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【後編】オランダ洞窟の真実 ~徐福と大和朝廷~  作者: 如月妙美


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第十一章 皇室への影響と宗教界の反応

 徐福伝説の真実が明らかになると、日本の皇室や神道界にも大きな波紋が広がった。特に、天照大神の実在性や皇室の起源に関する新たな解釈は、従来の神話体系に根本的な変更を迫るものだった。

 内裏庁は当初、この発見に対して沈黙を保っていた。しかし、メディアの報道が過熱し、国民の関心が高まると、慎重ながらも公式見解を発表せざるを得なくなった。

「今回の学術的発見は興味深いものですが、皇室の正統性や神道の教義に影響を与えるものではありません」

 内裏庁長官の会見は、事実上この問題に深入りしないという姿勢を示すものだった。しかし、皇室の起源に関する新たな学説が提示されたことで、国民の間では様々な議論が起こった。

 神道界の反応はより複雑だった。伊勢神宮をはじめとする主要神社は、従来の神話に基づく教義を維持する方針を明確にした。

「神話は歴史的事実とは異なる次元にあります」

 神道本庁の幹部は記者会見でそう述べた。「天照大神の御神威は、歴史的な解釈によって変わるものではありません」

 一方で、一部の神道学者からは、新発見を積極的に評価する声も上がった。

「神話と歴史が結びつくことで、むしろ神道の奥深さが明らかになった」

 日本国の最高学府である至達大学の如月隆一教授は、そう論じた。「天照大神が実在の人物をモデルにしているとしても、それは神道の価値を損なうものではない」

 しかし、最も注目すべき反応を示したのは、聞得大君の次期継承者である島の神女の新城のろだった。彼女は記者のインタビューに対し、驚くべき証言を行った。

「私たちの間では、古くからこのような言い伝えがありました」

 新城のろは静かに語った。「天照様は遠い大陸からお越しになった高貴な方で、この島で神になられた、と。それが今回、学問的にも証明されたのです」

 この証言は、島民の間に口伝として徐福伝説が保存されていた可能性を示唆するものだった。研究者たちは急遽、島の古老たちからの聞き取り調査を実施した。

 その結果、驚くべき事実が明らかになった。島の最高位の神女の間では、代々「アマミキヨの真実」と呼ばれる秘密の伝承が継承されていたのである。

「父陛下の眠る遙かなる西方大陸の地下宮殿、養父母の眠る地下の清らかな泉」

 新城のろが暗唱する古い言葉は、明らかに始皇帝陵と地底湖を指しているように思われた。これは、天照自身が残した言葉として、二千年間口伝で保存されてきた可能性がある。

「アマミキヨを継ぐ者の前に、地底より湧き出ずる泉あり、西方、父陛下の国を望む双頭麒麟のガジュマルありや」

 この言葉の「双頭麒麟のガジュマル」とは、島の中央部にある二股に分かれた巨大なガジュマルの木を指していると考えられる。現在でも島民が聖木として崇敬している木である。


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