表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
75/111

逆四面楚歌

 『サ、蹂躙しようじゃないカ第三帝国の諸君タチ。もうこんな所に用は無いネ。我が帝国の台頭の礎になるがいいサ。クラーク、やっちゃって』


 クラークの触手!!


 「斬絶剣・四刃!」


 目の前に無数の青白い閃光が奔る。


 「もうこんな死体に用はないよ。ミツキさん、こいつらは僕たちが相手するから・・・やっちゃって」


 三上君がクラークの前に割って入った。


 「チョイ!邪魔しないでヨ三上君!!だったら黒星は・・・あらり?」


 「ざーんねんだけど黒カッパは俺らが相手するわ。チャン、てめぇ何1人逃げようとしてんだ?例え偽の記憶の存在だとしてもてめぇはミツキを散々利用して来ただろ。後片付けくらいはてめぇでしないと筋が遠らねぇぜ?それとも何か?怖いの?心ねーくせに?」


 一兆がヘラヘラ笑いながらネーちゃんを煽る。


 「怖い?なんでネ?そんな感情なんてないヨ」


 「だったら逃げんなよ。言い当ててやろうか?お前もう負け確定してんだよ。自身がバケモノになってあのエセチャイナ殺した?笑えるねぇ、そんなんで死ぬのはてめぇくらいだ。あいつはそんなんで死なねぇよ。なんたって人間様だからな・・・で、ほら。そうやって俺との会話に聞き耳立ててるから・・・」


 「うおおおおおおおおおおっっっ!!!!!」


 私はネーちゃんの死角になる部分から大佐に上に投げ飛ばして貰い、ネーちゃんに攻撃を仕掛けた。


 「簡単にあと一歩が詰められる・・・ミツキ、どうする?加勢した方が良いか?」


 「いや、みんなは他の連中をお願い・・・私は、私の手で取り戻す!!」


 これにより戦況は4つに別れた。




 三上君、レイノルド、グレイシア先生、飯綱とクラーク。


 一兆、神崎さん、ルイ先生と黒星、それとアレクシア。


 天正第二中と悪魔たち。


 そして、私とネーちゃん・・・


 


 このランウェイ。ここが私の決戦の舞台になった・・・


 「やれやれヨ、みーんな対応が早い早い。にしてモ、ミッちゃん1人をワタシと戦わせるなんテ、無謀にも程があるネ。確かに、舞台は整って映えるヨネ。ケド世の中、そんな簡単に事は進まなイ。力の差を考えてヨ、ほぼ不死身で人間の何百、何千倍と強いワタシとただの人間のミッちゃん。勝つのは不可能だって分からないカナ?」


 「・・・やれやれ、あんた本当に私たちと一緒にいた?チャールズも、道山会も、クラークも・・・圧倒的だった相手に私たちは勝った。今度もそうなる。三上君が私の力がどんなものか教えてくれたよ・・・少なくとも今の私なら、世界の上積みレベルの強さがある!!ライトニング・ソード!!」


 私とネーちゃんの刀がぶつかって、戦いが始まった。


 ・


 ・


 ・


 戦況その1、三上たち。


 「よ!相変わらず無愛想だな!クラーク!」


 レイノルドは元気に挨拶した。


 「気安く呼ぶなレイノルド」


 「あららレイ。怒られちゃったよ」


 レイノルドはなんとも言えないしょぼんとした顔で三上を見つめた。


 「怒ってなんかないでしょ・・・それよりも、対クラーケンの戦い方は熟知してるよね?」


 三上はレイノルドそっちのけで話を進めた。


 「あぁ、八本目を出させるなだ」


 「そゆこと、そんな事させたらとんでもない事になっちゃうからね・・・4本行く前に殺すよ。概念効果対象変更・・・これより、我とその仲間に害あるもの全てに効果を付与する!さぁ行くよみんな!!」


