表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

人魚の牛乳瓶

作者: 瑞目叶夢


ジュンは元気な女の子、

なんにでも興味を示して誰とでも話す、

笑顔のかわいい小学6年生の女の子、

泳ぐのが大好きだから夏が好き、夏じゃなくても海が好き、

ジュンはいつも学校帰りに近くにある海岸で遊ぶ、

貝を拾ったり流れ着いて丸くなった瓶の破片を集めたり、

砂に文字を書いたり、砂のお城を作ったり

波と追いかけっこしたり・・・・


でも一番好きなのはジュンとお星さまになったお父さんしか知らない

海岸の隅の大きな崖を登って越えてて行く小さな砂浜、

浅瀬になっている岩場の部分に小魚達が迷い込んできている場所で

小魚や蟹、ヤドカリなどの海の生物を見ること、


本当は一緒に泳ぎたい、魚の群れの中を

人魚みたいに一緒に泳いぎたい。


だからジュンの夢は人魚になること、

人間の自分じゃ魚は逃げてしまうから、

きっと人魚なら一緒に泳いでくれる、ジュンはいつもそう思っている。

それに人魚なら息つぎも気にしないで

ずっと水の中にいてずっと泳いでいられるから、


ある冬の日、ジュンがいつも通り崖を越えて小さな砂浜に行くと、

知らないおばぁさんが大きな流木に座っていた。


ジュンはびっくりした。だってここに来るには

崖を登るか海からくるかしかないんだから、

びっくりしておばぁさんを見ていると、

おばあさんが気づいてにっこり笑って手を振った

ジュンは一瞬戸惑ったけどすぐに岩を下りておばぁさんにかけよった


「おばぁちゃん、どうやってここに来たの?」


そう聞くと、おばぁさんは無言で海を指さした。


「海から来たの!!??」


ジュンはびっくりした。見たところ船もない、

じゃぁおばぁさんは泳いで来たのだろうか


「あれ、でも泳いで来たんならなんで服が濡れてないの?」


ジュンがそう聞いてもおばぁさんはニコニコ笑うばかり


「ねぇおばぁさん、聞いてる?」


ジュンがむくれてそう聞くとおばぁさんは貝の形の木箱をとりだしてきた。


「なにそれー」


ジュンは不思議なおばぁさんが出した、不思議な木箱から何が出てくるのだろうと

ワクワクして見ていると、木箱から出てきたのは透明な牛乳瓶でした。


「なぁんだ、ただの牛乳瓶かぁ」


ジュンは残念な気持ちになってわかりやすく肩を落としました。

するとおばぁさんはジュンが鞄の横のポケットに刺している

ミネラルウォーターのペットボトルを指さしました。


「これを入れるの?」


おばぁさんはニコニコと頷きました。

おばぁさんに示された通り牛乳瓶に水を入れると半分入ったところで

中に青い綺麗な小魚が出てきて踊るように泳ぎ出しました。


「わぁ!お魚だぁ!!!かわいい!!見たことないお魚だ!!」


ジュンは嬉しくてお魚を真剣に見ています

すると牛乳瓶から


「私を飲んで、あなたが飲んで♪

足がヒレに首にエラが♪

私を飲んであなたが飲んで♪

一晩一緒に泳ぎましょう♪

私を飲んであなたが飲んで♪」


小さな綺麗な歌声が聞こえます、これはこの魚が歌っているのかなと

思った瞬間、魚はくるっと回って水に溶けるように消えてしまいました。


「あ、お魚消えちゃった!」


ジュンが残念そうにしていると、おばあさんがぽんぽんとジュンの靴を叩きます、

ジュンが不思議そうにしているとおばぁさんはジュンから牛乳瓶を預かって、

靴と靴下そして鞄を指さして、流木の横を指さします


「荷物と靴と靴下を置いていけばいいの?」


おばぁさんはこくんと頷きました。


ジュンは示されたとおりに、流木の横に荷物と靴と靴下を置いて

おばぁさんの横に立ちます。

おばぁさんはすくっと立って、ジュンの手を引いて海に入っていきます。

