んでいった意識の先でリアは夢を見た。懐かしいが、忌々しい夢だ。リアが旅に出るきっかけになった時の夢だった。

 リアは『竜族の谷』に住んでいた。古よりこの谷では人と竜が共存していた。一つの家は一つの竜の血筋を受け継ぎ、継承していった。竜の血統こそがその家々の血統だった。そんな折、リアが五歳の時、彼女の家で孵った竜は奇形だった。両腕が初めから存在しなかった。ワイバーンは竜に至れなかった存在、そして竜から飛龍になることは堕落と同じ。上位の物から下位互換へ、飛龍は下等で神聖ならざるモノとして谷では排他的な目を向けられた。

 リアはその主張が嫌いだった。一匹くらいいいじゃないか、そう思ったし、腕がなく些細なことで四苦八苦している飛龍を助けてやるのが好きだった。不器用なところが自分と似ている、そう思い始めてからは愛着の一言では片付かない愛情がどんどん溢れて来た。

 しかし、そんな彼女を谷の人たちが許すはずはなかった。

人々はエルヴァンだけでなくリアの事も蔑みはじめ、彼女の家は谷で孤立した。

リアが15歳を迎えたとき、谷の集会所にエルヴァンと揃って呼び出され、見識を広め、飛龍を正式な竜に至らすという名目の、実質追放の旅を命じられる。

 出て行ってやると、むしろ自分から思うリアだった。こんな見識の狭い谷では、自分は羽ばたけない。もっと広い世界を見て回る。勿論、自分達だけの力で。そうと誓い、旅を命じられたその場で返事を返し、すぐに支度を済まして、その日のうちにエルヴァンの背に乗って飛んだ。もう何ヶ月も前の事だ。

 高ぶった感情に任せて飛び出してきたリアだったが、勿論後悔するところもある。幼馴染のアーシュやニバーニは最後まで私の見方だった。その二人に何もお礼ができないままなのは、心が痛い。

 だから、いずれ一度だけ、いつかまたあの谷に戻る。その時にはきっちりお礼をしなくては、それまでに自分も、もっと成長して、谷の人たちを見返してやるのだ。

 ああ、アーシュとニバーニは今頃……。

「どうしてる……かな」

「リア? 起きた?」

 耳元で声が聞こえる。エルヴァンの、聞き慣れた声だ、やはり安心する。まだだよ、エルヴァン、もう少ししたら起きるから。

 心の中で念じた事でも、近くに居ればその思いは伝わっていく。

「お客さんだよ、リア、起きてくれ」

「ん……お客?」

 身体を起こしてみてハッとした。目の前には一人の女性が腰を下ろして目線を合わせるように屈んでいた。顔以外は修道服にすっぽりと覆われている。

「おはようございます。よく眠れましたか?」

 彼女はよく通る鈴の音のような声で告げる。

「えっと、はい。貴女は?」

「リィネスと申します。見ての通り修道女をやっておりまして、少しですけれど魔療の嗜みもあるのです」

 魔療――魔法療養術の略称で、自己のマナを使い対象の治癒力や免疫力を高めることが出来る。

 マナとは世界を満たす物と現象の中間的存在。それらは小さな意志を持っている。清いものに引き寄せられ、意志の力によって流動する。勿論それは人の中にも。

「道理で、身体が軽いわけです。治療してくださったんですね」

 ありがとう、と続けると彼女は小さく頭を振った。それは治療したことを否定しているわけではなかった。

「いいんです。勝手にしたことですから、それにあんまりこのワイバーンさんが心配そうにするものですから」

 リアは改めてエルヴァンの姿を見た。

「本当に静かに寝ていたから、このまま死んじゃうのかと思った」

「大げさだよ」

「丸一日雨の中を飛んだりするからこういうことになる」

 エルヴァンの声は不機嫌だ。

「ごめん、ごめん、今度からは気を付けるよ」

「そうして」

 そのやり取りをリィネスはにこやかに見守っていた。もっとも、彼女にエルヴァンの声は届いていないが、エルヴァンの心情はその表情から大方正確に読み取っていた。

「仲が良いのですね」

「私が五歳の時に卵から孵りました。それ以来、ずっと一緒です」

 リアはエルヴァンの顎を愛おしそうに撫でる。エルヴァンは気分よさげに目を細めている。

「まるで恋人同士みたい」

 くつくつとリィネスが笑う。

「エルヴァンとなら結婚だって考えちゃいますよ」

 その言葉に彼は鼻先でリアを小突いた。

「それで、リィネスさんはどうしてこんなところに?」

 というのも、ここは草原のど真ん中だからだ。遠くに小さくリアが目的地としていた町が見える。

「あの町に行く途中でした。目の前にこのワイバーンが降り立って、私に頻りに貴方の事を見せるので……後はお察しの通りです。町へは……人と会う約束、というか、お仕事です」

