第十九話 骨骨骨
骨骨骨骨!
スケルトン軍団は
どんどんこちらに近づいてくる。
スケルトン数体ならまだしも、
軍団で襲ってくるのは反則だ。
先程のスケルトンは一体だったから
蹴散らせたが、
軍団は一体一体相手にしても
どんどん次が出てくる。
そして戦っている最中に、
数によって押し潰されるだろう。
要するに、数の脅威は侮れないのだ。
これはかなりピンチだ…
カタカタカタカタカタカタカタカタ!
スケルトン軍団は既に
100mの距離を切っており、
目の前まで来るまで秒読みだった。
しかも、軍団なので
迫力と圧迫感がすごい。
後ろのスケルトン達が
先行しているもの達を押して、
端にいるのが谷底に
カラカラと落ちているのがわかった。
俺はかなり焦った。
ヤバイヤバイ!
もうこんな近くに来てる!
どうするどうする!?
絶体絶命と思われたその時、
俺の頭に
新しいタイプの人の頭に、
よく鳴りそうな音が鳴った。
貴様、○ュータイプか!?
はい。閃きました。
これだ!
俺は頭の中に浮かんだ作戦を実行すべく、
元来た道を戻り始めた。
既にスケ軍との距離は50mを切っている。
まず俺は一番道が
細くなっているところまで戻り、
スケルトン軍団を待ち構えた。
数の脅威はあれども、
一体一体は全然強くないため
強行策に出ることにした。
というかこの動きが制限された場所では
これしか策がなかった。
洞窟を出ようにも
そこまで戻ろうとしても追いつかれるし、
いっその事飛び降りようにも
この高さじゃ死ぬだろうし。
スケルトン軍団は目の前まで来ている。
俺は助走をつけ、
スケルトン軍団がいる道の真ん中に向かって
全速力で《体当たり》をかました。
うおおおお!!
カラカラカラカラカラカラカラカラ!!!
スケルトン共はびっくりしたような
動作をしているが、
関係ない。
ひたすら《体当たり》をして、
谷底に吹き飛んでいく
スケルトンの中を駆け抜けていく。
カラカラカラカラカラカラカラカラ!!!
俺が通ったところを中心にして、
スケルトン軍団は《体当たり》により
吹き飛ばされ、
谷底に落ちていく。
俺はこれを狙っていたんだ。
数で負けるなら、地形を利用するんだ。
ようやく俺は
スケルトン軍団の風景から抜け出した。
そして、一つだけ
大きな失敗をしてしまったことに気がついた。
スケルトン軍団から抜け出した
俺の目の前に映ったのは、
《体当たり》をしてもビクともしなさそうな、
道幅ぎりぎりの大きさのスケルトン……
グォォォォォォォォォォ!!!
それは、俺を見て叫んだ。
これ詰んだわ。
そう思った瞬間、
俺の体は宙に浮いていた。
俺は、
深い谷底へと落ちていった。
そして俺は死んだ。
ほねほねほね!