どんどん海に入っていくおばぁさんを止めようとしますが、

おばあさんはなかなか止まりません、やっとジュンの腰まで海水で濡れたころで

牛乳瓶をジュンに渡して何かを飲むようなしぐさをして見せました。


「これを飲めばいいの?」


おばぁさんは笑顔で頷きます

そしてジュンが示された通りに牛乳瓶の水を飲むと

瓶とおばあさんはパッと水しぶきになって消えてしまいました。


一瞬しゃがれてるけど綺麗で優しい声で「ありがとう」と聞こえました。


そしてもう一つの異変がジュンの脚から違和感を感じました。

スカートをまくって見てみるとパンツより下から

足と足がくっついて行って鱗が生えだしていました。

足はどんどん魚の尾のようになってジュンは立っていられなくなり、

浅瀬で手をついて体の変化を見ています。

ついに最後は足は尾びれになってしまいました。


「わ、わわわわわ!もしかして人魚?私人魚になっちゃった!!」


手の指の間には幕が張って水かきができていて、

首を触るとエラができています、


ジュンは一通り体を観察して大事なことに気が付きます


「あ!お魚は一晩一緒に泳ぎましょうって言ってた!

もしかして人魚でいれるのは今晩だけなのかも!!」


そう言うことならこんなことしてられません、

早く海で泳いで沢山の魚とお友達にならなければいけません、


ジュンは思い切って水の中に入って沖まで泳いでみました。

するとなんということでしょう息ができます!

わぁと言う声が漏れて、水の中でしゃべれることもわかりました。


「すごい!私今本当に人魚なんだ!!」


ジュンは嬉しくって水の中でくるくる回ったり円を描いて泳いだり

とっても楽しそうです


楽しそうに泳いでいると岩陰にクロダイがいるのが見えて、

ジュンは思い切って近づいてみます


「こんにちわ!」


声を掛けるとクロダイはびっくりしたようにこっちを見ました。


「なんでい人魚かよ、ビビッて損しちまった」


「わぁ!お魚がしゃべった!」


ジュンがそう言うとクロダイは怪訝な声で言います


「あ?お前も魚みたいなもんだろうが、何言ってんだ?まさか新人か?」


クロダイはとっても嫌そうに言った


「新人?」


ジュンは首をコテンと傾けながらクロダイに聞く


「人魚はたまに元人間がいるんだよ、

お前は若いしさっき人魚にでもなったってところか?」


クロダイにそう聞かれてこくりとジュンはうなずく


「あぁヤダヤダ!元人間なんて!昔美味そうな餌に食いついて痛い目見たんだ

しかもその時人間のヤロウなんて言ったか!もっと大きくないと食えないだとよ!

食われるなんてとんでもねぇ!サメと人間は俺らの敵だ!

俺はもう美味そうな餌につられたりしねぇからな!」


クロダイはそう叫んでササっと泳いで逃げてしまった。

ジュンは思った。

普段美味しく食べているお魚ももちろんお肉もきっと

生きてる時はさっきのクロダイみたいなことを思っていたんだろうかと、

だからお魚は逃げるのかなと




そう思うとなんだか涙があふれてくるけど涙は海の水にどんどん消えていきます

けど、とめどなく涙があふれます

ぽろぽろぽろぽろ

こぼれることなく海に溶けて、周りの水がどんどん増えるんじゃないかってほど

ジュンが泣いていると、居た‼と言う叫び声が聞こえました。


声のした方を見ると青い髪のたれ目で優しそうな人魚と

ピンクの髪の大きな目の人魚がいました。

その二人はジュンに近づいてきて頭を撫でます


「あぁこんなに泣いて!ここら辺の海が満ち潮になっちゃった!」


「どうして泣いてるの?誰かにイジメられたの?」


青い髪の人魚はジュンを抱き寄せ優しく頭をなでながら聞きます


「そうよ!人魚になったばっかで楽しいはずなのになんで泣いてるのよ!