 リィネスは丁寧に、聖母のような暖かな声で説明した。しかしその声音には少し冷たい音が混じっていた。溜息のような、不安からくる震えのような、取り留めもないその声は暖かい声に塗りつぶされ、リアたちの意識にも触れることは無かったが。

リアは彼女とはまた違った温かい言葉を紡ぐ、快活で明るい声だ。その声にひとかけらの陰りもなく。

「お礼も兼ねて、乗せていきますよ、エルヴァンが」

 気楽でいいことだね、とエルヴァンが皮肉ったのをリアは軽く流す。リィネスはどこか不安げだ。そも、乗馬ですら危険が伴うというのに竜に乗って、しかも空高くを行くなんて、考えただけでも全身の産毛がそわそわする。

「大丈夫です。落ちませんから、落ちてもエルヴァンなら拾ってくれます」

 君のその信頼は一体どこから湧き上がってくるんだい? とエルヴァンは嬉しさ半分、呆れ半分でリアを見つめていた。

「大丈夫ですか?」

 その言葉の意味するところは「落ちたりしないか」ではなく「二人も乗って、重くはないか」だ。エルヴァンもその意味は取り違えなかった。エルヴァンからの声はリア以外には分からずとも、人間の言葉をエルヴァンは理解できる。そして、彼女の言葉に彼は首を縦に振るという人間らしい動作で答えた。

「そうと決まれば、一っ飛びしちゃおう」

 言いながらエルヴァンの胸の辺りをぺしぺしと叩く。固く丈夫で温かい。エルヴァンは盛大なため息を吐きながら、本当に、気楽でいいことだよ! と零した。

 リアはリィネスに簡単にエルヴァンに乗る時のコツと注意点をレクチャーしていく。もっとも、コツと言っても体重移動は全てワイバーンに委ねて自分は真っ直ぐに座ることを意識すること、注意点は、身体を傾けない、できるだけ鱗を逆撫でしない(エルヴァンが嫌がるというのもあるが、鋭い鱗は皮膚を傷つける)という片手の指で足りる程度の注意点だ。

「そもそも今は風も吹いていないし、煽られることもないよ」

 それなら、とリィネスも少し安心した表情になる。鞍は案じずとも二人の女性がお尻を置くのに問題は無い大きさだった。荷物を置くことを考慮して大きめの鞍にしたのが正解だったとリアは思う。荷物はエルヴァンに口で持って貰うとする。エルヴァンは早速大きなリュックの肩掛けに牙を引っ掛けて器用にぶら下げた。

 そしていよいよ彼らは大空へと舞い上がる。エルヴァンが翼を振り下ろせば、草原に風の波紋が広がっていく。同時に地面を勢いよく蹴り上げて、飛龍は空へと一気に昇ってゆく。ある程度の高さまでくれば、後は翼で風を掴みながらゆっくりと町へ向けて降下していけばいい。

 上空でリィネスは世界の美しさに目を奪われていた。

 青い草原がどこまでも続き、その中を幾本かの街道がくねりながら各方面に伸びる。遠く見えるのは運河だろうか。さらにその先には運河が注ぐ広大な海が陽光を反射して煌めいている。首を巡らせれば巨大な霊峰の連なる山々が、そしてその反対側には、自分がいつか出発してきた町が見える。

「この景色を、鳥たちはいつも見ているのね……」

「ついでに、私たちもね!」

 リアは後ろに居るリィネスに微笑んだ。

 少しずつ高度は下がり、町が見えてくる。エルヴァンが不意に言った。

「リア、何か感じない?」

「なに? 私は何も感じないよ?」

 エルヴァンは、そうか、とその場は然程取り留めずに流した。

町が大きく見えるようになるにつれてリアに掴まるリィネスの手に俄かに力が込められた。

 町のすぐ手前に、エルヴァンは降り立つ、ゆっくりと減速していき、やがてふわりとその巨躯に見合わず優しく着地した。エルヴァンが足で衝撃を吸収しながら羽と尻尾を使って揺れを限界まで小さくしてくれたので舌を噛むこともリィネスが思いきりリアにしがみ付く必要も皆無であった。

荷物をエルヴァンの背中に固定した後は、二人と一匹で関所まで移動する。城壁に囲まれた町では入国に関所を通る必要がある。もちろんお金がかかる。問題はこの関所をワイバーンが通れるか否か、である。

