『泥棒人形とプレスマン』
掲載日:2026/01/23
昔、正直な男がいた。農家の生まれであったが、学問にも明るく、暇さえあれば速記のけいこをしていた。
あるとき、たんぼ道で歌を歌う不思議な人形を拾い、家に持って帰ったが、少し時間がたつと、人形の顔が見たくてたまらない。人形の顔を見ると、盗みがしたくてたまらなくなる。気がつくと、手に何本ものプレスマンを握っていて、足が汚れたり、すそが濡れたりしている。
そんなことが何度も続くと、男が、盗みを働いているといううわさが立つようになった。男は怖くなって、人形をもとあった場所に捨てた。憑き物が落ちたように、男は、正直者に戻ったという。
教訓:盗んだものを返したのかどうかは少し気になる。




