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あしたの風はきっといい風  作者: 深瀬静流
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第七話

 ジーンズに冬物のハーフジャケットを着込み、大きな旅行バッグと土産が入った紙袋をたくさんぶら下げて旧道を歩いていたら、町役場のロゴの入ったライトバンが横を走り抜けていった。運転していたのは、ワイシャツにネクタイをして役所のネームが入った事務服を着た勇だった。

「あいつめ、知らんふりしたな」

 米子は走り出して勇の名前を連呼した。バックミラーを覗いた勇が舌打ちしてスピードを落とした。

「なんだよ、ヨネ子」

 止めた車のウインドから顔だけ出して、勇がうんざりしたように振り向いた。

「無視とはいい度胸じゃないか。乗せてけ」

「仕事中だから、歩け」

「ケチくさいことを言うんじゃないよ。あんたが役所で町民の苦情陳情を聞いてる間に、あんたのデブの女房を泣かせてほしくなかったら、ちょっとは親切にしなさいよ」

 後部のドアを開けて荷物を置き、助手席に乗り込んだら、勇はあきらめて車をスタートさせた。

 目を遠くにやれば、山の斜面のみかん畑に、こがね色に色づいたみかんが鈴なりになっている。低い山は紅葉も終わりに近づき、千五百メートル級の山の頂あたりはすでに冬姿で、落葉した樹木は寒々としていた。

「あの手塚って男、あれ、おまえの彼氏か」

 前を向いたまま、勇がきいてきた。

「元カレ」

「いい男じゃないか。喧嘩の中に飛び込んでくるんだから」

「自分でも調子が狂うって言ってた。そういう人じゃないんだ。育ちのいい、お坊っちゃんだから」

「そんなお坊っちゃんが、ヨネ子みたいなのに惚れるかねえ。性格が違いすぎなんじゃないか?」

「そうなんだよ。だから、さっさとわたしを振って、わたしより若くてきれいで教養のあるお嬢様と結婚しちゃった」

 勇は前方を向いたまま困ったように目を眇めた。米子が素直な時は、だいぶ弱っているときだということぐらい、子供の頃からのつきあいでわかっていた。勇は気分を変えるようにいった。

「あけのがさ、乾物屋の店をたたむっていうんだよ。じいさんはいい顔しないんだけどね」

「店、だめなんだ」

「ああ。いよいよ限界だよ」

「そうか」

「店たたんで、働きに行くっていうんだ」

「大企業が進出してきて大きい工場がいっぱいできてるもんね」

「おかげで、町の財政は助かるんだけどな」

 たしかに町の公共施設は立派になって、サービスも向上していた。住宅団地は今も建設が続いていているし商業施設も増加している。コンビニも増えたし、スナックや飲み屋も増えた。

「こんな田舎でも、変わるんだね」

 ぽつんと呟いた米子に、勇もため息をこぼした。米子を家の前に送ってから、勇は役場に戻って行った。

 店先に荷物だけおいて、手みやげを持って隣のあけのの店に顔をだしたら、徳三が店番をしていた。

「おや、徳じい。ここでなにをしてるの」

「見たらわかるだろう。店番だよ」

「だから、なんで徳じいが店番してるのよ」

「あけのは小学校の授業参観に行ったし、福子は病院だからだよ」

 乾物だらけに囲まれた店の奥のレジスターの前で、椅子に腰をかけてほうじ茶をすすっていた徳三に、持っていた手みやげを渡した。

「はい。年寄りの入れ歯にも優しいお菓子だよ」

「あけののところに持ってきたんだろ?」

「いいのいいの。どうせ同じものだから、あけののところには、また持ってくるわよ。で、福子おばちゃんはどこが悪いの」

「悪いのは光男だ。胃を半分とっちまって、入院してるんだ。それで福子が毎日病院に行ってるんだ」

「へええ。で、あけののおじちゃん、大丈夫なの」

「大丈夫だろ、死んじゃいねえから」

「それもそうだね」

「腹がへったよ。なにか食わせてくれ」

「ここに持ってくる? それとも食べにくる?」

「そっちに行くよ。どうせ店を開けていたって客なんかこねえんだ」

 店の戸の鍵だけかけて、二人はおでん屋に戻ってきた。翔の姿がなかったので、かってに冷蔵庫から食材をだして鍋やきうどんをつくった。店のテーブルで徳三と向き合ってうどんをすすった。