 関所には兵士が二人、記録係が一人居た。

 まずリアとリィネスが顔を出し、手続きをする。

 そしてリアは一番の問題児についての質問を投げかける。

「あの……この町って、この子も入れますか?」

 関所の門からして外の死角に隠れていたエルヴァンがおずおずと顔を覗かせる。

 兵士の表情が驚愕に変わる。

「ド、ドラゴン!?」

 慌てて剣を抜こうとする兵士をリアは両手を広げて目の前に立ち塞がることで制した。

「ドラゴンじゃありません、ワイバーンです」

「どっちでも一緒だ! むしろ、ワイバーンならばより危険ではないか!」

 彼のいう事はこの世界での常識ではあった。ドラゴンは人間との意思の疎通ができるもの、それよりも下位種である彼らワイバーンには人間と意思の疎通ができず、知能も低い(と思われている)。実際に見ても、ワイバーンは縄張り意識が強く気性が荒いことで知られる、温厚で頭の回転が速いエルヴァンの方が変わっていると言えよう。

「エルヴァンは危険じゃありません、頭もいいし、いい子です。勝手に人を襲わないよう躾けていますし、この子は人肉が嫌いです」

 それを聞いた関所の三人は顔を見合わせて、とりあえずは納得してみることにした。条件付きではあったが。

「なら、証拠を見せてくれ、どんな方法でもいいから、人間を襲わないという証拠を」

「難しいけど……できる? エルヴァン」

「血判でも押してあげようか?」

 このあたりが彼のワイバーンらしからぬところであろう。生まれた瞬間から人間と共に生きて来た彼の思考回路はあまりに人間寄りだ。

 言葉の通じないエルヴァンの声をリアが代弁する。

「血判でも押そうか? と言っていますけど?」

「なら……それで」

 本当は証拠の提示ができないことを理由に引き取ってもらいたかった兵士だったが、思わぬ条件に苦い顔をしながら頷いた。

 記録係がすぐに羊皮紙を持ち出して来てリアに渡した。エルヴァンとの間にリアを挟んだのはやはりまだ恐怖心があるからなのだろう。

 羊皮紙には『入国許可証』と書かれていて、その下には様々な条件が書き連ねられている。例えば、人に危害を加えた際の罰則等。これは普通の入国者でも同じことなのだが。

「じゃあエルヴァン、足を」

 リアが腰の剣を抜きながら彼に言うと、エルヴァンは器用に片足立ちになった。兵士たちはまるでサーカスで曲芸をする動物たちを見ている心境だ。

 リアが遠慮なく足の裏に剣先を突き立てる。

 それを合図にワイバーンが暴れだすのでは、と三人、とリィネスも少し、身構えたのだが、エルヴァンは涼しい顔でされるがままになっている。血が少し滴った所で彼はズン、と羊皮紙に足を下ろした。足は大きすぎて羊皮紙に収まらず、足のどの部分かもよく分からなかったが、彼らはそれを受け取り、良しとした。

「ドラゴン……いや、ワイバーンから血判を取ったのはこれが初めてだ」

 一人が呟き、二人がそれに同調して頷いた。その表情には複雑な微笑が湛えられている。

「では、入国料八千ガルムになります」

「高っ!?」

 リアは驚きの声を上げた。ガルムとはこの近辺の国の通貨単位の一つ。八千ガルムと言えば、リアとエルヴァン二人合わせての一月の食費にも相当する。

 何故そんなべらぼうな入国費が必要かというと、この国での入国料は、入国する人、物、生き物の重さによって付けられる、エルヴァンが重量測定不能と判断されて、入国料の上限である八千ガルムを言い渡されたという次第である。

「そんな大金持って無いよ……」

 リアの顔は青ざめていた。入国許可書を作ってしまっているから、今更取り消しとも行くまい。リィネスによって体力はある程度回復しているとはいえ、まだ本調子とはいかない、気怠さ残るこの状態で野宿は避けたい。この辺は草原地帯、隣町までは距離があるし、そろそろエルヴァンだって疲れている筈だった。

「心配はいりませんよ」

 その言葉はリィネスの物だった。

 リアとエルヴァン、二人の視線が彼女に注がれる。

「私が払いますから」

「ええっ!?」

 二人の声が重なっているのだが、他の人にはリア一人の声しか聞こえない。しかしエルヴァンの表情を見れば驚いていることは容易に把握できる。

「そんな、大金ですよ!?」

 とって掛かるリアを尻目に、リィネスはさっさとお金を払ってしまう。

「いいものを見せて貰ったお礼です。それに、私にはもう必要のないものですから」

「そんな、私たち大したことしてないのに」

 「いいんです」ときっぱりそれ以上の言葉を制した彼女は少し考えるそぶりを見せた後、「では、一つ頼みごとを聞いては貰えませんか」と真摯な面持ちでリアに一本の短剣を渡した。

