↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
賢すぎる伯爵令嬢はかわいい妻を演じたい!  作者: 青空一夏


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
1/40

プロローグ

「……リディア様のドレス、私のドレスとお揃いに見えますわ」


 卒業パーティーの会場で、オフィーリアは目の前の少女を見つめた。色合いも、意匠もよく似ている。偶然にしては、あまりにも。

 けれどリディアは悪びれる様子もなく、嬉しそうに答えた。


「ふふっ。アルフレッド様から贈られたんですよ」

「……アルが?」

「ええ。とても素敵でしょう?」


 オフィーリアは隣に立つ婚約者――アルフレッドを見た。

「どうしてアルが、リディア様のドレスを?」

「細かいことを気にしすぎだよ。卒業パーティーなんだから、ドレスくらい必要だろう? リディアの家は、リアの家ほど裕福じゃないから可哀想だろう? 君は優しさに欠けるよ」

「でも、婚約者でもない女性にドレスを贈るなんて、常識的にあり得ませんわ。誤解を招く行動は控えたほうが……」


 アルフレッドが不機嫌そうに眉を寄せる。

「リアは何でも自分が正しいと思ってるんだろ? そういうところがすごく鼻につくんだよ。成績のことだって僕に対する配慮に欠けると思わないか?」

 突然思いがけない話題になり、オフィーリアは息を呑んだ。

「君はずっと首席だった。入学してから卒業するまで、一度だって僕に譲ろうとしなかったよね?」

「……え?」

 何を言われているのかわからなかった。

「女なら少しはできないふりをしろよっ、ってことさ!」

 アルフレッドの声が会場に響いた。近くにいた者たちが、一斉に振り返る。

「君はどうしてそこまで僕より優れていなければ気が済まないんだ? 少しくらい僕を立てようとは思わなかったのか? 目立ちたがりで可愛げがないんだよ! 」

「…………」

「成績が張り出されるたび、僕がどれだけ惨めだったかわかるか? 婚約者なら僕を気遣い、僕より前に出るべきじゃないだろ!」

 オフィーリアは呆然とアルフレッドを見つめた。

 そんなことを気にしていたなんて、少しも思わなかったのだ。

「……私の成績がアルより良かったことが、それほど嫌だったの?」

「ああ、もちろんさ。自分より頭のいい女が好きな男なんていないよ!」

 アルフレッドは吐き捨てるように言った。

「リディアは違う。僕を頼ってくれる。僕をすごいと言ってくれる。君みたいに、いつも僕より上にいようとはしない。成績ばかりでなく乗馬や球技まで僕よりうまいなんて、少しは慎みを持てよ!」

 いつの間にか、周囲の話し声が止んでいた。

 大勢の視線がアルフレッドに集まっている。

 けれど彼だけはそれに気づいていない。


「だから、リア。僕は君との婚約を破棄する!」


 ざわり、と会場が揺れた。


「……婚約、破棄?」


「ああ。僕はリディアと結婚したい!」


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。