「ヨネ子のつくるものは、シゲちゃんと同じ味がするよ。おまえの性格は残念賞だが、料理の腕は優秀賞だな」

 鼻水を手でしごいて徳三が言った。

「わたしの性格なんてどうでもいいよ。しばらく休暇をとったから、こっちにいるよ」

「性格はだいじだろうが。そのせいでおまえはいまだに嫁にいけないんだろうが」

「久美姉ちゃんは同居しようって、言ってこないのかさ。親子二人だけなんだからさ」

「いやな話になると、すぐに話題を変えるよな。久美のところに世話になる気はねえよ。娘は嫁にやったんだ」

「そんなこと言ったって、この前みたいに病気になったらどうするのよ」

「あけのが見てくれるよ。これまでもそうだったんだ」

「あけのには親がいるじゃない。徳じいまで面倒見きれないよ」

「だったらヨネ子がみてくれよ」

「いやだね。こんな偏屈じじい」

「うふ」

 おかしそうに徳三が笑った。階段を下りてくる足音がした。米子のアパートに訪れたことのある野球部の高校生三人が調理場のほうから店のほうに回ってきた。勇が所属するヤングファイターズの宴会にも顔を出していた三人だ。専門学校や大学受験案内の分厚い本を持っている。米子と徳三に気がついて挨拶してきた。

「来てたんだ。翔は二階にいるの?」

 米子が訊ねると、三人は一斉にしゃべりだした。

「いますよ。今まで話を聞いていたんです」

「進学の相談にのってもらっていたんですよ。オレ、東京の大学を受験したいんです」

「専門学校と大学と、どっちが就職に有利かと思って、パンフレットを見てもらっていたんです」

 三人が矢継ぎ早にいってくる。

「そんな話を翔にしたって、わかんないでしょ」

 米子がバカにしたようにいうと、高校生たちが、わかってないな、というようにうっすら笑った。

「翔さんは現役の大学院生ですよ。それも国立大です。知らないんですか?」

「ああ、そういえば院生だっていってたなあ」

 そういって米子はちょっと首をひねった。

「でもさあ、なんで現役のご立派な国大院生様が、こんな田舎のみすぼらしいおでん屋で勇のお下がりのつるてんのジャージ着て、おでんをこさえているんだろうね。現役の学生なら学校に行ってるでしょうが。夏休みはとっくに終わってるし、冬休みはこれからだよ」

 いつも、オレがしゃべるといって仲間の前に出る圭太が今度も前に出た。

「そうだけど、よく知らないけど、なにか事情があるみたいですよ」

「聞くと黙っちゃうんです」

 今度は篤志が前に出た。守も言いたそうに前に出たが圭太が「帰るぞ」と言って店を出て行ったので守も仕方なしにあとを追った。守はいつも三番手でしゃべる機会がない。かわいそうにと米子は徳三に顔を戻した。

「徳じい。翔の事情ってなによ。きいてるんでしょ?」

「知らねえよ。よけいなことは話したがらないんだ」

「気になるなあ。変じゃない。なんで学生が大学にいかないでこんなところにいるのよ。リュックを背負ってふらりと立ち寄って、居ついちゃったっていうけど、学生なんて嘘なんじゃないの。悪いことをして刑務所に入ってて、出所したはいいけれど働き口がなくて、流れ流れてこんな田舎のしけたおでん屋に居着いちゃったりとかさ。アハハ」