「これは?」

 美しい装飾がなされた短剣の鞘は天馬の皮で出来ていて、白く、光に照らされた産毛が細かく煌めいているのが分かる。皮の継ぎ目は金糸で紡がれ、淵を白金で補強し、刃と柄の間には翠に輝く宝石が一つ填め込まれている、淡い翡翠は美しい南国の海をそのまま宝石にしたような色をしている。

 リアはその鞘の美しさに目を奪われ、剣を抜いてみたい衝動に駆られる。リィネスはその衝動を首肯で許し、彼女はゆっくりと、剣を鞘から抜いてゆく。

 鍛え抜かれた厚刃の短剣は切っ先鋭い両刃の剣であった。白銀に輝く剣身はリアの顔が鮮明に映り込むほど綺麗になされていた。柄もやはり天馬の皮で出来ていて、触り心地はしっかりと丈夫なのに、なんとも言えぬ柔らかさを醸している。柄頭には鞘の淵と同じように白金が施され、全体で見てみると大部分が真っ白なおかげで中心の翠が映える。 その美しい造りにとらわれ、リアは暫く呆然とした。

「これを、私の友人に届けてほしいのです。エスメラの町にいる聖女です。名前はアリシア、私の名を出せばきっと分かってくれるでしょう、銀の髪を持つ印象的な女性です。見れば、すぐに分かると思います」

「リィネスさんが自分で届けることはできないんですか?」

 彼女は黙って首を振る。ゆっくりとした動作だったが、強い否定の意志が感じられた。

「ここでの仕事は長引きそうだから」

「そうですか、なら責任を持ってお届けします。時間も移動手段も備わってますから、きっと大丈夫ですよ!」

 悲しげなリィネスを気遣って、リアは努めて明るく、そう返事をした。それにはリィネスの表情も少し緩む。

「では私はここで……仕事がありますから」

「はい、ありがとうございました。お仕事がんばってください」

 リアが告げると彼女は少し振り向いて、小さく笑った。それはどこか寂しげで、何か大きな決意に満ちていた。そして背筋を伸ばし、淀みのない足取りでさっさと行ってしまう。暫く二人してその後姿を見送っていたが、やがてエルヴァンが我に返り、リアを小突いた。

「あ、そうだ、兵士さん」

「な、なんだい」

「ワイバーンが泊まれる宿とか、ありますか?」


 それなら、と兵士が教えてくれた宿はずいぶん古く、広い馬小屋には馬一匹居なかった。その宿の二階の一室にリアは通される。エルヴァンは馬小屋へ。

「案外、ワイバーンオッケーって言う宿、多いのかもよ?」

 馬小屋に収まったエルヴァンの元に、風呂でさっぱりした後のリアが話しかける。

「僕の柄の良さ故だろうね」

「あら、威厳の無さ故の間違いじゃないの?」

「ワイバーンに威厳は必要ないのさ、そういうのはドラゴン達にくれてやればいい」

 その言葉に、リアは大いに笑った。

「エルヴァンは本当にドラゴン嫌いだね、人間大好きなのに」

「嫌いなんじゃないよ、興味が無いだけ」

「嫌いの上位互換は無関心だと思う」

「そうかな、ならそうなのかもしれない」

 ふとエルヴァンは空を見上げた。もう雲が赤く燃え始めている。彼はそのまま何か 考え事に耽っているようだった。先にも言ったが、エルヴァンは頭がいい。それこそ、リアが思いもよらないことに気付くことがあるくらいに。

「どうしたの、エルヴァン」

 だからリアも彼が何か考えているそぶりを見過ごさないように注意している。彼はリアにとってもう一つのブレーンでもあるのだ。

「今日出会った、リィネスの事が気になってね」

「何かあったの?」

「……うん、気の所為なら、それはそれでいいけれど、嫌な予感がする」

 人間的な論理的観点と野性的勘を兼ね備えた彼の予見は本当によく当たる。

「話して」

 リアもすぐに真摯な眼差しをエルヴァンに向ける。彼は語り始めた。話はリアが丁度眠りについてしまったところまで遡った。


あの時、彼女はこの町が目的地であるにも関わらず、この町から遠ざかるように歩いていたんだ。

「どういうこと?」

つまり、来た道を引き返している途中で僕らに会った。君を癒している間も彼女の表情は複雑だった。僕にその理由を聞く術もなかったし、詮索することでもないと思った。

リアは黙って頷く。

 問題はこの町に着いてから、彼女が言った言葉だ。

「いいものを見せて貰ったお礼、私にはもう必要ない物」

 リアがなぞった言葉にエルヴァンは頷く。

彼女は仕事でこの町に来たと言っていたけれど、引き返していたところを見ると、言うところの仕事が本当はやりたくなかったんじゃないかと思う。その理由が何かは分からないけど、僕らのなにがしかの行動が彼女の思いを変えてしまったんじゃないかな、何より、彼女は僕らに大切な剣を託した、なぜ自分で届けない? お金が必要なくなるような仕事ってなんだ? 僕には、彼女がとんでもない使命を背負っているような気がしてならないよ。

