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僕と姉さんと恐怖の宗教行事

 ありふれている、とまでは言わないけれど、空から女の子が降ってくると言う事がそれなりに起きる世の中だということに異論を挟む人は居ないはずだ。

 何しろ典型的一般人である僕が月に一度くらいのペースで遭遇するのだ。周りの人だって多かれ少なかれ経験があることだろう。わざわざ確認するまでもない。

 ということで女の子が空から降ってくるのは別にいい。それが綺月や涼莉みたいな身軽な女の子だとなお助かる。

 ちなみにメイドさん姉妹はみんなちょっと重め。百羽さんは体の一部のせいだし十乃ちゃんは三姉妹でもっとも大柄なせいだし、千影さんは、その、抱えた後の空気が半端なく重い。大抵ロクでもない流れでそうなるので滅茶苦茶落ち込む。

 まあそれはさておいて。

 女の子が降ってくるのは常識の範囲内だから対応できるのだけれど、さすがにこの事態は一般人の僕にはしんどい。朝っぱらからというのも頭がまわらない理由のひとつだろうか。

 なんと言えばいいのだろう。



 わかりやすく言えば、地面から女の子が生えてきてた。



 自宅近くに人の手の入っていない荒れた広場ある。そこにはどこから飛んできたのやら、ひまわりが林立しており、最近は涼莉たち猫の格好の遊び場になっていた。

 ただ、人の手が入っていないということは何か厄介なものが潜んでいる可能性もあるということで、こうして僕がぶらりと見に来たわけなのだけれど……。


「想像以上に厄介なもんが潜んでたんだけどこれ、どうしよう……」


 流れる汗は残暑によるものではないだろう。

 目の前でもりもり人の手が生えてきたら動揺するしかないじゃない。

 そう、生えてきてる。

 ゆっくりと指先からてのひら、腕、というように。

 女の子とわかったのはてのひらが小さく指も細かったからだ。まあそれでも男という線がないわけでもないけれど。

 というかこれどうしよう。うっかり気付かなきゃよかったと心底思ってるんだけど。

 そうこうしているうちに顔が出てきた。というか鼻が出てきた。

 花が生えてる中に鼻が生えてきた。

 ははっ、何言ってんだろうね僕。


「…………あ、もしもし綺月、今大丈夫?」


 心が折れる前に携帯電話で助けを求めることにした。

『どうしたのよ、あなたにしては珍しいじゃない。休日の朝早くに電話してくるなんて。まだ七時前よ』

「まあちょっとした用事があってね……」

『ふうん。まあだらだら過ごすよりはいいことじゃない。ところで用件があるんじゃないの? わざわざ電話するなんてそういうことでしょ?』

「うんまあそうだけど、別に用がなくても電話するよね僕……」


 なんかすごくドライな人間に思われてない?


『するけど、珍しく朝はやくに起きてて電話までするなら用事があるんでしょ、どうせ』


 なぜかちょっと拗ねてるような声だった。ていうかこの時間に電話って普通迷惑だよね。僕らは互いに生活サイクル把握してるからこうして気軽に電話出来るだけで。

 ちなみに夕陽はこの時間起きているかは微妙だ。用事がなければ九時近くまで寝ていることが多い。ちょっとした用事があるとこの時間から起きている。その用事がたとえ昼のものであろうと、だ。なんというか、とても律儀なのだ。

 綺月が起きているのは家業の手伝いというとてもまっとうかつしっかりした理由による。

 ……あれ、もしかして僕ってダメなやつなんじゃなかろうか疑惑が。


「ま、まあちょっと相談したい事が出来てさ……綺月ならもしかして、何かわかるかなと思って」

『なんで微妙にうろたえてるのよ……。私がわかることはこっち側に関してだけだから、あまりアテにされても困るわよ』

「その綺月の言うこっち側とか、牧師さんあたりのこっち側とか、微妙に僕ゾーニングわかんないんだけど」


 当人たちの間では通じ合っているらしいのだけれど。


『まあ空は全部まんべんなく面倒な事情に両足突っ込んでるから区別がつきにくいんでしょうけど……』

「え、何僕そんな面倒な立場なの。それどっちかというと姉さんじゃないの?」

『翼ねーさんはなんていうか……全部の上に君臨してる感じだから……』


 ……ああ、うん。なんとなく理解できる。

 姉さんの姉さんたる所以と言うべきだろうか。どのような問題でも問題にしないならない、というか。そういう部分。何色にも染まらないし何色に染めることもない、そういう部分がある。