「前科ものにはみえねえよ」

「あの足だって、ケンカかなにかでやったのかもよ」

「そんな乱暴なやつじゃねえよ。よく働くし、真面目で思いやりがあるんだ」

「風邪をひいて熱を出したときなんか、お粥をこさえてもらったもんね。年寄りは、ちょっと優しくされると、ころっとだまされるからね」

 そんなことを二人でこそこそ話していたら翔が来たので二人は黙った。

「来てたんですか。で、今回はどのくらいいるんですか」

「うん。しばらくいる。あんたに言われたこと、全部すませるつもり。あんたに払うお金のこととか、あんたに払わなきゃならないお金のこととか、あんたに返さなきゃならないお金のこととか」

「わかりましたから、繰り返さないでください」

 徳三が吹き出しそうになった。

「お前たちはケンカばかりだが、もしかしたら気が合うのか?」

「まさか!」

「とんでもない!」

 二人同時に言い返した。鍋焼きうどんを食べ終わった徳三が、よっこらしょ、と立ち上がって隣の店番に戻っていった。翔も裏にとめてあった軽トラックに乗ってでかけてしまった。

 それからしばらく米子は忙しく過ごした。

 凍結されたシゲの口座を解約するには米子の戸籍謄本と米子本人の印鑑証明が必要だった。身分証明書と実印を用意して、やっと口座を解約することができた。わからないことばかりで、何度も役所を往復するはめになり、土地と家屋の名義変更もすませたころには、あまりの面倒さに嫌気がさしていた。

 翔が立て替えていた金と給料を清算し、ついでに帳簿にも目を通してみると、意外なことに店は黒字になっていた。贅沢はできないが、人並みの暮らしぐらいはできていたらしい。いつもポリエステルのブラウスに、雑貨屋で買ってくるモンペをはいて、真っ白なかっぽうぎに豆絞りの手ぬぐいをかぶって働いていたシゲの暮らしが、思っていたほど苦しいものではなかったことに、米子は胸を撫で下ろした。

 シゲの身の回りの後始末は、さすがに辛かった。下着にしても、衣類にしても、みんな捨ててしまうものばかりなのだが、シゲが丁寧につかっていたことがうかがえて、ものを大切にする年寄りの清貧に涙が滲んだ。使わなくなった道具や家具などを処分すると、家の中には寂しさだけが残った。その中で、改装した厨房がステンレスの輝きとともに光を放っていた。古びたおでん屋にこれだけの設備が必要なのかと首をひねりたくなるほどの金のかけようだった。シゲはどういうつもりでこんなに立派な厨房にしたのだろう。おでん屋をやめて店のつくりを都会風なレストランに改装したとしても十分に対応できる本格的な厨房だった。シゲは将来、そういうことも考慮していたのだろうか。シゲ自身のためではなく米子のために。でも、ここで食堂やラーメン屋をはじめたとしても、新道の繁華街から忘れられたような旧道の商店街では商売にならないだろう。せめてもの祖母の形見にと思って桐の箪笥は残すことにした。木目が浮き上がった古いものだが、職人にたのんで鉋をかけてもらえばきれいになるだろう。大切に使っていこうと思った。それと、もう一つ、米子が守っていかなくてはならない仏壇があった。祖父母と両親の位牌が並んだ小さな仏壇だが、米子にはずしりとした重みがあった。

 階段に足音がして、あけのが上がってきた。がらんとしてしまった部屋を見回して小さくため息をつく。

「この部屋、こんなに広かったんだね」

 あけのが窓に近づいて腰高窓を開けた。きりりとした冷たい風が吹き込んでくる。二階から見下ろす商店街の景色は、空き店舗が混在しているものの昔ながらの理髪店や洋品店、魚屋に八百屋に肉屋などが、郵便局を中心に頑張っていた。