 ここで「考え過ぎだよ」というのは簡単だ。そうしてしまえば後はもう何事もなく一日は終わっていくだろう。ほんのわずかな時間を共にしただけの関係だ。見ないふりを、気付かないふりをしたって、問題は無い。

「エルヴァン、飛んで。リィネスさんを空から探して、何か見つけたら私に教えて」

「わかった」

 十年も付き添っている彼女らだからできる芸当であるが、二人はある程度の距離までなら、離れていても意識を集中すれば念話することが可能だ。リアの生まれ故郷である竜の谷の秘伝と、ドラゴンの卵から孵ったワイバーンだからできる事だ。

 エルヴァンは馬小屋から出ると翼を振り下ろし一人、上空へと舞い上がった。それを見届けてリアは部屋に戻り、装備を整えてすぐに町の中心部へと繰り出した。

 走り始めてすぐにエルヴァンの声が届いた。

『町の西で騒ぎが起きてる。暴動? 分からないけど、野次が集まって……丁度今日通った関所の西だ』

『分かった!』

 リアも思念で返事をして、経路を西に向けて走り出す。上空を見上げればエルヴァンが先導するように西の空を旋回している。あの真下が騒動の中心だろう。

 やがて見えてきたのは人の壁。

「どうかしたんですか?」

 リアが息を切らしながら一人の男性に尋ねる。男性は緊張の面持ちでことの詳細を教えてくれた。

「ああ、どうやら堕天が起こったらしいよ」

「――!」

 『堕天』マナが世界に満ちるこの世界故の抗う事の出来ない超常現象。汚れたマナを体内に取り込み続けた結果起こる生物の悪魔化現象。堕天が一度起こればその生物は命尽きるまで暴れ続ける。それを解くことが出来るのは魔療の上位資質を持った聖騎士パラディーン聖女サンクティスしかいないと聞く。堕天の起こった人間は魔人デウスと呼ばれ、人に戻る確証は、上記の二つの職業の人間が居たとして五分五分だという。

「なんでも異国から堕天が起こりかけていた人間の治療に来た女性だがね、患者を治療してすぐ、聖女の方が堕天しちまったらしい。今隣町の聖騎士やら聖女やらを呼んでいるそうだ」

 男の話を全て耳に入れる前にリアは人垣を割って突き進んだ。間違いないリィネスだ。エルヴァンの予感は当たっていた。しかも、最悪な形で。

「リィネスさん!」

 人垣を突き抜けると、その先は凄惨たる光景だった。

 何重にも積み重なる武装した兵士たちの死体の中に立つ一つの影。修道服の帽子に髪を完全に隠していて、全身返り血で染め上げられている。

(聞いたことがある。聖騎士や聖女は汚れたマナを吸い出して自身に蓄積することによって堕天を止める。それが許容量を超えたとき、彼らは既に人ではない。問答無用で殺すことが許されるほどに、それは凶悪で殺意に満ちている)

 数人の堕天を止めた聖女が今こうして魔人と化し、幾人もの兵士を惨殺している。正義

の使者から怪物へと成り果ててしまった、出会って間もない女性に、リアは力なく歩み寄り、語り掛けた。

「リィネスさん……何をしているんですか、貴女そんな人では無いでしょう? 仕事はどうしたんです」

 リィネス、否、かつてリィネス“だった物”はリアの姿を認め、右手に握るマインゴーシュ(厚刃の短剣)を構えた。

 そして、彼女は駆ける。人のそれを遥かに凌駕した速度でリアに肉薄する。彼女はそれをかろうじて自分の長剣で防ぐのがやっとだった。しかし、リィネスはリアのガードも構わず腕を突き出し、そのまま彼女を弾き飛ばした。堕天により、黒きマナに身体を蝕まれた結果、常人ならざる力を身に着けている。理性が飛んで、力の加減が出来ないせいもあるだろう。

 背中から地面に落ちても何とか受け身を取り、すぐに立ち上がって剣を構える。その時にはもうリィネスは目の前にいた。数メートルは吹っ飛ばされていたであろう間合いを一瞬にして詰めて来たのだ。

 早い!

