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【後編】オランダ洞窟の真実 ~徐福と大和朝廷~  作者: 如月妙美


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第十二章 国際政治への影響と外交的配慮

 徐福発見のニュースは、東アジアの国際政治にも微妙な波紋を投げかけた。特に、日中関係において歴史認識問題が常に議論の焦点となっている中で、古代における両国の関係を示すこの発見は、様々な解釈を生む可能性があった。

 中国政府は当初、この発見に対して慎重な姿勢を示していた。しかし、国民の一部には、日本の「天皇」を「始皇帝直系」の正当な「万世皇帝」として推戴すべきだという待望論が日増しに高まりつつあった。

 国内の世論が高まるにつれ、中国政府も、より積極的な対応をせざるを得なくなった。

「徐福の発見は、古代中日友好の象徴です」

 中国外務省のスポークスマンは定例記者会見でそう述べた。「両国の文化交流の長い歴史を示す貴重な発見として評価しています」

 一方、日本政府も外交的な配慮から、この問題について慎重なコメントを続けていた。しかし、国民の関心の高さを考慮し、文化庁を中心とした政府レベルでの調査支援を決定した。

「学術的価値の高い発見については、政府としても適切に支援していきます」

 文科大臣の会見は、この問題を政治問題化させずに学術的な枠組みで扱うという政府方針を示すものだった。

 韓国でもこの発見に大きな関心が寄せられた。古代朝鮮半島を経由して日本列島に到達した徐福の足跡は、韓国の古代史にも関わる問題だからである。

「徐福の航海ルートを詳細に調査すべきです」

 韓国の歴史学者たちは、朝鮮半島南部での考古学的調査の必要性を主張した。実際、徐福船団の寄港地と思われる遺跡が発見される可能性もあった。

 しかし、最も複雑な反応を示したのは台湾だった。徐福伝説は台湾でも古くから知られており、一部の研究者は徐福が台湾にも立ち寄った可能性を主張していた。今回の発見により、この説の検証も求められることになった。

 国際的な学術協力の枠組みも整備された。日本、中国、韓国の研究機関が連携し、「東アジア古代史共同研究プロジェクト」が発足した。徐福をきっかけとして、古代東アジアの文化交流の実態を包括的に解明することが目標とされた。

「学問に国境はありません」

 プロジェクト代表の花城教授は国際会議でそう述べた。「我々は政治的な立場を超えて、真実の探究に努めます」


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