 「分かったから」

 「あいさね!」


 グレイシアは氷の剣を持ち、フォックスは青い火の玉を纏った。


 「ふっ、4本目までに殺すか・・・6本目!!」


 クラークが一気に6本目のサイス・バスターを使おうと動いた。しかし


 「はぁ!!!」

 「うお!?」


 三上が刀を振ると巨大な触手は全て消し炭になった。隣でレイノルドがびっくりしてる。


 「なっ・・・」


 「0からやり直しだね・・・クラーク、時間稼ぎなんかさせない。僕たちの圧倒的な火力に捩じ伏せられろ」


 三上は刀をクラークへと向け直したい。


 「ひゅー・・・間近で見たがなんつー威力だよ。普通にやってりゃ今の一撃でこの町どころか周辺の山々も消し飛んだろ。流石はあのクソ神の力だなぁ」


 レイノルドは口笛を吹いて軽口を叩く。


 「使いづらい能力だよ全く。けど、そのお陰で全力出しても問題が無い。ただ、今のこいつを殺しきるのはちょっと難しいね。ベースがマキシマムビーストな上にミツキさんの能力も付加されてる。やっばあのチャンさんを倒さない限りは終わらないな」


 「厳密には、あの嬢ちゃんの中の悪魔を取り戻す、ってか?」


 レイノルドは少し真面目なトーンで語った。


 「あれ?もしかして協力してくれる?」


 「あったり前だろ。俺ぁそもそも人間が大っ嫌いなの。だから人間終わらせようとしてる永零に賛同してんだよ。中にはニヒルちゃんとか、お前みたいに良いやつもいるのはわかってる。あのチャンって子もそうだ、明るくて思いやりがある良い子だ。けど、そんな奴をあの人間共は食い散らかす。


 あいつら全員一回痛い目見ないと分かんねーんだろうな。っつー訳だ、桜蘭!!お前の彼女助けてやってくれや!!」


 レイノルドは桜蘭を呼んだ。


 「彼女じゃない、それに結局殺す存在だろ、何故助ける?」


 桜蘭は腕を組んで立っている。


 「言ったろ?俺はあの第三帝国みたいな連中が嫌いなの。それによ、こんなタイミングでお別れさせんのは寂しーでしょ。やるなら一緒に殺してやった方がまだ良いと俺は思うねー!」


 ちょっとへそ曲がり気味でレイノルドはぼやいた。


 「僕からもお願い出来るかな桜蘭君。いくらミツキさんの能力が異質でも、現状僕たちの考え得る全てを注ぎ込んでもチャンさんを救うのに最適な方法がない。唯一それが出来るのは君だけだ」


 三上の懇願に桜蘭は組んでいた腕を下ろした。


 「俺の目的はミツキがこの現実をどう受け止めるのか見届けるつもりだったんだけどな。世界は自分の思い通りに行く事ばかりじゃない。チャンを奴らから救えたとしても一度消された命は元には戻らないと・・・」

 

 「ミツキさんはその程度で諦めたりはしないよ、彼女ちょっと永零に似てるとこあるからね・・・貪欲に、自分が一番納得できるまで進み続ける。それが彼女だ」


 「あぁ。そうだな・・・もしかしたら、特異点でも到達点でもない位置の力を持つミツキなら・・・変えられるかもな。分かった三上、今回は協力しよう。ただ、次はお前たちの命を奪いに戻る。俺もただ俺の目的の為に進み続ける。それで構わないか?」


 「いいよそれで。停戦協定成立、ならまずは君の為の道も開こうか」


 「3本目!!」


 その時、3本目を発動したクラークが迫ってきていた。


 「またか」


 「一点集中の触手だ!!さっきの技程度貫いてくれる!!」


 今度の攻撃は三上は防がざるを得なかった。


 「へー、確かに硬い・・・ただ、4対1だよ?道はもう開いてる・・・桜蘭君、行ってきて」


 「っ!?」


 触手は4人で止めていた。桜蘭は二丁の銃を抜き、後ろへ向けて撃ち放つ。途轍もない速度で桜蘭はクラークの横をそのまま通り過ぎた。


 「行っちゃったね・・・さぁ、今の一点集中攻撃は面白かったよクラークさん、もっと遊べるよね?僕はつまらない戦いは嫌いだ。ふふ、あははは!!もっと楽しもうか!!今この瞬間を!!」


