表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/29

第17話

アル様の執務室に今だに住んでる小動物令嬢のラナです。お父様達が来たのですが一緒に行く事は出来ませんでした。


「もう少しだけここにいてくれラナ。国に戻ってもフローリリア様の誤解が解けたとは言い難い。危なくないと確信が取れるまでは帰らない方がいいだろう」


お父様の寂しそうな声に涙が出そうです。お兄様も頷いています。


「その方が危険がないだろう。アルフォンス殿下、よろしくお願いします」


深々と頭を下げて頼んでくれています。お兄様も一緒にです。



「ラナの事は任せてくれていい。一生任せてくれると嬉しいが」


え?今、サラッと気になるセリフが聞こえたんですが!お父様とお兄様が固まってしまいました。


「ア、アル様、冗談ですよね?」


素晴らしい笑顔で微笑まないでください!胡散臭いです!


「好きにとってもらっていい。否定はできないかな?」


周りのなんとも言えない視線にさらされてます。


「ほ、本気ですか?ラナを側室にでもするつもりですか!殿下!」


お兄様の悲痛な声が響きました。婚約破棄され、庇護された国から森捨てにあった私を心配して悲観した顔になってます。


「アルフォンス殿下、娘を側室に望んでくださるのは光栄な事ですが、破棄されたばかりの娘を嫁に出す気はありません!」


お父様の声が、私の望まない事をさせるつもりのないのが分かります。


「逃すつもりはないが無理強いはしないつもりだ」


穏やかに微笑むアル様に、打つ手が無さそうだとお父様とお兄様の引きつった顔が物語ってます。ま、負けないで!


「アルフォンス殿下、娘には殿下の側で妃が勤まるとは思えません。諦めてはもらえませんか?」


お父様ありがとう!アル様相手に頑張ってくれて!


「ふぅーっ、これは言う積りは無かったんだが……。我が父上には許可してもらってるのだがな」


「「は?」」


「え?」


アル様が衝撃の言葉を放ちました。お父様とお兄様の間抜けな声を出してます。私も思わず声を出して驚きました。


分かりたくないのですが、この国のトップ、陛下に許可をもらったと言いましたよね。決定ですか?決定なんですね。アル様の顔がそうだ、と言ってますね。小動物令嬢の私がアル様に逆らえるとは思えませんが……誰か嘘だと言ってください!森捨てより衝撃が大きいです。魂が抜けるってこういう事ですか!


「……私、森に戻ります!」


混乱して思わず言ってしまいました。森の隅っこにいた方が私に似合ってる気がします。落ち葉のお布団に包まって、木の陰で生きた方がいいかな?


「わあーっ!ラナ!しっかりしなさい!」


お父様が抱きしめて耳もとで何か言ってます。


「ラナ!アルフォンス殿下の言葉に混乱してるんだね」


か、考えたくないです。また、虐められるのですか?


「ラナ、心配要らないよ。結婚しても昼はこの部屋で私と一緒だからね。虐める人など来れないよ」


え?アル様、ずっとこの部屋で暮らせる?私お仕事しなくていいんですか?


「そうですよ、ラナ様。貴方が殿下の妃になってくださるだけで良いのです」


殿下付きの部下の方が言ってくれます。本当ですか?


「ラナ様が妃になられる条件で王位を継いでくださると陛下もお喜びです」


「元々殿下は、王位継承に興味を示してもらえずに皆苦労していたのです」


「私達には、ラナ様が救世主に見えますよ。本当に良かった」




皆様歓迎モードです。反対な人居ないんですか?お父様とお兄様に抱き締められながら、この人達から逃げられないのでは?小動物令嬢の私のセンサーがレッドゾーンでピコピコランプが回ってます。だ、誰か助けてください!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