「ほら、あそこの和田医者」

 と、あけのが郵便局の裏側にある和田医院を指差した。建った当時は近代的だったコンクリート造りの居住型医院は、今ではかえって古さが目立った。

「和田のヤブがどうしたのよ。あのじいさんもそうとう歳でしょ。まだ生きているの?」

「失礼ね。シゲばあちゃんをみてくれたのは和田先生なんだよ。三年前に和田先生の息子が戻ってきて病院を継いだんだけど、シゲばあちゃんは和田先生が見てくれていたの。長い付き合いだったからね」

「ふうん」

 気のない返事をして米子はあけのの目の前で窓を閉めた。あけのは風の冷たさなど気にならないようだったが、米子には寒かった。

「ヨネ子。翔君のことなんだけどさ」

 あけのが正面から米子をみつめてきた。

「なによ。真面目な顔をして」

「退職金をわたして辞めてもらったら? 今のままじゃ中途半端でしょ。あのこは学生なんだから、大学に戻るべきよ。親だってきっと心配していると思うよ」

「退職金なんか要らないでしょ。正社員じゃないんだから。だいいち、わたしはこの店をたたむっていってるのに、あいつが勝手に居ついているんじゃない」

「それじゃあ、さっさと店を閉めなさい。開けているから客が来るし営業も入ってくるのよ」

「うるさいなあ、なにもかもわたし一人でやらなきゃならないんだから、そういっぺんにはできないわよ。やっと家の中が片付いたところなんだから」

 しだいにいらいらしてきて大きな声をだしそうになった。いわれなくてもわかっているのだ。いわれなくてもそうしようと思っている。翔には世話になった。自分がやるべきことを翔が全部やってくれた。現に今だって、誰にも言わないでいるが、米子の奥深いところで支えてくれているのは翔だった。シゲは亡くなってしまったが、ここにはまだ翔がいる。翔からおでんの臭いがしてくるとほっとして落ち着く。でも、もう翔を本来の世界にかえさなくては。あのこのいるところはここではない。ここにあのこの将来はない。

 階下に降りて米子はピカピカに磨き上げられた厨房を見回した。ばあちゃん、翔はいいこだよ。ばあちゃんの目に狂いはなかったね。でもね、この厨房は、やっぱりお金をかけすぎだよ、と米子はため息をついた。

 そろそろ学校が終わるころだった。腹を空かせた子供たちが何か食べにくる頃だ。米子は暖簾を出しに店の玄関に向かった。子供たちは暖簾が出ていようが出ていまいが勝手に店に入ってくるが暖簾は大事だ。色褪せた藍染に白抜きの「おでん たなか」という文字が浮き出ている年代物の暖簾を店先にかけていると、いつもの野球部の高校生三人組が早々とやってきた。圭太も篤志も守も制服のままで慌てていた。

