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公爵令嬢は振り返る  作者: こうじ
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現状を知る

新作です。ほぼ勢いで書いてますので設定は緩いです。

「『ハイネル王国でクーデター、王族関係者は処刑』かぁ……」


 私は新聞を見ながらボソッと呟いた。


「たった一年でこんなに様変わりしちゃうなんてねぇ、やっぱり国を離れて正解だったわ」


 自分の選択の正しさに私は一人納得していた。


 私、エリーセ・クワウライトはハイネル王国の元公爵令嬢だ。


 訳あって一年前に国を離れて現在は母国とはかなり離れたランタイ王国に平民として暮らしている。


 ハイネル王国とランタイ王国は色々な問題があって外交をしていない。


 なのでまさか母国も私がランタイ王国にいるとは思ってはいないだろう。


 私が住んでいるのはランタイ王国でもかなり田舎にある小さな村だ。


 ここで自給自足しながらのんびり暮らしている。


 公爵令嬢が田舎で暮らせるのか、と思う方がいるだろうけど私はただの公爵令嬢ではない。


 なんせ元実家ではほぼ自分の事は自分でやっていたのだ。


 元実家は私より妹の方が可愛がられて妹中心なのだ。


 どれくらい中心かというと私の当時の婚約者であり王太子だったナッシュ様と妹の浮気を容認するぐらいだ。


 私がそれを知ったのは結婚式前日、たまたま眠れずに中庭を散歩していた時だ。


 その時の話の内容は今でも覚えている。


 二人は私に仕事を押し付けて二人はイチャイチャするつもりだったらしい。


 それを聞いた瞬間、私の心にはブリザードが吹いた。


 もう、全てがどうでも良くなった。


 私はその日の内に最低限の荷物だけ持って手紙を置いて家出した。


 馬車に乗り込み国境を越え転々と放浪しこの地にやってきた。


 その後の彼等の話は細かい事は知らない。


 ただ結婚式は予定通り行われたのは新聞で見たので知ってる。


 多分、妹が私の変わりをしたのだろう。


 結婚式前日に花嫁に逃げられたなんて格好のネタだろうし醜態だろうね。


 それで結婚式は強行したんだろう。


 どんな思いでやったのかは知らないけどまぁ私の事なんて気にしていないだろう。


 ただその結婚が良かったのかはこの一年のハイネル王国の衰退を見れば一目瞭然。


 私は王妃教育として内政や外交に積極的に参加していた。


 当然だけどそれなりの繋がりも作ったしランタイ王国に来たのもその繋がりのおかげだ。


 我儘で自己中の妹に果たして私と同じ事が出来るだろうか。


 外交の場に王太子夫妻が出てこなかったのがその答えだろう。


 以前、ハイネル王国から来た、という人と話した事があるけど王太子夫妻の評判は悪いみたい。


『王妃は遊び呆けていて王太子は容認している』


『贅沢しすぎて国民の暮らしに影響が出ている』


『貴族の殆どが国を離れようと相談している』


 ……私が婚約者の時は割りとマトモな方だった、と思うんだけどなぁ、誰と一緒にいるかで影響が出ちゃうんだなぁ。


 結果、ついにクーデター勃発になった訳だ。



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