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 この世界には、魔術と言うものがある。

 胡散臭いかもしれないが、真実だ。実際、あらゆる国でそれに準ずる何か不思議な力が古い本などに書かれているだろう。

 これが証拠だ。ありえなさそうだが、その力を魔法といって何も無いところで火を起こしたりできる。よくある心霊現象もその魔法が原因のものも多い。

 ならなぜその魔法と言うものが今現在、表立って使われていないかと言うとそれは権力者によるところが大きい。

 魔術とは大きな力だ。魔術師は誰であれ、武装した兵士10人分にはなる。

 権力者は魔術を独占している。魔術と言う神秘の力を己たちだけで独占しているのだ。裏では魔術師にもライセンスがあり、ランクで表される。

 ランクは1~5まであり、全世界共通だ。その中で、若く、ライセンスを持たないものを魔法使いと言い、そのものたちのための学校と言うものが一国に一つずつある。

 数が少ない理由はそもそも秘匿にしている学校であり、また魔術を使えるものが少ないことが原因だ。

 その学校の中では完全に実力主義であり、また家系を重んじる。

 理由としては『魔術師の能力は代を重ねるごとに強くなる』と言う誰かの言った台詞が理由で、これは今までのことから考えてもその通りであろうと言われている。

 つまり、実力=家系であり、偉いやつ=強いやつなのだ。

 そして、私は自慢ではないがいい家系に生まれた。そう自慢ではない……。

 市村彩香これが私の名前…市村と言う大きな魔術師の家系に生まれた落ちこぼれ。魔力量こそ他の魔術師を圧倒しているが、そのコントロールがいまだにできない。基礎の基礎の魔法を使っても暴走してしまい、大きくなりすぎたり、小さくなりすぎたりする。

 おかげで家では一人ぼっち。実の親でさえより優秀な妹にばかり気にかけていて、妹は私を見下している。

 学校では高等部の二年になった今でも実技では最底辺をうろうろしている。最下位になったことが無いのは魔力量と筆記におかげだろう。

 学園において、たまに転校生がやってくる。そのほとんどがきちんとした訓練を受けずに自力で魔力に気づき、自力で魔術を使ったことのあるものだ。だが、そういったやつらは必ず最底辺にいる。魔法の理論を位置から覚えるため筆記はできないし、魔力量が少ないから実技をできない。それが普通だ。だと言うのに……。

 ―――この目の前で起きている現状はどうなんだろう。


 三人一度に現れた転校生。実力主義のこの学園は実力に合わせてクラス分けをしている。故に、転校生は必ず最底辺のクラスに来る。

 そして実力を過信している転校生は上位クラスの人に決闘と言うシステムで叩きのめされるのが一種の伝統だ。だと言うのに……。

 その中の黒い髪で少しやせている印象を受ける男は、武装として刀を二振りも持っている。転校生では珍しいわけではない。だが、刀は扱いが難しいし、何より魔法を使いこなせないのに剣を持っても遠くから魔法で狙い打たれるのが落ちである。