 三上は大笑いして戦いに赴いた。


 「レイの奴、相変わらずラスボスムーブしてんなー」


 レイノルドはぼやきながらも三上の後に続く。


 ・


 ・


 ・


 戦況その2、一兆たち。


 「そい!!」


 一兆がカードを投げると着地した瞬間に爆発した。


 「ふん!何処を狙ってるんだか!!」


 それを黒星はすばしっこく避ける。


 「あんたの逃げ足の速さ測ってんの、ってな訳だアレクシアちゃん。アイツの速度に追いつくにはどうするのが1番だと思うー?」


 少しあざとく上目遣いで一兆はアレクシアに尋ねた。


 「何故いきなり私がお前の味方みたいになってるです?」


 アレクシアは少々呆れ気味で答えた。


 「だってさ、敵の敵は味方だろ?俺はこいつをぶっ殺したい。あんたもこいつをぶっ殺したい。効率考えたら一々立場がどうこうとか考えるの面倒じゃん。で、終わったら敵対すりゃいい。AIならそう思うもんだろ?人間ってめんどーな奴だってよ」


 「やれやれ、君は逆にAIか?よくそんな風に敵味方を変えられるな。私のデータではほぼ全ての人間は敵に背を向ける行為を快く思わないと出ているのだがな。だが、君のその姿勢は気に入った。私はバカのレイノルドが逃したコイツをぶっ殺す役目がある。しかし少々すばしっこすぎてな。すまないが協力してくれ」


 「あいよ!あ!背中には気をつけとけよー!」

 

 「君こそな」


 「だつーわけだ!今度は交渉成立!!ルイ!神崎!!」


 「さっきまで戦った相手によくそんな態度出来るわね・・・けど分かったわよ!」


 ルイは天使の槍を構えた。


 「ほんとコイツといると疲れるな・・・零羅お嬢はやけに懐いてるが、疲れないのか?」


 「アイツといると俺が疲れる」


 「成る程やはりお似合いだな。行くぞ、鬼型・極限体」


 神崎は軽口を叩くと2メートルを超える鬼のような姿へと変身し、走り出した。


 「おい!だからなんでみんな俺とアイツをくっつけたがる!?犯罪者みてーじゃねーか!!」


 「あんたは犯罪者でしょうが」

 「万引き、違法賭博、殺人、かなりの前科があるな」


 そんな一兆にルイとアレクシアが同時にツッコミを入れた。


 「そーでしたー!!ってなわけでほい!!包囲かんりょー!」


 神崎とルイ、一兆、そしてアレクシアはそんなコントを繰り広げながらも黒星を取り囲んだ。


 「いい加減逃げるのやめたら?戦闘シーンぐだぐだと長引くの面倒なんだけどモブ風情が」


 ルイはイラつきを見せて手には破壊力抜群の『天使の槍』を握るが、一兆が抑えた。


 「あー、そいつはやめとけよルイ?こいつの役割は逃げて時間稼ぐ事、その為のマキシマムビーストだ。しかも詠唱効果付き、要するにチャンをなんとかしない限りこいつは復活し続ける。超火力で攻めるのも良いが、ここじゃ被害がデカくなりすぎる」


 「俺たちに出来ることは奴を捕え、封じる事だ」


 神崎は一兆の隣に並び、地面を軽く蹴る。


 「ふっ、確かにその通りだ。私の能力は回避、流れるようにあらゆる攻撃を受け流す、青龍の力をその身に宿している。その上私は不滅だ。純粋な戦闘力は低いが、お前たちの行動を抑制させる事が出来る」


 「おー、要らない能力だなそれ。けど結局はチャンをなんとすりゃ全部終わるんだろ?」


 一兆は相変わらず余裕の顔で煽った。


 「そうだ。しかし奴はただの死体、あの女の能力でも既に死んだ者を生き返られる事は出来んぞ?」


 「それはどうかしらね?見なさいよあれ」


 その時、ルイがランウェイを指差した。


 「私の元彼、ミツキちゃんに付くみたいよ?何か策が思いついたって事ね・・・じゃぁ安心。今度は私たちはあんたの時間稼ぎをすれば良い」


 ルイは『崩壊の槍』の方を待ち攻撃に移る。


 「坂上 桜蘭・・・何をするつもりか知らんがいくら奴でも死者蘇生は不可能だぞ?奴の能力は命を運び、流れを見届ける。殺す事は出来ても戻す事は出来ん」

 

