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タビガラス ──七獣と呼ばれた者達──  作者: 28円玉
壱章「七つの獣の意味」
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壱章・巻壱「仲間内」


「…ところでだが、最初の任務は大臣暗殺でいいのか?」


真っ先に口を開いたのは他でもなく煉侍。


白雨が豆鉄砲を受けた鳩のような顔をした後に

数分してやっと答えを出した。


「……は、はぁ……や、やれると言うなら」

「ま、実力見せも必要だろうしな。

 しばらくは個別任務になりそうだ……大将は俺だ。

 スタートは俺からやるぜ」

「ちぇー、またきたっちからかー」

「まぁしょうがないわ、大将格は煉侍なんですから

 …そのかわり、しくじったら承知しないわよ?」



礼菜の頭を軽く叩き慰めながらも

にっ、と笑みを浮かべる朽葉。

その笑みにまた煉侍も笑みで返す


「逆に聞くが、俺がドジった事は盗み以外であったか?」

「大将は不器用だからなー」


志郎がサラッと禁句に近い物を言い放ち

煉侍が上等と言わんばかりに刀に手をかける。

その光景を、白雨はただ唖然として見るしかなかった。


「こ……こんなんで大丈夫なんですか…?」

「なぁに、日常茶飯事ですじゃ……これが本当の「七獣」の日常

 …そのうち総理もなれる事でしょうに」

「これになじめと…?」


穂影の一言に触発され周りを見てみる。


怒鳴り声ながらも笑みを浮かべる煉侍と受け流す志郎。

それを茶化す礼菜と朽葉、いつのまにか賭けを始める東郷と藤次郎。

この時白雨は思ったことは「こんな集団に馴染める気がしない」だけだったという。



「ま、任務はちゃんとやってやるからあんたは枕を高くして寝な

 ……ぶねっ!?てめぇ今カスったぞ!?」

「反撃しないなんて俺ァ言っちゃねーでしょーが!」

「きたっちもしろんもやっちゃえー!」

「煉侍ー!負けたら承知しないわよー!」

「ふむ……思い通りか」「…なんで僕はこいつに賭けを振ってるんだ」

「ま、慣れないとはお思いでしょうが……

 この空気に触れていれば自然と慣れますぞ、総理」

「……そ、そうか」


穂影もフォローを加えたのだろうが、白雨の思考では

やはり「慣れれる」という答えは微塵も出ることはなかった。






「ふぅ…僕の勝ち、だな ほら、10万。」

「拙者の今月の生活費が……」

「巫女のあたしより酷いじゃないの」

「流石におとーさんのおきゅーりょ以下なのは以外だったなぁ……」

「ってぇ!?父親はご健在なのですか!?」


礼菜がもらした「お父さん」という言葉に過剰反応する白雨。

それもそうだろう、普通このような危険な仕事につくとなれば

殆どの場合は孤児であろう。

その予想を簡単に裏切られ、そして家族がいるというのに

このような仕事に就いてるということに大きなショックを受けるが……



「ふぇ?だってお父さんがしょだいの「七獣」だったんだー。

 それに、お父さんも私と同じくらいのとしだってー」

「………嘘でしょ…」


あまりに簡単に知ってしまった現実に落胆する白雨。

その原因となった礼菜はきょとんと首をかしげていたが。


「総理……予習したならそれくらい知っておいて下さいよ……

 あと…この娘の戦闘能力は父の遺伝です。」


一応穂影もフォローを加えてみる者の、効果は微塵もなく

しばらくの間完全に意気消沈する白雨が見られたという。



……初代の「七獣」。それはまた別の話となるため此処では語るまじ。

ただ、穂影は最初からいた、それだけは伝えるものなり


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