 もちろんリアは魔人と戦うのはこれが初めてだ。それどころか、人間ともまともに死闘を演じたことは無い。武の心得はそれなりにあるのだが……。

 戦いと言えば動物が主だったが、それとは動きが違いすぎる。彼女が防戦一方になるのも無理は無かった。

「止めて、リィネス! 貴女と戦いたくない!」

 聞く耳を持たない彼女は構わず剣を振るう。その速さは目で追うのも難しいほどだ。それを皮一枚で躱しながら言葉を投げかけ続ける。

 突撃と斬撃が不規則に続く。攻撃から次の攻撃への合間が短すぎて反撃の余地がまるでない。リアが刺突を剣で防いだとき、リィネスはさらに身を詰め、左手でリアの服を掴んだ。

「やば……!」

 次には避けようの無い斬撃が来る。

 それを防いだのは雄叫びを轟かせながら急降下してきたエルヴァンだ。リィネスはワイバーンの接近に気付き掴んでいた服を離し、距離を取った。同時にリアもその場を退き、代わりにエルヴァンが大通りに敷き詰められたタイルを弾き飛ばしながら落下する。

 エルヴァンが身を捻り放つのはしなる尾の鞭。空を裂きリィネスに炸裂すると彼女は建物の壁に半ばめり込むようにぶち当たった。

「エルヴァン!?」

 リアの声には驚きに交じって少しの非難の色、しかし彼はそれを視線と念思で制す。

 この位やらねば、自分たちがやられる、と。

 その言葉を証明するかのように、壁に体半分を埋めていた彼女はふらりともせずに立ち上がった。

「な、なんで立てるの?」

「痛覚が死んでるんだよ、多分」

「何とかできないの……こんなのって無いよ!」

「この力量差で時間稼ぎなんて考えようものなら、君が危ない!」

 エルヴァンは翼を広げ、再びそらへ、今度こそ彼女を、リィネスを一撃で潰すために、その後をリアの悲痛な制止の声が追いかけたが、聞こえないふりをした。彼にとってはリアの安全が第一であり、彼女の危険度が増す選択肢など最初から在り得ない。リアに危害を加えるものは何が何であろうと潰す。上空を旋回しながらまるで隼が獲物を捕らえる時にそうするように、じっとタイミングを計る。

 距離を取ったリィネスが再び間合いを詰めようとする瞬間、エルヴァンは上空にありながら勢いをつけて水中に潜る様に身体をうねらせ、一気に降下を開始する。エルヴァンがリィネスに切迫するのは一瞬だった。リィネスは空から躍りかかる巨躯に気付いたが、それに対応できるだけの時間はもう残されていなかった。エルヴァンが背筋を使い下半身を持ち上げ、腹筋をフルに使って地面に叩きつける。皮一枚、リアは地面とエルヴァンの身体の間に走り込むとリィネスを抱えて跳んだ。

 リアの後方で石の爆砕する音が聞こえる。まるで神の持つ巨大な槌が振り下ろされたかのような威力。衝撃を吸収するような動作はまるでなく、強大な衝撃を受けてなお力で自分の体を押えこみ、衝撃に真っ向から相対する。元々の体重に加え、強固な鱗を持ち、大鷲の様に強く掴むことに適したその足で地盤を捻り潰しながらの降下攻撃は大抵の相手ならほぼ一撃で粉砕できるだろう。

「リア……!」

 リィネスを抱き抱えた一瞬の隙を突いてリアは彼女の持つ短剣を奪い取っていた。しかし代わりに腹部に強力な蹴りを入れられてしまう。受け身もろくに取れず背中から地面に叩きつけられ二転三転する。

「ゲホッ……ケホ……」

 苦しそうにえづいて居るのはリアだが、同じようにリィネスも苦しそうにもがいていた。そして、自分の首を絞めるような態勢になったかと思うと、口から勢いよく何かを吐き出した。嘔吐の様にも吐血の様にも見えるが、出てきたものはただひたすらに黒い、黒い液体だ。暗いから血がそう見えるとかではなく、完全なる『黒』を彼女は吐き出したのだ。

「……リィネス?」

 リアの心配そうな問いかけにリィネスは顔を上げた。さっきまでの狂ったような相貌はそこに無く、ただ、悲痛に歪んでいた。絶望が滲み、口の端から先の黒い液体を流し、目からは涙が滴り、口は不器用に笑っている。

