第七話 今後の動き
俺は今、ある洞窟にいる。
なぜこんなところにいるかと言うと、
俺は白猪を倒したあと、
【進化先を選べます】
の表示が出たことにウキウキしながらも、
奴を倒した今だからこそ
俺を狙ってくる奴がいるかもしれないと思い、
近くの様子を探っていた。
そして、様子を探り終えて、
ひとまず身を隠せる所がないか探していた所に
あの大木からそう離れた場所になく、
人目につかない洞窟を見つけた。
俺はその洞窟が、
身を潜めるにはもってこいの場所だと思ったが、
何者かのテリトリーではないかと思ったため、
安全を確認する為に中を探索してみた。
だが、誰かが居た痕跡は無かったため、
その洞窟をしばらくの拠点にする事にした。
そして大木の元へと戻り、
白猪の死体の破片を持てるだけ
口で咥えて持って洞窟に帰った。
帰ってきてすぐ、
洞窟の奥に、直径1m、深さ2mぐらいの穴があったので、
そこに死体の破片をほおり投げた。
そして、今に至るという訳だ。
全く…
俺を襲った奴の肉なんて運びたくもなかったが、
まともな食料がないんじゃ仕方ないからな。
しかも、スキル《捕食Lv.1》のお陰で経験値を獲得出来るなんて書いてあったら尚更だ。
さて、あの白猪と戦ったことで、
すっかり日が暮れてしまった事だし
先程の戦いで謎だった事や思ったことを考えて見よう。
まずは謎だった事だ。
何故、あの白猪は俺を狙って来たんだという事だ。
まあそれについては、
この洞窟を探索してる時に
多分そう言うことだろうと、予想はついた。
ズバリ、あいつが俺を襲って来たのは、
俺があいつのテリトリーに入ってしまったからだ。
その証拠に俺がジャングルを歩いているとき、
俺は誰にも襲われなかった。
しかも、俺が誰かが襲われているのを見たこともなかった。
つまり俺が歩いてるとき、
俺は誰のテリトリーにも入っていなかったから、襲われなかった。
でも、俺があいつのテリトリーに誤って入ってしまった為に、襲われてしまった。
多分そういうことだろう。
だってそう考えないと、おかしい。
「俺を獲物と認識したから」と言っても、
普通、自分のなん100倍も小さい奴を
獲物と認識するのかって話だからな。
しかも、一番決定的だったのが
あいつの【状態】が激怒になってた事だ。
あいつが怒ってた理由は、
自分のテリトリーに入ったことと、
自慢の突進を何度も避けられて腹が立ってた事にあるんだろう。
という事で、
知らぬ間に誰かのテリトリーに入って
どこかから奇襲されてお陀仏しない様に、
いつも外に出る時は警戒することにしよう。
次に、
このジャングルは一体何処まで続いているんだ?って事だ。
これに関しては全く分からん。
ただでさえ、生まれて間もないのに
分かるわけがない。
最後に、
これは戦闘中ずっと思ってたんだが…
……俺が弱すぎる。
今、白猪と同等の強さの奴で
「馬鹿」じゃないやつと戦ったら、
絶対死ぬ。
完膚なきまでにすり潰される。
まあ、早く進化しろよって思うかもしれないが、
このままじゃ進化しても、
直ぐに死んでしまうと思う。
上には上がいるもんだからな。
だから、
死にたくないから、
誰にも負けないぐらい強くなるまで
『進化』し続けようとおもう。
死ぬの怖いしね。
……さて、これら最後以外から分かることは
情報が少なすぎる。
という事だな。
そんな訳で、
今後の予定は、
最初に、ここで『進化』してから
ステータスを見て、
次の日当たりに情報収集がてら、
レベル上げをしようと思う。
てか…生まれて間もないのに、
自分より100倍ぐらいデカい奴に
勝っちゃった俺、普通にすごくない?