 リアさんなんかと友人関係になれたのはそういう部分があるからこそだろう。


『というか結局用事はなんだったの? 私、まだ境内の掃除の途中なんだけど』

「ああごめんごめん、綺月はこの時間が一番忙しいもんね……ええと、相談したいっていうのはちょっと目の前で起きてることなんだけど」

『あら、悠長に電話してるってことは珍しく緊急事態ってわけでもないのね』

「それを喜んでいいのかわかんないけどね……で、実は目の前の地面から手が生えてきたんだけど」



 ぷつっ。

 と。

 唐突に通話が切れた。前触れなんてさっぱりね、なくてね。

 ふむ。

 ああなるほど、きっと電波が急に悪くなったんだろう、そうに違いない。

 かけ直す。



『……もしもし』

「ああもしもし綺月、なんだか急に電波が悪くなったみたいでね」

『いやあの、空?』

「周りにはなにもないっていうのに、変わったこともあるもんだねえ」

『ねえ空、私、警察官の知り合いとか居ないから、そういう案件はちょっと』

「いやいやいや! 目の前で人が埋まってるんじゃなくて、目の前で人が生えてきたんだってば!!」

『そ、空? 大丈夫? 人はキャベツから生まれるわけじゃないのよ?』

「そのくらい知ってるよ!? ちょっと待って、今写真取って送るから……!!」


 相手の返事も待たずに一度電話を切り、写メを取る。本文もタイトルもなしにメールに添付して送信。

 すると今度はあちらから電話がかかってきた。


「ふぅ、どう、これで僕の言っていることがわかった?」

『空、貴方のことを思って言わせてもらうけれど……早く、自首しなさい?』


 完全に誤解されている気がする。

 気がするも何も百パーセント誤解されてるよ。


「いやいやいや! だから僕がどうこうしたんじゃなくて今現在進行形で地面からもりもり生えてきてるんだってば!!」

『ソッチのほうが怖いわよどう考えてもホラー映画の出来事じゃない!!』

「すがる思いで電話した理由がまさにそれだよ!!」

『あなた巻き込まれるのはいつものことだけどもうちょっと事態選びなさいよ……』


 選べるならとっくの昔にそうしてるんだよなぁ。


『というかそれ、どう考えても私よりも適任がいるじゃないの。頼りにしてくれるのは嬉しいけど、少し落ち着きなさい』

「適任……? こんな新ジャンルの理不尽対応してくれそうな人って誰かいたっけ?」


『私がさっき言ったじゃない。ホラー映画の出来事だって。ホラー映画の登場人物、いるでしょう?』


 ……ああ、確かに。改めて指摘されるまでもなく気づくべきだった。

 感謝の言葉を述べて通話を切る。

 もう一度メーラーを立ち上げ、先ほどの画像を添付。送信先は、当然綺月じゃなくて。

 数分後。

 着信を知らせる電話があった。


『あ、もしもし空君ですか。なんだか無駄に久しぶりなきがしますね』

「どうも神父さまお久しぶりです。写真見てくれました? あれ、どう考えてもゾンビ系列の絵面なんですけど何か心当たりありませんか? なかったらシスターに密告しますけど」

『空君、協力が欲しいのか脅迫がしたいのか、どっちかに統一しません?』

「すみません、ちょっと動揺してしまって……じゃあキリキリ吐いてもらっていいですか」

『案の定脅迫を選びましたね君!?』


 今案の定って言ったよこの大人。いや、選んだ僕が文句言える立場でもないけど。


「まあ冗談はさておき、これどうすればいいんですか。いまもゆっくりめり上がって来てるんですけど」

『めり上がるってなんですか……いやまあ、それはまあ、あれですよ。新しいゾンビが生まれてるんですよ』


 ……えっと。

 今、なにかあっさりとすごい事言われたんですけど。


「すみません神父さま、今耳を疑うようなことを言われた気がして。多分気のせいなのでもっかい言ってもらっていいですか?」

『新しいゾンビが生まれてるんですよ?』


 いやそんな『夏の暑い日は夕立が降るんですよ?』みたいなテンションで言われても。

 ゾンビって植物みたいにそこら辺から湧き出してくるものなの。いつの間に世界はそんな世紀末具合を醸し出すようになってたんだろう。


 山に囲まれた田園地帯、空はどこまでも青く、白い雲は分厚くそびえ立つ。何処からともなく川のせせらぎが届き、それを覆うような蝉の合唱が四方からなり響く。散在する家々の前を子どもたちが走りぬけ、老人はそれを笑顔で見送り。

 畑に綺麗に整列した腕を朗らかに引っこ抜く。


 そんな光景が今日もどこかで繰り広げれているのだろうか。だとしたらこの世界の滅亡を滅んでやまない存在に成り果てそうだった。

 ……そういえばウチの隣に魔王さまが住んでるんですよね。

 黒い考えが棟の中にもやっと湧きだした。


「ええと、それじゃあ僕どうすればいいんでしょうか。どうすればゾンビを滅ぼせるんですか?」

『いえ、仮に知ってても確実に実行できる知り合いがいる以上絶対私言いませんからねそれ』

「いやまあお願いして素直にやってくれる人なんてどこにもいませんけどね」


 逆に絶対やめろと言った事を嬉々としてやろうとする人たちなら沢山いる。


「はぁ……まあ冗談はさておいて、ゾンビって畑作だったんですか? 神父さまもそうだったんですか? 大地の養分の無駄遣いじゃないですか。謝りましょうよ人類……いや、地球に」