 そしてその不恰好に歪んだ口からやっと言葉が紡ぎだされる。

「リア……さん……」

「リィネス、私が分かるの!?」

 必至の訴えに、彼女は首を振った。

「私を、殺して」

 その言葉にリアの双眸が見開かれる。

「何を言ってるの、できないよ、そんな事できっこない、だって、あなたは私の恩人だよ?」

「ダメ……もう理性では押さえつけられないの、早く……リア! ……早……ク」

 両手で頭を抱えながら、ゆらゆらと苦悶する、再び顔を上げた彼女の瞳は再び狂気に満ちていた。

「ダメ! リィネス!!」

 声はもう、届かない。

 先刻と同様、否、さらに威力と速度を上げた猛攻撃がリィネスのか細い腕から何度も放たれる。躱し、弾き、時には受けながら、リアはじりじりと押されていった。エルヴァンは上空から再び二人の間合いが開くのを待っている。

「リィネス!」

 リアは何度も呼びかける。きっと届く声だと信じて。先の奇跡をもう一度起こさねば、彼女を救うことなどできない、一時でも意識が戻るなら、対話の時間ぐらい作れるかもしれない、そうすれば聖職者が到着するまでの時間稼ぎにもなるだろう。すべては彼女を救うために。何度も、何度も呼びかける。しかしやがて、行き詰った。

 背中に土壁の感触。もう後ずされない。顔面を狙うリィネスの拳を皮一枚避けると、彼女の拳は容易く土壁にめり込んだ。さらに追撃が来る。もう、やるしかない、身体が反射的に身を守ろうと剣を彼女に突き立てようとする、しかしリアはそれを押さえつけた。

「できる訳ない! せっかく会えたのに、友達になれたのに!」

お願い、リィネス――!

リアは固く目を瞑る、やがて迎える結末。

「……ありがとう、リアさん。最後まで呼び続けてくれて」

 彼女の声は掠れていた。

 恐る恐る、リアが目を開けると、そこには今日の昼間見た、穏やかな彼女の表情がある。剣は、リィネスの腹部から真っ直ぐ、背中に突き抜けていた。最後の最後でリィネスは我を取り戻し、リアの剣を奪い取って自らに突き刺したのだ。

「リィネス……どうして」

 呆然とするリアに、彼女は微笑んだ。そして、体制を崩し、リアの胸に顔をうずめる様に倒れ込んだ、剣が、さらに深く食い込んでいく。か細い呼吸で、彼女は呟く。

「分かってはいたんです、長くはないと……怖かった。でも、続けたいと思った」

 彼女の言う仕事の事だと、すぐに分かった。

「私たちが原因ですね?」

 彼女は、リアの胸の中で頷く。

「貴女を癒して、良かったと思えた。空からの景色を見たら……天国からこの眺めを見続けるのも、悪くないと思いました……」

「それをしなければ……リィネス、貴女はこうはならなかったの?」

「……でしょうね」

 リィネスは自嘲的に微笑み、リアはひどく傷ついた表情を浮かべ、後悔の念に苛まれ、涙を流していた。自分が余計なことをしたばかりに、たくさんの人を傷つけてしまった。

「お願いを……覚えていますか?」

 リアは無言で頷く。

「はい、必ず届けます」

 それまで何とか言葉を繋いでいた彼女は激しく咳き込み、つまり掛けの喉で精一杯空気を吸い込んだ。

「貴女のおかげで、自分の使命を全うし……何より、人として死ぬことが出来ます……天国には、行けないかもしれないけれど……ありがとう」

 そう言って彼女は目を瞑る。

 町にリィネスの名前を呼ぶリアの声と鳴き声が響いた。

上空ではワイバーンが一声鳴いた。寂しい響きを孕んだその声はいくつか響いて夜空に消えた。


 咽び泣くリアの元に二人の騎士と一人の女性が駆け付けたのは、リィネスがこと切れてから数分後の事だった。

 騎士の一人がリアの前で片膝を付き、首を垂れる。

「済まない、我々がもっと早くに来ることが出来れば……」

 彼らに非は無い、それは分かっている。責めることなどできないと思いながらも、口は意思に従ってくれない。

「そうすれば、彼女は助かりましたか?」

 リアの俯いたままの問いかけに、聖騎士の男は言葉を詰まらせた。そして首を振る。

「分からない……」

「でしょうね」

 男は声を詰まらせ、リアを睨み付けた。しかしリアが返す視線はあまりに穏やかだ。

「気に病まないで下さい、貴方達の所為ではありませんから……私が彼女を死なせたんです」

 その場の三人は理解が追いつかず、固まってしまった。立ったままの男が問う。

「一体、どういう事なんだい? 君が止めを刺したという事か?」

 それからリアは淡々と今日の出来事を語っていく。小さな偶然の出会いと、何のことは無いほんの少しの出来事が重なって、彼女に大きな決心をさせてしまった。私たちが彼女をこの状況に至らしめたのだ。