誰にイジメられたのよ!言いなさい!こらしめてやる!」


ピンクの人魚はぷんすか怒っています


「ちがうの、お魚さんは悪くないの、私人間だからいっつもお魚さん食べてたから

そんなの嫌われて当たり前なのに、

お魚さんもお肉もみんな食べられたくなかったんだって思ったら

私なんて酷いことをしてたんだろうって涙が止まらないの」


それを聞いて二人の人魚は目を合わせてぱちくりした後に少し笑いました。


「酷いよ、なんで笑うの?」


ジュンがそう聞くとふふふと笑いながら青い人魚が頭をなでながら言います


「あなたはとっても優しいのね、でもね、泣かなくていいのよ?

魚たちだってプランクトンや貝を食べるしもっと言えば海藻も植物も生きてるからきっと食べられたくないわ、でもね、命は命を食べないと生きていけないの、だからね、

食べ物に感謝して、私の栄養になってくださいってお願いして、

いただきますをするのよ?

だからね、残さずきちんと食べてあげるそうすることで感謝するのよ?

だって命をもらってるんだものね、それにちゃんと理解してくれてる魚もいるの

その証拠に人間を怖がってない魚もいるのよ」


青い人魚が優しく笑ってそう言うとピンクの人魚が楽しそうに言います


「そうそう、小さい子は大きいものが怖いから逃げちゃうけど

イルカなんて人間と遊んだ自慢話してくるくらいだしね!」


ジュンはそれを聞いてちょっと元気になってきた。


「ほんとに?」


ちょっとの期待に涙が引っ込んだジュンを見て二人の人魚はちょっとホッとしました。


「ほんとよ!なんならイルカに会いに行きましょう!」


そう言ってピンクの人魚はジュンの手を引いてグイグイ泳ぎ出しました。


「あ、コラ!リンリ!無理やりひっぱったら痛いわよ」


青い人魚にそう言われてピンクの人魚リンリはパッと手を離します

 

