プロローグ
「麗しき令嬢は鏡の中に」閑話
狡猾な魔女シリーズ第一弾
麗しき令嬢は
鏡の中に
1.5巻 強かな少女は策と共に
プロローグ
「・・・それでは、私達はお母様と一緒に、
その女神様をお出迎えするだけで良いんですの?」
「はい、そうです。
まぁ、メアリーとアリスなら、心配要らないでしょう。」
ブランカ夫人は何か落ち着かなさそうなアリスの肩に手を置いて、こう言った。
「・・・アリス、エリーはとても気さくな人なので、そんなに心配しなくても大丈夫ですよ?」
「は、はい…
・・・どうしても、お出迎えしなければいけないんですか?」
「顔を合わせておいた方が、後々楽ですよ。」
「・・・私、嫌です。
・・・絶対メアリーが変な事言い出します…」
「酷いですわ、アリス!!
私、そんな事致しませんわよ!
こんなに正直に全うに生きてるんですのよ!」
「・・・嘘つき。」
「そんな?!
私、嘘は吐きませんわよ!」
勿論のように付いている「は」。
「・・・じゃあ、社交界の時は?」
「オブラートに包んで言ってますの。
嘘は吐いてませんわよ!」
そう自信満々に言うメアリーの言葉に余計不安になったのか、
アリスは大きな溜め息を一つ吐き、こう言った。
「・・・メアリーと一緒なら、私、出迎えしません。」
「・・・困りましたね。」
珍しく困惑するブランカ夫人。
「・・・分かりましたわ!!
私、出迎えに出ませんわ!
それどころか、女神様と会わないように隠れておきますわ!」
「そ、そう。
・・・って、えぇぇぇ?!」
あまりにも予想外な言葉を聞いた時、驚きは遅れてやって来る。
「メアリー、本当ですか?」
「め、メアリー、し、正気?
ね、熱でもあるんじゃないの?」
「正気ですわ!
私、アリスを困らせたり、アリスに嫌われたくありませんのよ!
アリスには女神様に会って欲しいんですの!
女神様に会うなんてまたと無い機会、アリスには逃して欲しくありませんわ!」
「な、なんでそんなに…」
「決まってますわ!
私、アリスの事が大好きなんですの!」
「え、えぇ?!
・・・わ、私も、そのー…
・・・す、s」
「無理しなくて嘘吐かなくてもも良いんですのよ?」
「べ、別に無理なんか!」
「嘘吐いている」
事は否定しないアリス。
「愛を無理やり返させようとする愛なんて、愛じゃありませんもの!
・・・とにかく、私は出迎えませんし、会いもしませんわ!
ですからアリスは安心して女神様を出迎えて下さいまし!」
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「・・・正気ですか、メアリー嬢様。」
メアリーの専属メイドのアメリが、ぶっきらぼうに言う。
「正気ですわよ!
でも、先程アリスにも疑われましたわ…
・・・と言う事で、アメリも協力なさい!」
「雇い主の命なので別に協力は惜しみませんが…
・・・何を作ってるんですか?」
「分かりませんの?
玄関の壺の偽物を作ってますのよ!」




