第12話
予告通り更新しました。明日からぼちぼち更新です。
おはようございます。執務室の小部屋を生息地にしています、悪役令嬢廃業中の小動物令嬢ラナです。
今は小部屋に飼われてる、小動物令嬢と言われてます。
小さいですが、何でもありな小部屋に苦労はないです。
たまに、皆の生暖かい視線をもらいながら暮らしています。だいぶこの暮らしにも慣れて来ました。
「ラナ、おはよう。食事を一緒にしよう」
豪華な食事が、朝から用意されてます。美味しいので太ってしまいそうです。ぷにぷにお肉は遠慮したいです。一瞬、ハムスターのガラガラが浮かんできました。回さないとダメかな?
「おはようございます。アル様」
「そんなに丁寧に言わなくてもいいよ。さあ、座って食べよう」
ただで居座らせてもらってますから。衣食住の出どころには丁寧に、がモットーです。
侍女の皆さんがてきぱきと食事を並べています。
「はい、いただきます」
自分の手で食べられないのが残念です。はい、私アル様からもらわないと、食べてはいけないと言われてます。
まさに、小動物リスかハムスターかちょっと大きい寂しいと死んでしまう、うさぎ!の扱いを受けてます。
前世の言葉で言えば珍獣です。ハンターではなく珍獣本人になってます。
「ラナの、食べ方は可愛いな」
そんな事言っても何も出ませんよ。無一文の私には振っても小銭も落ちないです。だからー!食べている時じーと見るのは止めて!食欲がなくなります。
「……」
無言を貫こうかな?
「ラナ?これも美味しいから食べるといい」
珍しい果物です。美味しいですが、ほっぺが膨らむくらい詰め込むのだけはやめて欲しいです。
「お腹いっぱいになりました。ご馳走さまです」
これが、毎日の朝ごはんの風景になってます。待遇は悪くないですよ。飼われてる感はしますけどね。
後は小部屋で食っちゃ寝のゴロゴロ生活です。偶にお手伝い、休憩、お昼ご飯、3時のおやつ、夕食と至れり尽くせりの楽な暮らしです。
そう言えば、お父様やお兄様どうしてるかな?アル様に頼んでここにいる事知らせてもらわないとダメだよね。すっかり忘れてた。
「お腹が空いたら遠慮なく言っていいぞ」
にこにこ顔のアル様に頼みます。
「アル様、お願いがあります。私のお父様とお兄様に無事だと知らせたいですがダメですか?」
「え?いいよ。挨拶はしないとラナの家族に嫌われると困るからね」
簡単に良いと言ってもらえました。これで安心です。引っ越し先の国より、ここの方が待遇と暮らしやすさには敵わないので、私はお父様とお兄様は気に入ってくれると思ってます。




