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【後編】オランダ洞窟の真実 ~徐福と大和朝廷~  作者: 如月妙美


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第十章 発見の公表と世界的反響

 令和七年春、研究チームはついに調査結果の公表に踏み切った。東京で開催された国際学会で、花城教授が「徐福東渡の真実と古代日本の成立」と題する発表を行ったのである。

 会場には世界各国から歴史学者、考古学者、人類学者が集結した。発表が始まると、会場は水を打ったような静寂に包まれた。花城教授が奏上文の内容を読み上げ、調査結果を次々と示すたびに、聴衆からは驚嘆の声が上がった。

「これは歴史学における革命的発見です」

 ハーバード大学の著名な歴史学者が立ち上がって発言した。「古代東アジア史の理解を根本的に変える必要がある」

 しかし、発表に対する反応は必ずしも肯定的なものばかりではなかった。一部の学者からは慎重論も出された。

「DNA解析の結果は興味深いが、それだけで古代史の定説を覆すには不十分ではないか」

「奏上文の真偽についても、さらなる検証が必要だろう」

 こうした批判に対し、花城教授は冷静に反論した。「我々は科学的手法に基づいて調査を行いました。批判は歓迎しますが、同時により詳細な検証作業も継続して行っています」

 学会発表後、メディアの関心も急激に高まった。新聞各紙が一面で報道し、テレビの特集番組も次々と制作された。特に注目されたのは、「日本人のルーツ」「皇室の起源」といった敏感なテーマだった。

 しかし、研究チームは政治的な議論には巻き込まれまいと慎重な姿勢を貫いた。「我々の役割は事実の解明です。その解釈や政治的な意味については、専門外の領域です」

 一方、中国でも大きな反響があった。始皇帝の血統が海外で継続しているという可能性は、中国の歴史愛好家の間で熱い議論を呼んだ。中国政府は公式コメントを控えたが、民間レベルでは日中交流の新たなシンボルとして注目されることになった。

 最も複雑な反応を示したのは、当の島民たちだった。突然の注目により、平穏な島の生活が大きく変化することへの不安があった一方で、自分たちの歴史が世界的に認められたことへの誇りもあった。

「我々は祖先の遺志を継いで、この島を守り続けます」

 村長の宮城氏は記者会見でそう述べた。「ただし、島の平和と自然環境は何よりも大切です。過度な観光や商業化は望みません」


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