表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/29

第8話

不定期更新です。

 今、助けてもらった人の馬車に乗せてもらっています。記憶を無くし、悪役令嬢廃業中の現在小動物令嬢ラナです。隅っこに座らせてもらっています。

 この頃、隅っこが定位置になりました。この馬車は、もの凄く大きくて立派な馬車です。重いので契約魔獣に引かせているそうです。初めて見た時はびっくりしました。


「ラナちゃん、隅にいないでこっちで食べるといい。珍しいお菓子あげよう」


 ちゃん呼び!身体の大きくがっしりした、一番偉そうで威厳のありそうなイケメン(名前は馬車に乗る前に自己紹介で聞いた。でも、忘れた)の人が、猫撫で声で言ってきます。前世の、幼児誘拐犯のような口ぶりです。助けてはもらいましたが、私は騙されないわ!と思いました。

 でも、お菓子に罪がないです。食べれる時に食べておかないと逃げる時困ります。ですので遠慮なくもらいます。

 珍しい、美味しそうで可愛いお菓子でした。甘いお菓子は好きです。非常食のお菓子を、増やすのもいいですね。まだ沢山ポケットに入ってます。お皿を、素早くもらって隅っこに戻ります。


「…んっ!おいし!」


 一口食べると、ふわふわクリームの上にベリーソースがかかってて美味しいです。ポケットに入れられないのが残念です。一番大きいのを取ってきたので食べがいがあります。前世でも、お菓子もスイーツも好きでした。私がお菓子を食べている時、こっちを見ながら小声で話しをしていましたが、お菓子を食べるのに夢中な、私には聞こえませんでした。


「可愛いな、子供の頃から飼っていたチーリスのラナに似てるぞ。偶然名前も一緒だった。執務室に置いて、側で見てたら仕事がはかどりそうだ」


「アルフォンス殿下がお望みでしたら、執務室の隅に彼女専用の小部屋を作りましょう。隅が好きそうですから喜んでくれますよ。飛びツバメで手紙を先に王国に送ります」


「しかし、彼女は本当に記憶がないようです。前にリスティー国の使者として行った歓迎会で会ったのですが、今とは正反対ですよ」


「そんな事より、旅が短くなって良かった。家に帰れる」



 美味しいお菓子を食べ終わりました。こっちを見て笑顔のイケメン達(名前は馬車に乗る前に自己紹介して聞いた。でも忘れた)今度は、果樹ジュースを飲ませてもらえるようです。助けて拾われたにしては待遇いいです。珍しいお菓子や大きく立派な馬車、凄いお金持ちだと思います。


「美味しいから、飲むといい」


 ジュースの入ったコップを見せられました。飲みたい、…でも、よし素早くもらって隅っこに戻ればいいわ。


「ありがとう」


 受け取ってお礼を言ってから、すぐ隅っこに座りました。広い馬車の中で助かりました。女の人が居ませんからちょっと怖いです。飲みながら、この馬車がどこに行くのか聞いてない事に気が付きました。小動物令嬢の私は弱いですので、聞けなかったのは仕方ないと思います。少なくとも、食べ物だけはもらえそうなので、餓死(がし)だけは免れそうで良かったです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