第二十八話 質疑応答
女の子があるという、
キャンプへの道のりで
女の子が俺に質問してきた。
「なんであなたは魔物なのに喋るんですか?」
「あれ、さっき言わなかったっけ?」
我ながら全くもって、
説明不足すぎる説明をした。
俺の返答に対し、
女の子は顔を顰めて答えた。
「説明不足すぎます!全然分からないです!」
説明不足なのは自分でも理解しているが、
俺も生前の通りに声を出そうとして見たら
出せただけだからなあ。
スキルを取った瞬間に喉が生成されたような
感じがしたから喋ってみたら喋れた。
なんてのは意味分かんないだろうしな。
俺が考え込んでいると、
先程まで顔を顰めていた女の子が
俺が質問に対し
なかなか返答しないため、
首を傾げて言った。
「どうしたんですか?」
ん?待てよ?
俺以外にスキルって認識できるのか?
俺は疑問を解決すべく、
女の子に質問した。
「突然だけど、ス…………」
「……?どうしたんですか?」
なんだこれ……!?
喋れないぞ?
俺は必死にスキルという単語を口に出そうと
頑張って見るが、
全く喋ることが出来なかった。
それも、ピンポイントでだ。
喋れなくなるのはスキルという
単語を口に出そうと時だけだ。
他の言葉はしっかり発声できるようだ。
「なんだったんだ?今のは…何かに制限をかけられたような…」
俺がブツブツと言っていると、
黙ってから明らかに挙動不審な俺に対して
女の子が警戒したような顔でこちらを見てきた。
「あ、違うから。やっぱりなんでもないよ。」
「はあ…あんまり変な動きをしないでくださいよ。」
はい。善処します。
「あとどれ位で着きそう?」
「そうですね…あと、2時間ぐらいでしょうか。」
「遠っ」
言われてみればそうだ。
スケルトンを倒したところからここまで
壁の模様が変わっていない。
変化したところといえば、
やや壁や床などが壊れていることだろうか。
「ここって人の出入りが結構あったりする?」
「はい。頻繁に初心者の冒険者が出入りしますね。」
やっぱりそうだったのか。
発見されていない道より発見されている道の方が
意外に壊れているものだ。
人が保護しようとしても、
頻繁に冒険者が通るということは
戦闘による壁への被害は
あるかもしれないからな。
そこで突然、
女の子が俺の思考を遮って声を上げた。
「あぁ!ごめんなさい!」
「ん?どうしたの?」
よく見ると、
女の子が血の気が引いたような顔をしている。
俺は何事かと冷静に尋ねた。
「今日は冒険者が沢山ダンジョンに潜る、大討伐の日でした…!」
「それってつまり…」
俺の顔が青ざめていっている感覚がする。
「はい…狩られてしまうかもしれません…」
「……マジかよ」
そう、
狩られてしまうかもしれないのは
魔物である俺だ。
忙しき日々……!
短くてごめんなさい!