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死にたくないので進化します!〜異世界転生で魔物になった!?〜  作者: おんの
1章3部 ベビースモールレッサーイビルリザード
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第二十六話 第一村人発見

なんだ!?今の声は!?



突然の声に少しびっくりしながらも、

やはり人類がいたと

予想が当たってしまったことに

少し残念な気持ちになる俺。



攻撃してきたら殺す

その言葉を頭の中で復唱しながら、

声の方向へと気が付かれないように進んでいく。



キンッ!キンッ!



道の奥の部屋から金属と

何かがぶつかる音が響いてくる。



その音は声の主の近くに

近付くほど大きくなって行った。



俺は気が付かれないように、

岩と岩の間に隠れ

何がいるか観察した。



そこに居たのは、

頭に耳が生えた小さな女の子だった。

よく見ると尻尾が生えている。

あれが獣人族なのだろうか。



先程の「キンッ!」という音は

その女の子がスケルトン一体と

今現在も戦ってるからだった。



少し押されているようだ。

バランスを崩したところに、

スケルトンは右腕を振りかざす。



「いっ!」



その女の子は攻撃を受け、

衝撃によって

後ろに尻餅をついた。



スケルトンは無慈悲にも

次の攻撃を繰り出すべく、

左腕を振りかぶる。



女の子の方は

胴装備の止め具が破壊され

胴装備が取れてしまい、

服一枚となってしまったようだ。



更に尻もちをついた際に、

右手に持っていたショートソードを

離してしまい、

俺のすぐ近くに転がっている。



装備が外れてしまうのはまずい。

身を守るものが何も無いのでは、

死を待つのみとなってしまう。

攻撃する手段があるなら

まだ望みはあるが、

あれはダメだ

次の一撃で死んでしまうな。



「жйуплж!」


女の子は何かを言って、

俺の近くにあるショートソードを拾おうと、

立ち上がりこちらに来た。



『《ルミドレナ帝国国用語Lv.1》を獲得しました。』



なんだそりゃ。そんな国があるのか。



俺の目の前にはいつの間にか女の子がいた。

女の子はこちらの事を見つけると、

顔に涙を浮かべて

絶望を顔に表わしたような表情をしていた。

俺のことを恐怖したような顔で見ながら

女の子は言った。



「誰か…助けて…」



俺は確かに言語を理解して聞き取っていた。

頭の中で日本語になって帰ってきた。



俺はどうするか迷っていた。

ここで殺すのもいいが、

言語スキルのLvを上げるのには

人類が必要だ。



俺が攻撃してこないのを見ると、

女の子はその場にへたりこんでしまった。

もうダメだと思ったのだろう。



目の前には俺(魔物)。

後ろにはスケルトン。

完全に囲まれている。



だが一つ誤算がある。



「俺は敵ではなく、味方かも知れないぞ。」



俺は後ろにいるスケルトンを

《体当たり》で数メートル後ろまで

バラバラに吹き飛ばした。



女の子は驚いたような顔でこちらを見てくる。



「なんで…魔物が…言葉なんて……」


「喋れた。」



俺はサラッと返す。

いつからこんなに無愛想になったんだ俺は。



俺が喋れたのはスキルのおかげだ。

どうやら喉が擬似的に出来たらしい。

あとはスキルの力でそれを声にするだけだ。

頭の中にワードが浮かんでそれを言っただけだ。

伝わっているから成功ってとこだな。



「あなたは…一体…」


「俺の名前は望月司だ。よろしく。君の名前は?」



そういうんじゃあねえんだよって

ツッコミが来そうだが、

一応自己紹介しておく。



「わ、私には名前がないんです…」



そう暗い顔で女の子は言った。







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