Episode1 転生
初の執筆になります。
完全に趣味なので見る方がいましたら温かい目で鑑賞ください。
プロローグの方は雰囲気重視のため前書きは端折りました。
あれは何月何日の何時だったか、いまだに思いだせない。
心臓発作とか交通事故とかそんなお決まりの死因なら俺も割り切れたんだろうな。
死にたくない。
やりたいこと、やるべきことなんて無数にあった、それを成し得ずに死ぬなんて傷心に浸るにもほどがあるってもんだ。
俺の死因は不明。俺の部屋の中で寝てたら急に死んだなんて言っても誰も信じちゃくれないだろうな
何か前兆や死ぬ時の苦痛があるのが普通だ。
死ぬ…
死ぬ時って案外、冷静なんだな…
気づいたら、真っ白な空間で落下してるような感覚だった。落下してるのに冷静なのは考えないでおこう。
てかここはどこだ?死後の世界?
『汝、人ならざる者にして人成る者。其方に祝福あらんことを。』
誰の声だ?何言ってんだ?厨二病?
耳元で誰かが話すがその声の正体が分からない。
次の瞬間俺の視界は闇に包まれた。
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「3人目の名前はどうする?元気は…ないみたいだけど、女の子だ!かわいいぞぉ〜」
「うーん、それじゃあミヤと言う名前はどうかしら?
女の子っぽくていいんじゃない?」
そんな犬のペットに名前をつけるかの如く軽い、名付けの話し合い、そんな会話が聞こえてくる。
知らない天井。病院ではないのか?どこかの建物であることは確かだがそれ以外は何もわからない。
というかこの人達デカすぎない?俺の年齢17歳なはずなんだけど……それを片手抱けるとか巨人かよ!
いやまじで何処だ?日本なのか?俺は死んだのか?
下を見た瞬間俺は困惑することになる。
俺……赤ん坊になってる?
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情報を処理するのと理解するのに1時間かけてしまった。つまり俺は転生?して知らない家の子供として生まれたってわけだ。
だいたいこういう時って神ーとか女神ーとかが神託として助言やらなんやらしてくれるものじゃないの!?
そしてそれ以上に理解するのに手間取ったのは俺の性別が元の男ではなく、女になっていたことだ。
俺の相棒がいない、俺のベストフレンドが消えていた
使ったことなどなかったがいざ失くなると悲壮感しかないものなのだな。
後の情報としては俺の父の名前がリューズ、母がマイヤということくらいか。
情報としては少なすぎるが理解するのは今の俺では難解だった。
とりあえずこの世界?国?両親の名前的に日本でないのは確かなようだが
世界について知る必要がある。この年齢だと都合が悪いというか、動けない。3歳らへんになったら情報を集め始めよう。
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「おかあさんきょうはなんのはなしをしてくれるの?」
その子供特有の甲高い声で発言したのは他の誰でもない俺自身だ。自分の子供の真似をする才能には惚れ惚れしてしまうよ。
そんなことはどうでもよくて、俺は3歳になった。2歳らへんから喋り始めて母との会話をほぼ毎日している。といっても俺が会話している理由はただ一つ、この世界の情報収集のためだ。
まぁそれもこれから本格的にやることだ。
しかし2歳で急に喋り始めたのは失敗だった。
なんせこれまで一言も喋っていなかったのだ。困惑されるに決まっていた、そんな考えをしていると母が喋り始めた。
「そうだね〜、今日は魔法についての話をしようか」
「まほう?」
俺の耳がおかしくないとすれば今の発言が本当ということになる。つまりこの世界が魔法を使用できる。地球ではないというわけだ。いつか日本に帰れるそんな幻想を抱かなかったわけではない。その空虚な妄想が不可能だとわかると落胆はするものなのだ。
「ミヤももしかしたら使えるかもね」
まてよ、そうかまほうがある世界なのか!
さっきまであった想いが吹き飛ぶように俺の心は今までにないほど光り輝いていた。
だってまほうだぞ!地球の科学でさえなしえなかった物凄い事柄だって可能になるかもしれない、そんな期待を抱けるほどのものなのだ。
「まほうってどんなの?」
「簡単そうで難しい質問だね。魔法はね自分の魔力を物に変えることなどのことよ。そりゃあもうすごいんだから!」
3歳児でもわかるように説明してくれいるのだろうが理解しにくい。つまりその魔力とやらを物質に変換する技術のことを魔法と言うのか?種類とかあるのか?
