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十本足対十部隊+親衛隊



 「ふぅ」


 ぽかーん・・・


 三上君のとこの軍のトップの実力、こんなのあり?どチートにも程があるでしょ・・・空気吸い込んだ時点でアウト、クラークは文字通りこの大勢のいる中、誰の目にも触れる事なく爆殺された。


 「かぁっこ良い・・・」


 「ん?お褒めの言葉どーもー!」


 私は思わず見惚れて呟いていた。あんなスマートに戦えたらかっこいいよなぁ。その後シャルロットはあのキャピキャピアイドルスタイルを取り戻した。そのギャップもまたかっこいい。


 「さて、霧矢君探そっか!場所の特定は完了、那智の滝ってとこ、霧矢君はそこに連れ去られてるっぽいね」


 「那智の滝?待てよ、また船に乗って向こうまで戻るのか?時間がかかりすぎるぜ?」


 「そこは心配ないよ。このホテル、メインは船での送迎だけど裏口は陸続きになってて向こう側に繋がってるの。そこを使って行こ!」


 「あぁ!待ってろ霧矢!!」


 私たちは裏口に向かおうとした、その時だ。


 「っ!?」




 ドッガァァァァァンッ!!!!



 

 シャルロットが振り向きざまに何かを投げた。それは空中で大爆発を起こし、突然の出来事に周りは一瞬固まった。


 「言った筈だ、彼を追う許可はしないと・・・」


 「クラーク!!」


 なんで!?奴は!!

 

 「今のは少し予測外だった・・・保険をかけて正解だったな」


 「おかしいなぁ、確実に殺した筈だけど・・・」


 「あぁ、アレは殺された。だが死んだのは俺のほんのかけらだ。お前たちは俺の本当の力を知らない、クラーケンはただ巨大な触手のビーストではない。俺の十本の触手には一本一本に異なる能力が備わっている。今の能力は四本目、ケイト・リコール。触手に己の影を写す、俺の分身を作る能力だ。知らなかっただろ?人魚どもにも見せなかった能力だ・・・」


 分身・・・この状況はマズイ、あんな爆発が起きたんだ。周囲は一瞬のうちにパニックへ陥った。


 「世界よ、自らの置かれている立場を知れ。立場を理解し死んでゆけ」


 「・・・はぁ、せっかく休みだったのになぁ・・・『平和を願いし復讐者、我らは死に、舞い戻る。そしてその全ては平和の為に。その心、炎のごとく燃やさんROD、見参』」


 バァンッッッ!!!


 「なに!?」


 突然目の前にビシッと軍服とマントを羽織ったあのRODのメンバーが現れた。


 「言ったでしょ?私たち全員とやる気か?ってさ、言っておくけど、私たちもあなたが知るRODとはレベルが違うのよ?今の私たちは、私たちリーダーだけで、この世界ともケンカ出来るから、そこんとこヨロシク。さてと、避難最優先にしよっか。三日月君、時止めて!!その間に避難を完了させる!!」


 「分かった!!時よ止まれ!!」


 瞬きした瞬間、あのパニックに陥った宿泊客たちは忽然と姿を消した。


 「避難完了ー、これで心置きなく戦えるね」


 「感知不可能・・・ここではない何処かへ隔離したか。だが問題はない。お前たちを始末した後は世界へと侵攻をする。どの道全員殺すだけだ一人残らずな・・・」


 「やれるもんなら、やってみなよ!」


 私たちとクラークの戦いが始まった。


 「一本目、ファースト・コマンドー」


 クラークの腕がみるみる巨大な触手に変わった。触手を高々と空へと掲げ、こちらへと振り下ろす。


 「レールガン・レベル四」


 けど、その触手に大穴が開けられた。触手はバダンッと力なく倒れる。


 やったのはライフルを構えた頭をおちょんぼしてる男の子だ。いや、私より年上だな・・・確かランディって子だ。

 

 「ライフルでの早撃ちか・・・」


 「感心してるとこ悪いけど、追撃はもう始まったよ」


 「っ!!」


 すぐさま3人飛び出した。


 「貫通水鉄砲、完全包囲式」


 水色の髪のニャンタが更に触手に小さな穴を水圧で開け、


 「龍神炎舞!」


 そこに赤い髪のワンコの炎を纏った拳が叩き込まれ粉々に焼き尽くされる。触手は完全に消えた。


 「早いな・・・二本目、デュース・イレイザー」


 けどいつのまにか触手が更に増えた。


 「んっ・・・」


 「触手が使えるのがお前だけだと思ったか?」


 な、なんじゃこりゃ・・・このドーム型の天井がいつのまにか無数の植物のツタで覆われ、そこから伸びたツルがクラークの触手を巻き取っていた。やったのはおそらくあの茶色の髪のガタイの良い男、ポンサンだ。


 「我の能力は大地、土の魔法だが我はそこから更に魔法を昇華させた。超高速の植物育成とコントロールだ。そのツルは動けんだろ?ナターシャ、止めだ」


 「承知、吾輩の技術の結晶・・・その身にとくと刻み込むがいい!!」


 ほ、ほぎゃっ!?なんじゃあのごっついガトリングガン!!映画でよく見るやつよりももう2回りでかい!!しかもそれを普通に持ってるよあの身長がデカい人!名前はナターシャ!!

