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閑話アルフォンス殿下、衝撃!運命の出会い。

不定期更新です。ごめんなさい。

 私は、運命の出会いをした。リスティー王国王子アルフォンス・リスティー二十八歳だ。父親から、そろそろ嫁を貰えと煩く言われたが、無視していた。十八歳の時、チーリスのラナを婚約者に殺されて以来、女嫌いになった。もちろんラナ(チーリス)の敵は取った。父親の持って来た見合い話しをことごとく断っていたら、自分の気にいるのを連れて来い!と強制的に旅に出された私に、衝撃の運命の出会いが待っていたとは。



「ラナちゃん、隅にいないでこっちで食べるといい。珍しいお菓子あげるよ」


 声をかけると警戒している。可愛い、お菓子をじっと見て考えてる。来るかな?おっ、取りに来た!素早い!こんな行動もチーリスのラナそっくりだ。

 きっとこの子は、チーリスの生まれ変わりだ。私の所に戻って来たのだ。今度こそ、誰にも邪魔されず、ラナ(拾った)との日々を守ってみせる。


「…んっ!おいし!」


 お菓子の食べ方も似ている。もらうといつも隅に行って食べてしまい、なくなるとまた側に来て餌をねだった。間違いないラナ(チーリス)だ。


「可愛いな、子供の頃から飼っていたチーリスのラナに似てるぞ。偶然名前も一緒だった。執務室に置いて、見てたら仕事がはかどりそうだ」


 私の友達だった。一緒にどこにいる時も側にいた。肩に乗って頬ずりして来るラナ(チーリス)はとても可愛くて堪らなかった。王家で決めた婚約者に殺された時、女嫌いになった。

 理由を聞くと、愛情をチーリスに与えても自分には無かったと。

 政略結婚の相手として選ばれた婚約者だったが、他の女性を優先などしていないのに、私の一番の心の拠り所を壊された。

 だから、女はもう信用しないと決めていた。だが、ラナのいじめる?と問う言葉を聞いた時に、可愛いラナ(チーリス)の姿が蘇った。

 ラナ(チーリス)の、仕草によく似ていた。ああ!この子に会う為の旅だったと思ったのだ。


「アルフォンス殿下がお望みでしたら、執務室の隅に彼女専用の小部屋を作りましょう。飛びツバメで手紙を先に王国に送ります」


 私の態度に、何かを察したんだろう。すぐ、執務室の改造を提案してきた。気がきく部下に恵まれた私は幸せだな。こんなに気分がいいのは、ラナ(チーリス)を殺されてから初めてだろう。


「そうだな、頼む」


 毎日が、楽しく輝いた日々になりそうだ。人間になったラナに、メロメロにされそうだ。


「しかし、彼女は本当に記憶がないようです。前にあった事があるのですが、今とは正反対ですよ」


 元になど戻らなくてもいい、ラナの(チーリス)ままでいて欲しい。


「旅が短くなって良かった。家に帰れる」


 恋人と会えるので嬉しそうだな、私を守る護衛として付いて来たので、期限はきっていない旅だった。

 まめに、飛びツバメで手紙を送っていたようだ。

 済まなかったと思っているが結果が良かったのだ、許せ。


 これからの人生に、鼻にクリームを付けて、お菓子を食べてる笑顔のラナ(拾った)と一緒なら楽しく暮らせそうだ。だから、お願いだ!もう二度と私の前から消えないでくれラナ。


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