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緋色の乾坤  作者: 蒼エル
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プロローグ

緋い。紅い。紅い。赫い。


それとも、一般的なのは赤い、か?


赤いのは血なのか、それとも視界が赤く染まっているだけなのか。意識が朦朧としていて、考えがうまくまとまらない。走馬灯は見えてない。では、やはり、血ではないのか? 死が忍び寄ってきている訳ではないのか?


温かい。もしかしたら、これが母の温もりなのか。


ふと、気づけば、2冊の本が見えた。

何が書いてあるのか、それとも描いてあるのか。

そこから先の記憶は私にない。

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