 決闘ではルールが特に無く、1対1なら殺さなければ何をしても良しというものである。さすがに禁術は駄目だが……。

 魔法を使うのを補佐するのは杖だ。杖を使うことで魔法のコントロールがあがるとされる。

 その黒髪の男は恐らく何も知らないからそんなことができるのだろうと思った。

 技術として、あくまでも技術としてなら魔法を剣で叩き落すものは存在する。身体強化魔法と付加魔法が使いこなせれば音速を超える魔法であっても叩き落せるのだ。

 だから魔術師の試験として、最初のランクの試験は魔法を剣で叩き落すである。だから剣を持つ魔術師は実力が高いか、相当の馬鹿かのどちらかとなるのだが……。

 この場合はどう考えても後者であろう。誰もがそう思っていた。


「―――ファイアボール・レイン―――」

 炎系中級範囲指定型魔法と漢字で書かれる魔法を上位クラスの人が放つ。

 天から雨のように炎が降ってくる。これはすぐに終わったとみんなが興味をなくして席から立とうとしたとき、

「―――魔剣技―――」

 その会場のみんなが聞き取り、まさかと言う顔で競技場を見る。

「―――水牙 乱舞―――」

 聞き覚えの無い魔剣だが、その威力に誰もが驚いた。

 刃は青く光り、流れるように繰り出される刃に目を奪われる。刃の通った後には青い水属性の刃が残り、飛んでくる炎の雨を打ち消していく。

 雨が止むと同時に上位クラスの人はあわてずに新たな魔法を放つ。

「―――ファイア・ストーム―――」

 炎風系混合上位広範囲魔法。英名ファイア・ストーム。

 確かに、部分的に水の刃を作り出し攻撃するあの魔剣ではファイア・ストームを防げない。

「―――魔剣技 旋風―――」

 その場ですばやく一周りすると大きな竜巻のような風の流れがファイアストームとぶつかる。

 また新たな魔剣をくりだしたが、あれは風系統。ファイアストームを強くして終わりのような気がしたが、違った。

 ファイアストームとは逆回転の竜巻はファイアストームとぶつかるとその動きを止めファイアストームとともにその回転を止めた。

 風に乗っていた炎は地面に散らばり、よりその衝突地点に近かった上位クラスの人に降りかかる。

 とっさに地面を転がり、炎から逃れたところを、その黒髪の男は先回りしていたようで、

「終わりだ」

 そういうと刀を相手の喉元に突きつけ、決闘が終わる。

 決闘は何か二人が対立したとき、その二人がお互いの意見を押し通すためにやることなので何があの上位クラスの人にやらされるかは分からないが、私には関係ない。

 そんなことよりも……。

 ―――あの男は一体何者なんだろう。という疑問のほうが強く頭に残った。


 転校早々にして決闘と言うものを申し込まれた。

 前後関係を一文で言うと、『人は人を見た目で9割判断する』と言ったところか。

 もっとまじめに言うと、あちらから帰ってきた刈谷と坂本と菊池はいろいろあった後この学園に入れられた。

 学園の初登校に三人そろって歩いているとなにやら偉そうなやつが近づいてきていろいろ言ってきたが、要約するとそこのかわいい子を置いてけといってきたので、無視するとよりによって僕に絡んできて、ご丁寧にも同じ事を繰り返し言ってくれたので、

「同じ話を何度もありがとうございます。ですがお断りします」

 と丁寧に返事すると、

「調子乗るなよ。決闘だ」

 とどすを聞かせていってきた。

 おーこわいこわい。

 だけど正直言ってこいつをかわいいと認識する人は僕らにとってこいつを知らない人だ。そして知り合いでもなさそうな人に渡す気はない。こいつはかわいいんじゃない。恐ろしいんだ。

 菊池は見た目は美人だ。しかし起こると怖い。尋常じゃなく怖い。殴って机を真っ二つにしたところを見るまではかわいいと思っていたが、そんな気持ちがなくなるほどの恐怖を植えつけられている。

 坂本は顔立ちが整っているし、筋肉質で性格もいいためもてる。もてるやつは敵だ。

 僕は顔立ちは別に整ってもいないし、醜いわけでもない。普通だ。特徴と言えば少しやせて見えること(筋肉で引き締まっているだけだが)と切れ目な目ぐらいだろう。

 閑話休題。

 その後、先生がやってきて武器を選ばせてくれた。少し無理を言って刀を二本選ばせてもらう。

 その時周囲から失笑が聞こえたが、聞かなかったことにして闘技場に向かう。

 入って最初にやることが決闘(ケンカ)って……。

 開始すぐにファイアーボールレインなんていう面倒な魔法を撃ってきたので魔剣技の水牙乱舞で叩き落す。その後、ファイアストームを撃って来るので旋風で返し、転がって避けるなんていうミスをしたので首に刀を当てて勝利を手にする。

 ここで初めて決闘に勝つと敗者に命令できると聞いて、

「じゃあ、これから僕たちにかかわらないでください」

 と言う命令にして二人のところに戻ると軽く呆れられ、クラスに行くと尋常じゃないほどの視線が僕を貫いた。


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