表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
タビガラス ──七獣と呼ばれた者達──  作者: 28円玉
壱章「七つの獣の意味」
13/13

壱章・巻九「狐は人を騙し、そして呪う・前」



平崎 朽葉。

彼女は巫女である。


由緒正しき神社の長女として生まれ、それを彼女も理解していた。

その彼女がなぜ、この世界に来たのかはは

分からないが、一番想定できるのは父が旧七獣の一員だっというのが有力だろう



「……さて、今日こそ仕事かしら」


彼女の仕事は主に計略

人を騙し、そして呪うなり何なり。それが彼女の字が狐たる由来



(まったく……私は巫女なんだからそうそう動けないのよ

 それをあの子、チャンスが少ないから積極的に動きなさいって……)


境内で朽葉は溜め息混じりに愚痴をこぼしていた。

本職はどっちだと聞かれれば間違えなく「両方」と答えるだろう。


しかし、「両方」本職故に朽葉は動けなかった。

朽葉の実家でもある「星守神社」は由緒もある上に受験生や就職希望者などさまざまな人間が来る。

その神社の巫女であり看板娘としてもいるため場を離れることができないのだ。


(しょうがない……夜になんとか…あら?)


ふっと、朽葉は鳥居のほうを見てみる。

そこにはスーツに葉巻と、いかにも偉そうな男が黒服と共にやって来ていた


(……まさか向こうから来るなんてねぇ………それじゃ、摘んでやりますか)


知恵を張り巡らせ、朽葉は計略を組み立てて行く。

その計略は男の身を破滅させるべく、凶悪なまでに緻密に作られるのだ



「………どうも、おはようございます」

「んんっ?誰だ貴様は……」

「社長、この娘が例の…」


黒服が社長と呼んだ男に耳打ちする

男はそれに反応し腕を組み首を縦に振る


「ほぉう、この娘が朽葉か」

「……私に、何が御用でしょうか」


嫌悪な表情で男に答えるも男は関係ない、と

言わんばかりに朽葉の手をつかむ


「ッ!?な、何をする気…!?」

「気丈で……ふむ、肉付きもいいし若いな……気に入った」


朽葉はハッと思い出した。

この男は女癖が悪く度々それ絡みで事件を起こしていたこと。

それを政府高官という力でもみ消して地位を確立していること


本来ならこの場で背負い投げをするなりしてもいいのだが

あくまで「今は」巫女である故に何もせず

ただ手を揺らし抵抗するだけであった


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