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タビガラス ──七獣と呼ばれた者達──  作者: 28円玉
壱章「七つの獣の意味」
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壱章・巻九「鼠は潜る、小さな綻びから・後」


「……じゃ、そろそろ本元行くよ」

「そうか……武運は祈っとく」


そういい残し、東郷は無線を切る。

少しの沈黙の後ハァ とため息をつく


「まずったなぁ……ここが人の家ってのが。

 はなからそのつもりだけど私たちの仕事は

 国家最高機密だけど……やるしか、ないか」


礼菜は覚悟を決めると一呼吸し、雪菜の兄の部屋へと

歩を進める


(……もうバレてると思うけど………ここかな?)


部屋の扉前で、礼菜は入るのを躊躇した。

すでに自分の侵入と身元は割れている。

なら罠の1つ2つが仕掛けられててもおかしくない──


礼菜は本能的にそれを考えたが、あえての道を──


自ら罠の綻びを付く道を選んだ


(正面突破あるのみ……こーゆー時、罠は天井裏とかに

 仕掛けるのが一般の頭だからね…♪)


それを考慮し、真正面から礼菜は星の部屋へ進む。

そして、扉を開けると礼菜の前に信じられない光景があった


「……うそん」

「ひ……ひぐ……礼菜…ちゃん…?」

「僕の……負け、か」


そこには寝ているはずの彼女の、雪菜の姿

そしてその隣には、椅子に腰掛けすこしやつれた感じの少年が。


「………雪ちゃん…なんで、いるの?」

「礼菜ちゃん……!」

「雪菜、もういい……もういいんだ…僕の負けなんだ…

 僕は、罪を償わなきゃ…」


驚愕の表情で礼菜を見る雪菜を抑えるように少年は彼女に語る

だがその感情と幼心はそれを許さなかった



「どうして!?お兄ちゃん何も悪くないよ!

 悪いのはお母さんであって……」

「いうな、雪菜!………僕だって…助かるなら…

 助かりたい…お前を、あいつらの元に置きたくない…!」


礼菜は、全てを悟った。

この兄妹は本当にお互いを信じあえる。

だから、その繋がりを斬っちゃならない、と

そして自らの危惧を省みず、携帯を取り出すと誰かへと電話をかけた。



「……あ、起きててよかった。私だけど。

 あー…ちょうどその件なんだけどさ、無罪放免にできない?」

「なっ!?」

「れ、礼菜ちゃん!?どこに電話してるの!?」


礼菜のさらりとした言葉が兄妹を混乱に飲む。

それもそのはずだ、罪は罪。

政府関連の権限でもないかぎりそれはありえない。

しかし彼らは礼菜の家柄も知っている。それはありえないのだ



「あ、できる!?んじゃ頼むわー……え?

 はいはい、それくらいならやってあげるよ……そんじゃま」

「れれれれ…礼菜、ちゃん…誰に、電話したの?」


震える声で、雪菜は電話を終えた礼菜に問いかける


「あーやっぱこうなるか……覚悟の上だったけどさ……

 私は非番暗躍部隊「七獣」……『桃鼠』。

 つまりは、総理の直属部隊なんだよねー。ずっと黙っててごめんね」

「…………」

「…………」


「……やっぱりこうなっちゃったか。

 まぁ、これで一件落着でいっか」



絶句する二人を残し、手を頭の後ろで組むと

礼菜は貸してもらった部屋に戻り、そのままベッドに飛び込むと

すぐに寝息を立てて眠っていった……



…暑さでネタをガンガン飛ばされて困ってます。

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