『ゾンビって事で罵倒されたことは山ほどあれどそんな壮大なレベルの罵倒は初めてですよ私』


 いやだって、神父さまが地面からめりめり生えてきたら……あれ、でも以前そんな光景見たことあるぞ。


「確か去年同じようなことしてましたよね神父さま」

『ええまあこれ恒例の宗教行事ですし』

「しゅうきょ」

『まあ去年のは単純にシスターにお仕置きされてたんですけどね。シスターのベッドの下に潜んで奇声を上げる遊びをしてたらなんかすごく怒られまして』

「なんで怒られないと思ったんですか。人によっちゃベッドごとぶっ飛ばされてますよ」

『いえちゃんとベッドごと十字架で串刺しにされましたよ?』


 だからなんで『当たり前の事聞いてるの?』みたいなテンションで返事するのこの人怖い。


「……まあ、ていうことはこの生えている手はゾンビで放っておいていいってことですか」

『ゾンビごっこをしている人でなければまあ死なないと思いますよ。たまに埋まりっぱなしになって百年くらい出てこない人もいるみたいですけど』

「なんでそんなホラーっぽい話にするんですか」


 今僕たちが歩いているアスファルトの下にも、ゾンビが埋まっているかもしれない……。


「ちなみにこれ、どういう宗教行事なんですか?」

『今年の夏に人を驚かせることが出来なかったゾンビ達が来年こそは、と気合を入れて一発地面に潜る感じですけど。で、パワーアップしたゾンビとして生まれ変わるんですよ』

「焼き滅ぼしていいですかね」


 なんか無性に脱力感が。


『でも焼くと場合によっては増えますよ』

「増え」


 え……今なんて言ったのこの人。さっきから新事実がポコポコ出てきて怖いんだけど。

 ゾンビって焼くと増えるの? 焼き増し?


「すみません、ちょっと言ってる意味が理解できないんですけど……ゾンビってそういう増え方するんですか? 普通噛むと増えるとかそういう感じじゃないんですか」

『まあ普通はそうなんですけど、たまに自己再生力が強いゾンビがいるんですよ。私もそのタイプなんですが、私は肉体の欠損が集合して元に戻るタイプ。増えるのは、欠損した肉体が再生して補うタイプです』