「どうしたのよ。息をきらせて」

「大変なんです。翔さん、いますか」

「いないよ。今、出てる」

「いないなら仕方がない。帰るぞ」

「待ちな。どうしたのよ。言ってみな」

 リーダー格の、「おれがしゃべる」と言って前に出たがる圭太が前に出た。

「登が移民のやつらに殴られたんです」

 次に篤志が前に出た。

「あいつら卑怯なんだ。登を待ち伏せして、集団でやりやがったんだ。仕返ししてやる!」

 三番目の守が前に出てしゃべろうとしたら圭太が手で制した。

「オレがしゃべる! おまえらは黙ってろ!」

 米子は脱力した。これがこの三人の気の合い方なのだろう。

「おちつきなさい。で、登っていう子の怪我の具合はどうなの」

 米子が気を取り直して圭太に質問した。

「左足首捻挫。顔面打撲。腹打撲。腕打撲。太もも打撲。ケツ青あざ」

 しゃべる担当の圭太がいった。

「怪我はひどいの?」

「たいしたことはないっすけど、シップべたべたです」

 米子は髪をかきまわしながら三人を順番に見渡した。

「わたしのアパートに来た時も移民とか言ってたわよね。その子たちと揉めたんだ。で、相手は誰だかわかっているの?」

「はい。石田ってやつです」

「そうっす。移民仲間を引き連れてきたけど、石田が一人で登をボコったって」

 篤志が口をはさんだ。一度もしゃべっていない守が自分もしゃべりたそうに口をもぞもぞさせた。

「じゃあ、タイマンじゃないの」

 米子がいうと、「あ、そうなるのかな」と、圭太がつぶやき篤志と守と三人で丸くなってしゃべりだした。

「やっぱタイマンってことになるのかな」

「でもよ、石田は仲間を連れてきていたんだろ?」

「登は一人だったしなあ」

「でも、石田の仲間は見ていただけなら、タイマンじゃね?」

「やっぱ、そうなるのかな」

「登にきいてみようぜ」

「そうだな」

「登。ちょっと来いや」

 圭太が外に向かって怒鳴った。

「なんだ、一緒に来ているなら、最初から入ればいいのに」

 米子は呆れて気が抜けた。登という少年が入ってきた。体は大きいが、いかにも気のよさそうな小犬のような目をした少年だった。頬に小さくカットしたシップを張っていて、左足首には包帯が巻かれていた。米子は登の頬に貼ってあるシップを剥がした。薄く赤くなっているだけで、たいしたことはなさそうだった。

「あんたが登?」

 登はコクンと頷いた。

「やられっぱなしだったの?」

 こんどは首を大きく横に振る。

「やり返した?」

 また頷いた。

「どれくらい?」

「左の中指の骨を折ってやった。ボキって音がした」

 圭太と篤志と守があんぐりと口をあけた。

「うそだろ」

「嘘じゃねえよ。あんまりしつこく殴ってくるから、めんどくさくなってあいつの左手を掴んで指の関節を折ってやった。ほんとは足を折ってやろうかとおもったんだけど、怪我は小さいほうがいいし、しつこいやつをおとなしくさせるには、痛い目させるのが一番だからよ」

 登はぼそぼそとそんなことをいった。圭太と篤志と守が顔を見合わせた。

「どっちもどっちってことか?」

 と圭太。

「だけど、相手はそうとう頭に血が上って、決闘状を突きつけてきたぞ」

 と篤志。

「どっちにしても、一度は決着をつけなくちゃいけない相手だ。この際、仲間を集めて二度と手出ししないようにやってやろうじゃないか」

 やっと口を挟めた守は威勢がいい。しかも、二人より長くしゃべれたのがうれしかったのか嬉々としている。米子は組んでいた腕をほどいてパンと手を叩いた。

「よし。その喧嘩。わたしがあずかろう」

 すると圭太が眉をひそめた。米子は圭太を安心させるように肩を抱きこみ、あとの三人も引っ張りこんだ。

「まかせな。いい考えがあるのよ」

 そこに翔が帰ってきた。圭太や登たち四人と米子が顔をつき合わせているのを見て胡散臭そうに顔をしかめた。米子は機嫌よく翔に声をかけた。

「おかえり。翔」

「なにかあったんですか」

「なにもないよ。じゃあ圭太、そういうことで、決闘の場所は坂田スポーツセンターの体育館。日にちは来週の日曜日。時間は追って知らせるから、石田って子に伝えておいてよ」

「体育館で決闘するんすか? 夜の八時に坂田川の中州の公園とかじゃなくて?」

「それじゃあ女の子が来れないじゃない。女子にいっぱい応援に来てもらうんだから、体育館でしょ」

 米子がそういうと四人は目を丸くした。

「女子、ですか?」

「そうよ。石田くんにもそう伝えてよね。女子にはジャッジになってもらうから。決闘する男子も、おおぜい集めてね。楽しいイベントになるわよ。お父さんやお母さんにも、おじいちゃんおばあちゃんにも来てもらって。ついでに近所の人たちにも声をかけてよ」

 圭太たちは訳がわからないというように首をひねっているが、米子は言うだけいって四人を帰らせた。


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