「あ、ごめん!痛かった?」


「ううん、大丈夫だよ」


ジュンは笑ってリンリに言います


「ごめんなさいね、そう言えば名前をまだ聞いてないわね、私はマオラよ」


「私はリンリ!よろしく!さ!あなたはなんて言うの?」


二人に自己紹介されて、ジュンは慌てて自己紹介する


「ジュンですよろしくお願いします」


ジュンが自己紹介すると二人はにっこりと笑った。


「ジュンって言うのね!じゃぁジュン!あなたを人魚の街に招待するわ!」


そう言ってリンリはジュンに手を差し出します


「あなたと仲良くなりたいわジュン、私たちの街を見て」


マオラはにっこりと笑って手を差し出した


ジュンは人魚の街と聞いてさっき悩んでいたことが吹き飛んで

期待いっぱいに二人の手を取った

すると二人はジュンの手を引いて泳ぎ出した。

その泳ぎは小さなジュンの尾びれに合わせてゆったりとだった。

そうやって泳いでいくと、どんどん海の奥の奥に泳いで行って

だんだん暗くなっていく

だんだん暗くなるからジュンが不安になっていると

目の前に薄く青く光っているところが出てきた。

その光はとってもキレイで、どんどん近づいて行く光に

ジュンは期待でドキドキが止まらない


それに二人の泳ぎもどんどん早くなる

どんどん近づく光がまぶしくてジュンは目を閉じる

ぽふんと何か薄い膜のようなものを通りすぎる感覚がして泳ぎが止まる


「ようこそ!私たちの街へ!」


「ジュン、目を開けてごらん」



リンリの嬉しそうな声を聞いて、マオラに促されて、

ジュンはゆっくりと目を開ける


目を開けるといろんな色の人魚やたくさんの魚達が居た。

浅瀬の魚も深海魚もクジラも見えるしイルカも見える、

本当にたくさんの魚が薄い青い光の中で楽しそうに自由に泳いでいる、

小魚達は種類なんて関係なくジュンくらいの人魚も交じって、

追いかけっこをしてジュン達の前を通り過ぎる、


ジュンはゆっくり前に泳いで行く、周りも上も見渡して、

想像していた以上に素敵な世界を見て目はキラキラと輝く、


そこに笑いながら男の子の人魚がジュンにぶつかる


「わぁ!ごめんね!あれ?君もしかして上から来た新しい子?」


ジュンは男の子に聞かれてこくりとうなずく


「わぁ!一緒にあそぼ!今ボウアッコしてるんだ!」


「ボウアッコって何?」


「?あ、オオバァバが言ってたや!上の人は追いかけっこって言うらしいよ!」



ジュンはそれを聞いてとっても納得しました。

そう言えばこの子は追いかけっこで目の前を通りすぎて行った子の一人だったからです。


「ねぇねぇその子誰」


「見ない顔見ない顏!」


男の子と話しているとわらわらと小魚や子供の人魚達が集まってきました。


「大バァバと同じ上から来た人間だった人だって!」


男の子がそう言うと周りの小魚や人魚達が騒ぎ出しました。


「元人間だって!」


「すごぉい!」


「ボウアッコしよ!」


「一緒に遊ぼう!あそぼ!」


ワーワーと子供たちが集まってジュンを追いかけっこ、いえボウアッコに誘います、

ジュンがちらっとマオラとリンリを見ると、

二人は笑顔で行っておいでと口を動かします。


「うん!ボウアッコする!」


ジュンが頷くとさっきまで鬼だったクマノミが「じゃぁ君がサメ!」と言って

ジュンをタッチして逃げていきました。

すると一斉に周りにいた子達も逃げていきます


よくわからないけどきっと鬼のことだと思ったジュンは「まって!」と言いながら

すぐにみんなを追いかけます


そしてジュンはみんなと追いかけっこやワカメの森でかくれんぼ

沈没船で冒険しながら人の使う物の使い方を教えたり、クジラのおばさんにイタズラして、

イルカと競争や、宝探しと言って貝殻を探したり、

サンゴやイソギンチャクの畑で遊んだりと、沢山、たっくさん楽しいことをしました。

星の砂の上できゃっきゃと楽しく友達と話しているとマオラとリンリがジュンの事を

呼びに来ました。




「ジュン、もう時間よ!」


「そろそろ、オオバぁ様に会いに行きましょう」


マオラとリンリに呼ばれ、はぁいと元気な返事をして

ジュンは二人のところに行きます。

小魚や子供の人魚達もバイバーイと手を振ります、

ジュンもまたねーと言って離れていきます。


皆で作った貝殻の王冠を頭に乗っけて、

ジュンは、マオラとリンリの後ろを付いていきます。

二人はジュンを町の中心で一番大きなお城のようなところに連れて行きます

周りはどんどん静かになって、お城の中に入りますジュンはだんだん緊張してきました。

もしかしてオオバァバと言う人はとっても偉い人なのかもしれません、

お城の中は外壁に囲まれた広い大きな円の中のようでした。

端っこに穴が開いていますそうですねだって泳げばいいので階段なんてありません