  

 「魔法駆動式超大型バルカン砲!!」




 ドゴォォォォォッッッ!!!!!




 そしてそのガトリングから火が吹いた。


 「・・・イレイザーキャノン・・・」


 「っ!!ナターシャ!!」

 「ぬぅっ!!」


 ナターシャの攻撃が当たる直前、クラークの触手の先端が光始め、そこから巨大なレーザーが放たれた。そのレーザーは更に一気にツルを焼き尽くした。


 「これが二本目デュース・イレイザーの能力、一本目はただの触手による攻撃、二本目のコイツはそこに高圧縮エネルギーを放つ能力を待つ。では次・・・三本目、トライ・ポッド」


 ゴゴゴゴ・・・


 地面が、揺れる。そして地面から一気に無数の触手が現れた。


 「コイツの能力は索敵、偵察がメイン。しかし、対人戦闘も得意だ。特に永零様から仰せつかっている民間人の確実な殺害にはコイツは欠かせない。では行くぞ、次は俺の番だ」


 数が・・・多い!!私はなんとか降りかかる触手の雨をかわす。


 「ミツキちゃんたち!こっち!!リーちゃん!お願い!!」


 「う、うんっ!!!!」


 バギンッ!!


 「っ!ふ、それで防いだつもりか!?そこでは逃げる事は出来ないだろう!!破られるのは時間の問題だ!!」


 私たちはシャルロットの後ろに隠れてその目の前に巨大な氷の壁が生まれた。グレイシア先生ばりの氷の壁だ・・・この触手の時間稼ぎになる。


 「リコちゃん、レオナルド。裏口までのルートを作りたいの。出来る?」


 「お安いご用〜、あとシャル。ちゃん付けやめて」


 「良いじゃねぇか、生意気なガキはちゃん付けが適当だぜ?それよりもシャルちゃん。裏口の確保だな、了解した。誰を行かせる?」


 「京也君とミツキちゃん」


 「え?私!?しかもこいつと!?むしろ三日月の方が良いんじゃ!?私ならあの詠唱使えるし!!」


 相性悪いでしょ、三日月なら友達同士だし、霧島とは道場で師弟関係なんだから・・・


 「クラーケン相手にはちょっと時止め能力は欲しくてね。それと、詠唱はアイツに見せたらだめ・・・」


 「え、なんで?」


 「私の考えるに君の詠唱はちょっと異質なの。さっき、響煌さんが因果律の賜物って言ってたけど、私はそうは思わない」


 バギッ!!!


 「し、シャルロット!!そろそろ壊れる!!」


 氷の壁にヒビが入る。


 「あの詠唱はあなた自身の能力。しかも、特異点でも到達点でも辿り着けない本当に特殊な力・・・私たちの世界でも言葉による魔法の力の増幅は研究はしてた。けど、あくまで魔法ってのはイメージの増幅で細かく発動するのであって、あんな風に言葉を使って自然をまるで生き物みたいに操るものじゃないの。


 私の爆弾も自身がイメージして微粒子の爆弾を作ったし、それにみかみんのアマテラスの力の変身もそう。アレの概念効果の因果律効果の指定も自分自身に言い聞かせてイメージを増幅させてあの姿と能力に至る。それが私たちの知る魔法の概念。それは永零の中でも共通の認識になってる筈。だからアレはクラークに見せずにここぞって時の奥の手にしておきたい。


 生憎、響煌さんは勘違いしてるみたいだからね、お兄ちゃんの実力とあなたのその力はそこで使って。良い?」


 はぇ〜・・・三上君と引けを取らないほど先読みしてる・・・


 「わかった!!」


 「っしゃ、アイツが突き破る瞬間に仕掛けるぜ。いくぞリコちゃん」


 「だから、ちゃん付けすんじゃ・・・ねぇ!!」


 

 バリィィィンッ!!!



 あの氷の壁が破られた、無数の触手が一気に迫る。


 「んじゃ、俺から・・・フレックスアーム起動」


 なんじゃありゃ!?レオナルドの腕から、無数の砲身が現れた。そして、なんか某ス◯ウターみたいな装置を右眼部分に装着している。


 「ロックオン・・・マシンバズーカ砲、その枝分かれした触手の脆いとこをコイツで測定し終えた。後は、そこに向かって全弾ぶちこむだけだぜ!!見な!!んで俺様に惚れちまいな!!オーバーヒートまで撃ち込み続ける!!」


 ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドッッッ!!!


 あ、あんな大口径のバズーカを何発撃ち込む気だ!?あのガトリング女も大概だけど、この男もまともじゃない!!触手が撃ち抜かれて再生も間に合ってない!!