「私たちが居なければ……」

「それは違うわ」

 二人の騎士と一緒に居た聖女が強かな口調でリアの言葉を否定する。

「貴方たちが居なければ、少なくとも三人がここで堕天を発症していたでしょう。被害はこんなものでは済まなかったはずです。その犠牲と、リィネス一人の犠牲を比べることはできませんが、この結果は、彼女が望むものに近かったのではないでしょうか」

 リアは思い出す。リィネスの言葉を……人として死ねる。ありがとう。

「そう言っていました」

「……そうか、彼女は人として逝ったのだな、それも君のおかげだ。我々からも礼を言わせてくれ、ありがとう」

 自分よりも年上の三人に頭を下げられてどうしてよいやら分からないリアの元へ、相方が舞い降りて来た。今度はふわりと、辺りを気遣いながら静かに着地する。三人は一瞬身構えたが、ワイバーンがリアにゆっくり近づいてもリアが動かないのを見て警戒を解いた。エルヴァンはリィネスに鼻先を近づけて目を瞑る。口元が少し動いた。膝をついて、真横でその動きを見ていた彼はワイバーンが『おやすみ』と呟いたように見えたが、声は聞こえない。

「君は、竜使いの一族なのか?」

「はい、でもこの子はワイバーンです。ワイバーンを竜に至らせる方法を探して旅を、早い話、追放されただけなんですけど」

 リアは苦笑いを浮かべる。

「ワイアーム、か」

 騎士の一人が呟く。

 なんですか? とリアが聞き返すと、彼はきまり悪そうに頭を掻いた。

「あ、いや、そういう言葉を思い出しただけだよ、聞いたことがあるだけで、詳しいことは知らないんだが、飛龍使いの意味らしい」

「そうなんですか……」

 今度調べてみようと思うリアだった。

「いつまでもこうして居る訳にもいきませんよね、リィネスの身柄は貴女方に任せてもいいですか」

 もちろん、と三人は一様に頷いた。

「じゃあ、リィネス、短い間だったけどお別れだね、ありがとう、おやすみなさい」

 別れの言葉を継げ、リアは彼女の身柄を三人に引き渡す。

「さ、帰ろうエルヴァン。汚れたし、疲れた」

「僕はまだ君に物申したいことがあるんだけど?」

 エルヴァンはご立腹のようだが、リアの方はそれどころではない。

「言いたいことは分かるけどエルヴァン、ほんと、もうフラフラなのよ? お風呂も入りなおしだしさ、一応病み上がりなんだけど……」

 眉を潜めて参った表情をしているリアを見て、エルヴァンはすぐそこまで出かかっている文句の数々を噛み殺して飲み込んだ。

「今回は結果的に君も僕も無事だったし、君の方が正しかったから水に流すけど、僕は今も内心穏やかではないからね?」

「うん、分かってる、ごめんね」

 ふん、と鼻から息を出してエルヴァンは先に宿の方へと視線を向けた。しかし、飛ぶわけでも歩くわけでもなく、そこで固まっている。

 やがて首を巡らして振り返ると。

「……乗らないの?」

 と呟いた。

「……乗ります」

 聖職者の三人組に簡単な挨拶をし、今一度リィネスの顔を見る。汚れてはいても安らかな表情に改めて胸を撫で下ろし、リアはエルヴァンの背に乗る。羽音と共に風が舞い、巨体は空へと昇った。上空でリアはリィネスから預かった短剣を強く握りしめる。どうせ当てのない旅、どこへだろうと行って、この剣を渡し、彼女の最期を伝えてやらねば。

 リアの胸に一つの意思が宿る。

 この決意が、彼女とエルヴァンに多くの苦難を味わわせることになるのだが、この時の彼女らには知る由もないことである……。


 後書きまで読んで下さりありがとうございます。

 身近な人に読んでもらったりしながら、自分でも相当数読み返していますが、それでも誤字脱字があるかもしれません。ご了承ください。コメントにて指摘があれば改善します。(私がそのコメントに気づけばですが……)


 思わずタイトルに『一章』と付けてしまったのですが二章があるかどうかは未定です。(笑)

 情景の描写はできるだけ丁寧にやっているつもりなのですが、全くイメージ蓄積の無い皆様に伝わっているかどうかがすごく不安です。

 もし興味を持って下さった人が居たなら嬉しいです。

 作品についてのコメントを下さるともっと嬉しいです!


 二話はおよそ一か月後で予定しております。

 クオリイティを下げないよう頑張ります(汗)

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