第1話
リクエストありましたので続編書きました。良かったらお読みください。
悪役令嬢改め小動物令嬢ラナ・グリーグス、今なんと故郷を離れランドラング王国に来ています。故郷と言っても覚えてないので、懐かしさなど皆無ですが。何か?
そして、私だけ王宮に来ています。小動物令嬢として、王子様に飼われることになりました。
「この部屋は気に入ったかい。これでも急いで用意させたが不備はないか?」
喋るとボロが出ます。首を縦にこくこく頷きました。前世の記憶は庶民、豪華すぎる部屋に怖くなり、今隅っこにいます。椅子の後ろから顔を出して、王子様の話を聞いているところです。小動物令嬢は、狭い所で陰に隠れる場所が必要です。
「……」
「君の父親と兄は、もうこの国で仕事をしてもらっているよ」
そうです。我が家はこの国の財務大臣に取り立てられました。前の大臣の侯爵が、汚職まみれで断罪され領地没収の上、一族全員処刑されました。その後釜に、爵位と供に領地も貰いました。私は家族の一応人質として、この国の貴族を納得させる為に、王宮預かりになりました。もちろん、故郷の領地も爵位も返上しています。
「い、いじめる?」
怖いので、ポーズを決めながら聞きました。まともな神経の人には私には見えません。小動物令嬢センサーが、危ないよ!気を付けないとダメだよ。と訴えているようです。
「くくく、大丈夫。いじめないよ」
ぞわわ〜!背筋が寒くなる!気の所為じゃないよね。笑ってるのに寒い!隅っこにいよう。
「ははは、君付きのメイドを連れて来たから、このメイド以外の言う事を聞いてはいけないよ。危ないからね」
いいえ、王子様が一番怖いです。首をこくこく縦に振り返事をします。王子様が声をかけると、部屋の中にメイドさんが入って来ました。ベテランさんの様です。
「メイドのフラウです。ラナ様、よろしくお願いします」
頭を下げて挨拶です。小動物令嬢ですので、強い者には勝てません。
「お茶を用意してくれ、ここで一杯飲んでから執務室に行くよ」
私といえば、椅子の後ろにそのまま隠れました。王子様とお茶とは、緊張感あふれる場所に行きたくない。
「ラナ様も椅子にお座り下さい」
メイドのフラウさんが言います。首を横に振って、嫌だと主張しました。すると王子様の、にやりとした顔が見えました。
「椅子に座らないなら、私の膝の上に座らせるよ」
「え!」
ぎやあああああーっ!心に中で叫びながら椅子の隅にぷるぷるしながら座ります。やっぱり怖い人でした。出会った時、拾ってくれないかな、と思った過去の自分にお馬鹿ーっ!と罵倒したくなりました。