第二十五話 道の先には
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俺は壁の向こうの道を進んでいた。
ここも洞窟の入り口のように
何があるか分からないが、
少なくともあそこで止まっているよりは
いいだろう。
…………………………
少し進んでも
相変わらず
あたりは真っ暗だが、
俺は洞窟の壁に違和感を覚えた。
壁がいつの間にか
天然のゴツゴツした岩から、
まるで人類の手が加わった様に
壁に模様が入っていたのだ。
その模様のパターンはどこか遺跡チックで、
古さを感じさせるものだった。
なんでこんな物がここにあるんだとも思ったが、
この道の先にダンジョンがあり、
この通路が谷底への隠し通路だったと
考えてみればどうだろう。
全てに合点が行く。
俺が最初に入った羊亀のところの入口は
人類が既に発見していたダンジョンの
未だ発見されていない隠し出口だった。
ということなのかもしれない。
現に谷底から続くこの道を進む度に、
模様が濃くなっていっている。
いつの間にか道の床も変化しており
時代の劣化こそ感じるが、
天然よりも歩きやすくなっている。
このまま進んでいくともしかしたら
人類に出くわすかもしれない。
もし、このダンジョンが本当に発見済みならば、
既に発見されているエリアには
人類がいる可能性が出てくるだろう。
俺は基本的に
人類だろうと何だろうと、
俺に攻撃を加えるもの全てを敵として
認識することにしている。
ましてや今回の場合本当に人類かもしれない。
その場合、
交渉の余地などなく
問答無用。
と斬り捨ててくるかも知れない。
俺の姿は魔物だからな。
俺は覚悟を胸に、
道を進んだ。
…………………………
歩き始めて少したった頃、
俺は道を進むうちに
道が若干明るくなってきているのに気が付いた。
光源はない。
となると辺りを照らす魔法の一種だろうか。
ともかく魔法が使われているということは
何がいるかもしれない。
しかも、
この洞窟では基本的に夜目を
持っていないものは探索が困難となるだろう。
そして、持っているものは光源なんていらない。
暗くても辺りを認識出来るのだ。
つまり光源があるということは、
夜目を持たない生物。
この洞窟に元々生息している
魔物やら何やらなどは
暗闇に慣れ、
夜目を持っているだろうから……
この光源を出しているのは人類か…?
俺がそのような思考に辿り着くまで
時間はそこまでかからなかった。
少なくとも元々住んでいた
魔物の仕業ではないな。
俺はさらに道の先へと進んだ。
道を進んでいくと、
少し明るい広い大広間に出た。
そこは部屋の全体が遺跡チックで、
ラノベとかゲームなどでよくあるダンジョン
そのもののような雰囲気を醸し出していた。
どうやら奥に一本道もあるみたいだ。
俺が感心して辺りを見ていると、
奥の道から声が聞こえてきた。
それは、
その身に何が起こったのが
容易に想像できる声だった。
「きゃーーー!!!!」
(棒)じゃないですよ?