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紙風船

作者: 雪つむじ

袋から出した紙風船は

当たり前のことだけれど

紙風船のかたちをしていない


優しく

キスをするように

そっと

口づけをして

勢いよく

息を吹き込めば

たちまち

紙風船は生まれ

僕の

手の上で

ケタケタと

笑って

強く

叩き上げれば

パンと

いい音がする


生まれた紙風船は

後は萎むだけ

生まれた紙風船は

後は破けるだけ


逃げ惑う紙風船は

僕の手の上でカサカサと笑い

強い風に吹かれてベランダから

外の世界へと降りていった


道行く人が

紙風船を拾い上げる

道行く車が

紙風船で遊びだす

道行くカラスが

紙風船をかじり始め

道行く夕焼けが

紅く

紅く

伸びた影だけを

地面に

焼き付け


散り散りになって

舞い戻ったら


やさしく

おかえりって言ってあげよう

久しぶりにやった。


ありがとうございました。

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― 新着の感想 ―
[良い点] パリパリというかカサカサというか、これを紙風船が笑うで表すのがいいなと思いました。 [一言] 紙風船で遊んだ時の事を思い出しました。 竹刀でポンポン割るの楽しいですよ。
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