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【後編】オランダ洞窟の真実 ~徐福と大和朝廷~  作者: 如月妙美


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第六章 始皇帝の隠された意図と血統の秘密

 奏上文の解読が進むにつれ、研究者たちはさらに驚愕すべき事実を発見した。それは、徐福の東方派遣が単純な薬草採取任務ではなく、始皇帝の深謀遠慮に基づく壮大な計画だったという記述である。

「皇帝陛下は崩御の一年前、密かに臣に真の使命を託された」

 この部分を読んだ劉教授は、思わず声を上げた。これまで歴史学者が推測してきた内容が、ついに文書として確認されたのである。

 奏上文によれば、始皇帝は自らの死期を悟ったとき、秦王朝の将来に大きな不安を抱いていた。各地で反乱が頻発し、皇子たちの間でも権力闘争が激化していた。このままでは王朝の滅亡は時間の問題だった。

「陛下は臣に仰せられた。『朕の血筋を遠き東方に避難させ、万が一の時に備えよ』と」

 つまり、徐福の船団に含まれていた「若い男女三千人」の中には、始皇帝の皇子・皇女が密かに混じっていたのである。これは、王朝滅亡に備えた究極の保険措置だった。

 この推測を裏付ける記述も発見された。「天照として崇められた吾が愛娘は、実は皇帝陛下の血を引く高貴なる姫君である」。つまり、天照は徐福の実の娘ではなく、始皇帝の皇女だった可能性が高いのである。

 そして、その「皇女」と結婚したのが徐福の息子だったと推測される。これにより、始皇帝の血統と徐福の血統が融合し、後の日本皇室の基盤となったのである。

 この発見は、単なる歴史的事実を超えて、現代の政治的・宗教的な分野にも大きな影響を与える可能性があった。日本の皇室が、中国古代皇帝の血筋を引いているという主張は、東アジアの政治情勢にも微妙な影響を与えかねない。

 花城教授は慎重に言葉を選びながら言った。「この発見の公表については、十分な検討が必要です。学術的価値は計り知れませんが、政治的な波紋も予想されます」

 しかし、劉教授は学者としての良心から、真実を明らかにすることの重要性を主張した。「歴史学者の使命は、真実の探究です。政治的配慮で学問の自由を制限することはできません」

 結局、研究チームは段階的な公表を決定した。まず学術論文として発表し、その後、十分な検証を経てから一般に公開するという方針である。


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