 「なんだ!この火力は!?」


 「このまま押し通ってやろうか!?クラーク、一気に十本目出さなかった事を後悔しな!!そうやって俺たちでは敵わないとたかを括ったのがあんたの敗因だぜ!!三本目!!ぶち切ったぞ!!そら行けエンリコ!」

  

 「っ!?いつのまに!?」


 気がつくと大鎌を構えたエンリコ君がクラークの後ろに立っていた。


 「俺は死神の子、死はいついかなる時も突然やってくる・・・さいなら」


 一瞬のうちに首が飛んだ。


 「・・・ちっ」


 エンリコ君が一気に距離を離した。


 「またか?」

 「あぁ、また分身だ・・・けど、仕掛け終わった」


 また別のところからクラークが現れた。


 「中々やるようだが、この程度で俺はやられはしない」


 「あぁ知ってる。そもそもお前は首飛んで死なないだろ?けど、そろそろ動けなくなる筈だ」


 「っ!?これは・・・」


 「前の戦争で大活躍しただろ?零祖細胞の動きを止める装置だ。今、お前の分身に入れた。お前相手では時間稼ぎにしかならないだろうけど時間は稼げる。ほらレオナルド、後はあんただ」


 「りょーかーい。ルート選定完了。最速かつ最善ルートで行くぜ」


 レオナルドはあのメガネ的な奴で何かを弄ると私と霧島を掴んだ。そしてクラークの動きが鈍くなった瞬間、一気に私たちを引っ張って駆け抜け、気がつけば私たちは裏口付近に来ていた。


 「な、なんだ今のはよ・・・」


 「どーでも良いだろ。それよか、ここにバイク用意しておいた。ミツキちゃん、あんたなら運転できるだろ?」


 目の前に大きなバイクが置かれている。


 「わ、私!?」


 確かに、なんとなくだけど三上君とメグの運転見てたからやり方は分かるけど・・・


 「待て待て!俺らはそもそも中学生だぜ!?仮に出来ても犯罪だろうが!!」


 霧島も私が運転すると聞いてかガチで冷や汗流してる。それはそれで失礼な・・・


 「事態は一刻も争うんだ。それに問題はねぇよ。ちょうどあのホテルに休暇中の女子アナがいたもんだからな。この子にちょっと協力してもらうだけだ。なぁ・・・中学生のバイク運転は、多少問題はないだろ?」


 レオナルドはねっとりとした手つきで女の人の肩に手を回した。


 「ひーっ!!助けてー!!」


 あれ、あの人確か地元のニュースで見た事ある人だ。あの病院でも巻き込まれてた。


 「大丈夫・・・俺様を信じてくれよ子猫ちゃん」


 「は、はいー!なんとかしますー!!だからお助けー!!」


 どっちが犯罪者か分からなくなってきた・・・


 「あっ!すみません!あの、ガイアの一大事だって偉い人に伝えれば大丈夫だと思います!!」


 私はこの間の林間学校での出来事を思い出した。その時に三上君がその名前を伝えたらどう言うわけかなんとかなったんだ。


 「が、ガイア?それでなんとかなるの?」


 「た、多分!ふざけて見えるかもしれませんけど、今!私たち世界存亡の危機に瀕してる状態ですので!!信じて下さい!!」


 「ん〜・・・この間の赤い空とか変な怪物とか、何か色々起こるのに調べようとしても上司から止められるし、も〜なんなのよ・・・けど、私もメディアの端くれ!今は信じて協力するけど、今度取材させなさい!いいわね!?」


 「り、了解!!」

 「質問するならコイツだけにしてくれよ?」


 しれっと逃げるなぁ!!霧島ぁ!!


 「っしゃ、そうと決まれば行動開始だ。さてお嬢さん、俺様の抱き方について聞きたい事はあるかい?手取り足取り、しっとりと教えてあげるぜ?」


 「ひーっ!!変態!!」


 とりあえずスルーしよう。私たちは裏口へ・・・キーはこれで、こうして、鍵を回すと・・・


 ドゥルルンッッッ・・・・


 わっ、何このバイク・・・エンジン始動したと思ったら電気自動車もびっくりなくらい音が静かになった。


 「なんだこりゃ。ミツキ、ちゃんとエンジンかけたか?」


 「かかってるよ多分。霧島君そこの取手掴んでてねあとヘルメット」


 「あぁ、ここか・・・ふぅ」


 「なに?」


 何を突然ため息吐いてんだ?


 「いや、お前に抱きつく体勢になるかと思ったから・・・」


 ・・・・・・・・・イラッ


 「ふんっ!!」


 私はクラッチを握ってギアを一速に入れてアクセルをひねる。


 「うおぁっ!?」


 バイクは一気に発進した。うわぁ早〜・・・まぁ慎重かつ大胆に行こう。


 「ちょっ!!早ぇわ!!」


 「こちとら300キロ超えのバイクに乗せられた事もあるんだ。せいぜい60キロで騒がないでよ、女々しいなぁ・・・」


 「ぁあ゛っ!?んだとっ!!う、うおっと!!」


 やべ、あの霧島を自由に出来るって思うとくっそ楽しい・・・だって、あのクールで、捻くれて、口のわるーい野郎が、必死になって捕まってる・・・くけけけ!


 私はこんな時に性格悪いなと感じた。

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