二人はお城の上へ上へと泳いでいきます。ジュンもついて行って泳いで行きますが

心臓が緊張でどくどくと早くなるのが聞こえてくるようです、

だってお城の一番上に居るのはとっても偉い人だって何かのお話しに書いていたからです

どんどんどんどんどんどん上に行ってもう天井が見えるようになって

やっと二人は止まります

ジュンは恐る恐る穴から顔を出すと髭を貯えたおじいさんと綺麗な女の人と

浜辺で見たおばぁさんがいました。


「おばぁちゃん!!」


ジュンがびっくりして穴から出てくるとおばぁさんはにっこりと笑いました。


「オオバぁ様、わたのみつ様、まりとよ姫様、上からのお客様をお連れしました」


マオラとリンリは頭を下げて3人につげます、

3人は優しい笑顔で二人を見ます


「ありがとう、もう頭を上げなさい、そしてお客人、

どうぞこのわたのみつにもっと顔を見せてくれないかな」


わたのみつ様にそう言われてジュンは恐る恐る前に出た。

マオラとリンリは3人にお尻を向けないように左右に引いて行った。


「まぁオオバぁ様は大変かわいらしい子をお選びになられたのですね」


ふふふと、きっとまりとよ姫様と呼ばれた人が笑う


そしてオオバぁ様と呼ばれたおばあさんの方を見ると

オオバぁ様はにっこり笑っておいでと手招きする

ジュンは素直にオオバぁ様の近くに行くとオオバぁ様はわきに置いてあった

牛乳瓶を目の前に出します、そしてその中に青い光の玉を入れると、

牛乳瓶はパッとはじけて、その破片がシュッと光に集まり透明なビー玉になりました。


「でわ本題に入ろうかね」


隣でわたのみつ様が言う


「本題?」


ジュンがそう聞くとわたのみつ様がこくりと頷いた。


「君は人魚になって楽しかったかい?」


わたのみつ様の質問にジュンはくい気味に返事をします


「とっても!とっても楽しいです!たっくさんお友達もできたし!

ボウアッコもかくれんぼもとっても楽しかったです!」


それを聞いてわたのみつ様はとっても満足そうな顔をしました。


「実はね君にオオバぁ様の後を継いで

時間制限のない元人間の人魚としてここで暮らして欲しいんだ」


ジュンはそれを聞いてとっても喜びました


「なりたい!私人魚に」


ジュンが人魚になりたいと言おうとするとわたのみつ様がジュンの口をふさぎました。


「ただし、人魚としてこの町で暮らすのなら人魚のおきてを守らなければならないよ、

絶対に外で人間に見らてはいけない、たとえ自分の家族でもダメだよ、

そして特別な理由なく陸地に行ってはいけない、

足は魔法をかけないとヒレのままだからね、

つまり君は家に帰ることはできないんだよ」


ジュンはそれを聞いてとってもショックを受けました。

だって大好きなママにもう会えないってことだからです


「い、いやだ私お家に帰りたい!」


ジュンがそう言った瞬間でした。尾びれに違和感を感じました。

下を見ると尾びれが足になっていたのです


「そうだろう、そう言うと思ったよ、けどねオオバぁ様も君を人魚にする薬を作って

声を失ってしまった。だからねよーく考えてほしい、

ゆっくり考えて人魚になっていいと思えたならその薬を飲むんだよ」


わたのみつ様が話す間もジュンの体は元に戻っていきます

どんどん足に代わり、水かきも消えて、ついにはエラも消え

息苦しくなります


助けて!ママ!と言っても声は泡になり

もがけどもがけど水をかくだけで息ができない

周りが真っ暗になって苦しくて苦しくて、上へ上へと水面目指して

必死に頑張って水をけって手を上げてやっと水面が見えて

手を突き出すと、そこは無機質な部屋の白いベットの上でした。


「あれ?海は?」


ジュンがそう言うと隣からぎゅっと抱きしめられました。

お母さんでした。どうやらここは病院の一室だそうです、

ジュンがなかなか帰ってこなくて探しに行ったら、浜辺で寝ていたそうです、

冬の浜辺は冷たくて、ジュンはすっかり冷えていて、氷のようだったそうで、

お母さんは慌てて病院に連れて行きジュンが目覚めるのを待っていたそうです、

ジュンはそれを聞いてあれは夢だったのかなと思いました。

けどいつの間にかぎゅっと握っていた手を開けてみると

きれいな透明のビー玉を持っていました。




それから25年後、磯辺優と言うおばあさんがお空に行った後

娘の磯辺純と言う女性が町から姿を消したそう、

彼女がどこに行ったのかは誰も知らないそうな・・・・・。


それから何十年もたつと、ジュンとお父さんしか知らなかった浜辺に

一人の女の子が遊びに来るようになりました。








おしまい

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