「ゾンビにそんなよくわからない分類があるのは知りませんでしたが、増えるのって再生っていうか自己治癒じゃないんですか?」

『いえ、治癒ではなく再生でいいですよ。失った部分を再現する能力ですから。つまりですね、そういったタイプがもし、脳を真っ二つにされると増えるんですよ』


 ………………えー。

 いや、えー。なにそれ。


『ぶっちゃけプラナリアみたいですよね』

「言っちゃうんですねそれ――まあとにかく、放っておくのが一番だと……逆に引っ張ったらどうなるんですか?」

『大抵腕がもげる感じですよね当然』


 当然つったか今この人。何度も繰り返すけど僕の知らない常識を普通に持ち出すのをやめて欲しい。

 しかしこの公園、涼莉が遊ぶんだよね。なのでこう、教育によろしくないものはなるべく排除したい。

 ……いや、まてよ。腕が取れるんだよね。


「見えてる部分だけちぎって別の場所に埋めようか」

『空君はバラバラ殺人事件でも起こすつもりなんでしょうか』

「絵的には確かにちょっとあれですよね……ううん。とりあえず掘り起こして別の場所に埋まってもらいましょう。あ、なんなら神父さまの教会の裏庭なんてどうです?」

『やめてあげてください……私ならともかく、他のゾンビがこの教会の敷地に入ったら間違いなく爆裂四散してしまいますよ……』

「え……なんですかそれ、何か変な結界みたいなものでもあるんですか? だったらちょっと解除してもらうとか」

『いえシスターが物理的に』


 それは防ぎようがないなぁ。仕方ないので諦めるより他にない。


「…………とりあえず、話をしてみてよそへ行ってもらうことにします。ここで涼莉が遊んでるので、正直教育によくないので」

『ああ、確かにあまり健康的な光景ではありませんね…………あの、なぜ私への普段の仕打ちは普通にスルーされてるので』

「ありがとうございました」


 神父さまがよくわからない事を言い出したので電話を切った後でお礼を述べる。

 大丈夫、聞こえていなくとも気持ちは伝わっているはずだ。何しろ神父なんかやっているのだから。ゾンビなのに。きっと信心深いに違いない。

 ……普段の言動からしてどうしてもただのコスプレにしか見えないんだよね、あの大人二人。

 まあいいか。とりあえず今なおもりもり出てきている腕の根っこの辺りの地面を少し掘り返す。

 何しろ素手なのでガッツリ行くわけにも行かないが、幸いいくらでも雑草が生える程度には柔らかい土なので道具が必要なほどではない。

 とはいえまだ夏の名残の濃い時期だ。すぐに日は頂点を迎え暑さが襲ってくるだろう。その前には終わらせたい。

 ある程度掘ると肩が出てきて、白い首筋、顎まであらわになる。


「ふぅ、このくらい掘り返せばあとはいけるかな?」


 むき出しになった首の後に指先を差し込み、肩をつかむ。これならポロリが起きることもないだろう。この場合のポロリっていうのは首がポロリってことだ。


「それじゃあ失礼して……よ……っと!!」


 ぐい、と引っ張ると、地面がボコリと盛り上がり、その顔が見えた。



 白目を向いた女の子だった。

 顔は血の気が引いて青白く、口の端から泡がこぼれている。

 ぴくぴくと細かく痙攣しかひゅーかひゅーと細い息がかろうじて生命を主張していた。


 うん。

 どう考えても埋まって窒息死一歩手前の女の子だね。


「どういう事だ!?」


 思わず両手を手放してその場を飛び退いた。

 ごっ、と鈍い音がして女の子の頭が地面に転がる。伸びていた腕もくたりと力なく地に落ちた。


 なんで普通に人間が出てくるのゾンビじゃなかったの!?


 混乱がぐるぐると意味のない思考を走らせて――だから、気配にまったく気づけなかった。いや、普段から気づけないことのほうが多いけど。


「――――空?」


 びくう、と両肩が跳ねるのを自覚した。

 恐る恐る振り返ると、そこには怪訝な顔をした姉さん。


「え、と……あの、いやその……」


 何かを説明しないと。

 そう思うものの何を説明したらいいのかわからない。だって僕だって何が起きてるのかわからないんだし。

 けれど姉さんは僕がなにか言わずとも察してくれたらしい。ふっと優しく微笑んだ。

 その笑顔に思わず僕も安堵する。

 さすが姉弟、ということなのかもしれない。うん、慌てる必要なんてなかったね。姉さんなら何も言わずともわかってくれるさ。


「空、大丈夫、一緒に警察行ってあげるから」


 サムズアップで歯をきらりと輝かせて、姉さんは力強く僕の肩をたたいた。



 ………………………………ちゃうねん。












 その後の労働の結果とかその辺の話。



 僕はカツ丼を食べていた。姉さんも隣で食べている。

 無論自宅だ。警察のお世話になどなっていない。

 目の前では掘り起こした少女もカツ丼を食べている。遠慮なんか一切なしに。ていうか食べる姿が必死過ぎる。よほどお腹が減っていたんだろう。

 …………一体いつから埋まっていたんだろう。


「はぐはぐはぐ…………けぷっ! は、はぁぁぁ……あ、ありがとうございました! まるで生き返ったような気分です!!」

「だろうね……」


 事実その通りと言われても信じるよ。

 カツ丼二杯を胃袋に収めた少女はようやくひとごこちついたと居住まいを正した。


「やー、街に入った辺りの記憶はあるですですけど、次の瞬間にはなぜかまっくらな場所に居て……まさか地面に埋まっているとは奇妙なこともあるですです」

「奇妙で済ませていいのかなそれ」


 なんとも……独特な雰囲気を持っている女の子だった。

 歳は多分僕より少し下。金色の髪と白い肌、蒼い瞳。どこからどう見ても異国の人である。


「まあ埋まっていた理由はともかく、生きていてよかったね。空も運が良かったねえ」

「理由はともかくにしていいの姉さん……あと運が良かったのは僕じゃなくてこの娘なんじゃ……」

「んー? そうかな、そうとも言えるかもしれないケドね」


 姉さんがにっこり笑う。……どうも、何かを勝手に理解している感じだ。つまりまあ、いつも通りなんだけど。


「まあ事件とかよりはよっぽどいいや……君はこれからどうするの……っていうか、名前を聞いてないっけ? 僕は響空、こっちは翼姉さん」


 怒涛の出来事にすっかり当然の事が抜け落ちていた。

 僕らの自己紹介に少女も目を丸くする。


「わあ、これはすみませんです!」


 ぺこり、とお辞儀をした少女は、顔を上げてにっこりと笑う。


「わたしの名前はルビリィ・エスカナーリオというです! この街に姉さまを探しにきたです!!」


 少女が。

 シスターの姿をした少女が、太陽のような笑顔で言った。


 弁解させて欲しいんだけど。

 その名前を聞いて厄介事を確信した僕は、悪くないよね?

まさかの新キャラ投入

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