 「それをなんとかするのが俺たちクオリティ」


 上から一兆のカードが黒星に降り注いだ。


 「そうだ、貴様には理解出来んだろうがな。見るが良い、あの女と桜蘭が指し示す答えを見届けろ」


 神崎の地面を踏み込むと地面から溶岩が吹き出す。黒星はそれすらもそつなく躱す。


 「ふん、無駄だと言ってるのが分からん奴だな」


 「出来るつってんのが分からん奴だなお前。っしゃ、全員で仕掛けるぜ?あ、それよかルイお前、しれっと桜蘭の野郎の昔の女アピールすんなよな〜」


 「だって事実だもん!!ファーストキッスまで行けなかったけど!!」


 「やれやれ、お前たちはもう少し静かに戦えないものですかね」


 この戦いはまだ続く。

  

 ・


 ・


 ・


 戦況その3 天正第二中学、生徒たち。


 「進めぇぇぇぇっ!!!敵を討ち取れぇぇぇぇっっ!!!!」


 東郷は片手に軍刀、腰には十四年式拳銃を携え、突撃ラッパを鳴らしながら悪魔たち相手に1番先陣を切って進んでいた。


 「アドレナリン出まくりだね、ららちゃん。京也!巧!私たちも続くよ!!」


 「了解だ軽音!」


 霧島は『魔刀七星』を構えて炎を纏う。


 「おう!けどこの銃!撃ち方分かんねぇ!!」


 新庄はアサルトライフルを構えてるが、引き金引いても弾が出なくて困ってた。


 「バカ巧!!セーフティ!!横の!そう!それ下せ!!」


 ダダダダダダッッ!!!


 新庄の銃から弾が撃たれた。


 「おお!撃てた!!」


 「だったら次は当てろ!!はい!軽音!京也君!!援護!!」


 体育館にいる悪魔たちは東郷 らら指示の元順調に討伐が進んだ。


 「わーお!やっぱりあの子凄いわぁ。うちのRODに欲しいくらいだよ。うちんとこ、特に濃いやつ多いからああいう指揮系統任せられるのが少ないのよね」


 一方シャルロットは呑気に喋る。けど、手元からは次々と彼女の武器『ダートボム』が放たれ、次々に爆発を起こす。


 「ららちゃん、よくサバゲー一緒にやるけど、結構負かされちゃうの」


 シャルロットの隣でドラムを叩いていたシャンデラはバカでかいカノン砲を持ち出し、何体もの悪魔を一撃で貫通した。


 「ブレインって所ですわね、中々見どころのある方じゃない。あのキャロライン様をも使い、それぞれ的確な相手の元へ誘導する・・・自身も先導に立ち、あらゆる者を導く。あの子、宰相の能力よりももしかしたら、拷問官向きかもしれませんわ。わたくしたちも見習わなくてはなりませんわね。さ、彼女に負けてられませんわ。わたくしたちは無駄に多いくそ悪魔をより多く倒さなくてはなりませんことよ」


 ベースを弾いていたアリアはロケットランチャーを構えて発射する。





 その一方、体育館の外では大勢の一般客が逃げ惑っていた。


 「な、なんなんだアレは!!!」

 「助けてー!!」


 「増子味さん!!早く逃げましょう!」

 「けど!!」


 「はいはーい!だいじょーぶよー!静かに、ゆっくりと外に避難」


 だが、その一般人たちをカラスちゃんは宥め、避難を誘導していた。パニックは落ち着き、一般人たちは順調に避難を進める。


 「おー、さっすがだっぺなぁ。それあんたの能力か?バカラスよー」


 その時、飄々として訛った声がやって来た。


 「あ、バカギツネ。しばらく見ないうちに特に何も変わってなさそーだね。相変わらず妹相手にち◯こおっ勃ててんのー?」


 狐の面を付けた男。飯綱の兄稲荷だ。そして今はユルグと名乗っている青年だ。カラスちゃんはユルグをからかった。


 「人聞きの悪いこというでねーっぺよ!んにしても、民衆がこんなにも落ち着いてらぁ。コイツがあんたの言霊の力なんかぁ?」


 ユルグは話題をすり替えた。


 けーっ、話変えてよー。ぽてっとお腹と貧乳ロリの良さが分からん奴め。それより、あんたそれ知ってるって事はやっぱ禁書読んだんだね」


 「あぁ、読んだ。だから飯綱相手におっ勃たてなきゃならなくなってんの、因みにおらはおっぱい星人まっしぐら。貧乳派じゃねーっぺよ」


 「しれっと禁書読むなんて神様の禁忌犯してるついでに性癖暴露してんじゃないよバーカ」


 「仕方ねぇっぺ。おらたまたま見ちまったんだもんだからなぁ」


 「やーれやれだわ。禁書、それは未来の書・・・この世界の結末が書かれた終わりの本・・・世界は幾度となく滅んでは再生されてきた。そして世界が滅ぶ度、その滅んだ世界の記録をする目撃者が現れ、新たな世界へと移る。あたしは先代の目撃者、そして・・・この世界の終わりまでを記録する記録者。あんたはそれ知っちゃった訳だ」