聞いてみるか…
「まほうのしゅるいとかってあるの?」
「もちろん、あるわよといっても赤、青、黄、緑の基本四色の中にそれぞれ属性がたくさんあるっていう感じね。まぁまだわからなくても大丈夫よ、魔法適性があったら魔法学校で習うしわからないとこをお母さんだって教えてあげるわよ」
なるほど、つまり基本のベースである4色があってそれを元に属性があるというわけだ。
つまり色とされるものの枠組みの中に属性が無数にあるということか。
そして俺は母に更なる疑問をぶつけた。
「まほうがっこうってなに?」
「魔法学校っていうのはね7歳の頃になったらこの国では魔法に適性があるのかの試験があるの。そこで魔法に適性があったら、魔法学校。なかったら、剣の素質があるかを調べる試験をしてそしつがあったら、剣技学校。それもなかったら、普通学校よ」
「へぇー」
「わかってなさそうだね。まぁ無理もないか、
ちなみに私は魔法学校出身で、お父さんとライゼルが剣技学校。マーリャは普通学校に今通っているわね。」
「なるほどー」
母が言ったとおり俺には兄と姉がいた。父同様兄はこの国の騎士団に所属しているらしく、家に帰っている日はすくない。姉の方は普通学校だが、成績優秀らしい。もしかしたらエリート家庭なのかもしれない。
まぁ俺は末っ子だから期待されずに成長できそうだが。
「ごめんお母さん夕飯の買い物に行かなきゃ、魔法について興味が出たんなら、文字が読めるようになったらでいいから本棚にある『魔法書ー初級火ー』っていうのをみてみるといいわよ。そこに詳しくいろんなことが書いてあるわ。」
魔法の教科書?のようなものの居場所を指し示すと母はそそくさと家を出てしまった。
「魔法書か…」
この世界にはどんな魔法があるのだろうか?もしかしたら透明になれる魔法や人を何千人をも簡単に○せてしまうものもあるかもしれない。とにもかくにも読んでみる価値はあるが…
「文字か…1からだよなぁ…とりあえず読んでみるしかないか」
俺はリビングにある本棚から魔法書を取り出して1ページめくってみる。
「なんだこれ…なんで全部日本語なんだ?」
日本にいた時の俺は結構なバカだったから文法的に完全に日本語とかは分からないが、意味は通る文章だった。
「とりあえず魔法の色?や魔法の種類からだな」
ページを少しめくると該当するページがでてきた。
「なるほど…異世界系ラノベにでてくる設定に似てるが色の概念は固有のものか」
30ページにも及ぶ魔法についての基礎知識を要約するとまず、魔法は基本となる4色がある。これは母からも聞いたものだな
そして色の枠組みの中に属性がある。代表的なものは『赤色 火属性、地属性』『青色 水属性、氷属性』
『黄色 雷属性、明属性』『緑色 木属性、花属性』
元の世界でも聞いたことないのは明属性と花属性だが、説明はしっかり明記してあった。
明属性は魔力を光度エネルギーに変換して使用するもの、まぁ目眩しとかが使われてるんだろう。
花属性は花を操るという曖昧なものが書かれているが言葉通りだとしたら、ツタをムチとして使うやり方もできるかもしれない。名前で魔法を弱そうと判断するのはやめておこう。
主な属性があると言ったとおり、魔法の属性は無数にある。なぜなら、魔法を自ら生み出すということがこの世界では当たり前だからだ。だから、聞いたことない属性もこの世界ではメジャーとなって浸透しているわけだ。
俺も爆破魔法とか使いたい!中2の頃に卒業した厨二病が舞い戻ってきた。
そして、この魔法書が火属性なものであるとしたら詠唱文なるものがあるかもしれない!探すしかないだろ!
「あった!」
うん、読めるわけがなかった。
文字化けした文章をコンピュータなしで読めるやつこの世にいるか?俺は見たことないね。つまりそういうことだ
詠唱文が文字化けしていた。もしかしたら選抜試験とやらで特別なアイテムをもらって初めて魔法を使用できるのかもしれない。
「とりあえず選抜試験に出るしかないか」
そうと決まったらこの街のことについて調べつつ成長を待つしかない。
楽しみだ。前の世界ではつまらなかった人生だったが
まさかもう一度人生をやり直せるなんてな。
後悔しない生き方をしよう絶対に
過去の未練なんて一度忘れてもう一度だけ…
レビュー等々どしどしお願いします