 「あぁそうだ。あの結末は、おらは認めたくねぇ・・・カラス、なんであんな結末を書いた?」


 ユルグは飄々とした態度をやめ、じっとカラスちゃんを睨んだ。


 「うーん、アレはあたしが書いた訳じゃないよ?神の奴〜。そもそもこの世界は神が消えた人間が蔓延る、奪い奪われる世界。つまり神の思いつきで作られた実験の世界なワケ。だから元からこの世界に永遠を与えないようにあの結末を書いてあるの、禁書が存在する理由がそこ」


 「なーるほど、そりゃルシフェルが怒り心頭な訳だ」


 「そゆこと。さてと、あたしは教えたげたよ?次はあたしがあんたに聞かないと・・・なんで三日月君助けたの?」


 カラスちゃんもこれまでにない程真剣な眼差しでユルグを見つめた。


 「それこそあんたが一番わかってんだろ?逆に聞き返す。なんで、ミツキを目撃者に選んだ?禁書には三日月が目撃者になると書かれていた筈だ。けど、この世界で目撃者に選ばれたのは姉のミツキ・・・おらは、そん時ちょっと魔がさしてな。三日月が目撃者にならないのならあの洞窟風呂で殺される。それを阻止してみることにした。

 

 世界の運命はそれを良しとしないだろ。んで、元に戻そうと動いてくるだろうな。その結果、第三帝国が蔓延りだしててんやわんやだ。なぁカラス、あんたも抗ってんだろ?この世界の運命によ。おらもだ、おらはただ死にたくない。どれだけ穢れようとも、どの道世界が終わるなら、おらの意志を次の世界へどんな手を使ってでも残したかった。けど、ミツキの存在はそれを変えつつある・・・もしかしたら、あいつなら三上の言う自分でも永零でもない、本当の平和への答えってのを、ミツキは出せるのかもしれない・・・ってな。おらはその存在するかわからねぇ希望に賭けてみたくなったわけよ」


 「ふふふ。それ、かなりキツいよ?けど、あたし自身も決めた事、記録者の理に反してでもあたしはあの子たちの成し遂げる未来が見たい・・・その結果、あたしが消えることになったとしてもね」


 「ははは!あんたとはケンカばっかしてたけど初めて意気が合ったな!おらも同じだ!何がなんでも神の奴の思い通りの結末にはさせたくねぇ!例えおら自身が滅びる事になってもな・・・てか、元からおらはもう穢れ過ぎてる、色んなもん傷つけた。そろそろ、飯綱とも決着つけねーとなー。やっぱりあいつには、あのまんま元気でいて欲しいからよ、先の未来でもずっと・・・」


 ユルグは頭をパリパリも掻いた。


 「ひゅー!かっこいいお兄ちゃんだね〜。だったら守らないとね、神の理に反しても・・・」


 「あぁ、俺は今、人間の為に力を行使する。全ては俺の妹の為に!!」


 ユルグは青い炎の剣を取り出し、外にまで現れ始めた悪魔と対峙した。


 



 「これまで幾度となく滅んだ人類たち・・・文明が発達すると人間はいつも力に溺れて自滅する。今回も例に漏れずそんな感じになる筈だった・・・けど、今回はちょっと違う。これまでなかった別世界との遭遇、三上 礼と指宿 永零が導いたこの2つの世界・・・これが原因なのかなぁ、巡り合う事のなかった世界の因果ってね。


 (ヤー君)よ、見てんでしょ?ここまで人類が1人の人間によって1つになったことある?少なくともあたしは見た事無い。それぞれがそれぞれの思いを抱えてつつ、想い合える・・・まさかあんた、これが見たかったんじゃないでしょうね?人間にしか導き出せない答え・・・神の答えすら跳ね除けてみんなが笑い合える世界・・・か」


 カラスちゃんは横目で体育館の中でネーちゃんと対峙してるミツキを眺めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