【第07話】ギルドの売店をひやかす
(あ、売店がある、行ってみるか)
受付けを離れると、買取カウンターと売店が見えたので
売店へと足を向けた。
位置としてはギルドの入り口からまっすぐ行ったところにあったが、吹き抜けを見あげてしまったので見落としていたようだ。
「今登録したばっかりの子?
って随分とボロボロね、ケガは・・・治ってるみたいだけど」
売店の前まで行くと、カウンター越しにおばちゃんが話しかけてきた。
見られていたようだ。
「はい、いろいろあって、もう大丈夫です。
どんなものが売っているのか見てもいいですか?」
「いいよ。
あっちの棚が、採取用の道具、タオル、簡単なお泊り用の一式、
後はカバンなんかもあるけど、急ぎじゃなかったら街のカバン屋の方がいろいろ売ってるよ。
それでこっちの棚がポーション。ここではHPポーション(小)と、(中)、MPポーションは(小)だけ置いてるよ」
「これも時間があったらポーション屋で?」
「品質は変わらないんだけど、
ポーション屋だったらもっと上のランクのものも売ってるよ。
んで、そっちの棚は携帯食。
で、地図はカウンターの上にあるからね」
最後におばちゃんはカウンターの横に積まれている地図を指さした。
携帯食の棚を見る。
分厚いビスケットのようなものが並べられており、棚のラベルにはそれぞれ、リンゴ味、オレンジ味、ぶどう味と書かれていた。
いくつか裸で置かれているものと、
その後ろにガサガサと音がしそうな、茶色い紙に包まれたものがあり、そちらは果物のスタンプが押されて中身がわかるようになっていた。
これも専門のお店で買った方がいいのだろう。
「これおいしいんですか?」
「おばちゃんは食べたことないんだよね、それ。日持ちはするよ」
「なるほどです」
「地図だけは、どこで買っても変わらないよ。
この冒険者ギルドで作られたものだからね」
「なるほど、みんな買うんですか?」
「ん~まあ、最初は買うかな?」
地図は2500ゼニーと書かれていた。
(地図は欲しいな。 効率のいい狩場を探すのにも使えるだろうし)
「地図にはこの辺のダンジョンの場所とか、どんなモンスターがいるかとか書いてあるんですか?」
「書いてるよ」
「今はお金ないけどそのうち買いに来ますね」
「それがいいよ、最初はほかに優先しないといけないものもあるからね」
そういわれて俺は他の商品を見まわす。
(ポーションもいらないな。
採取セットは・・・今は受けようとは思えないな。って高!)
売店の商品は大体次のような価格設定だった。
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携帯食 500ゼニー
(リンゴ味、オレンジ味、ぶどう味)
水筒 500ゼニー
(大きさ大中小の3種類)
タオル 100ゼニー
お泊りセット 2500ゼニー
(タオル、石鹸、歯ブラシ、歯磨き粉)
カバン(リュックサック) 2500ゼニー
HPポーション(小) 500ゼニー
HPポーション(中) 1000ゼニー
MPポーション(小) 1000ゼニー
地図 2500ゼニー
薬草採取セット 5000ゼニー
(ナイフ、ナイフケース、はさみ、小袋×5 中袋×3 大袋×2 薬草採取ガイドブック)
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お泊りセットもクリーニングの魔法があるからいらない。
いや、歯ブラシはした方がいいのかな?
HPポーションもヒーリングがあるからいらないだろうな。
攻撃は銃で、回復は僧侶の魔法だ。
俺はホルダーにちらりと目をやった。
でも、MPポーション(小)は日持ちするなら1本は持っておきたいか。
地図は魔物の情報も掲載されているということで絶対欲しい。
ちょっとした魔物図鑑みたいなもんだ。
いや、魔物の情報があって、生息域が書かれているって、普通に魔物図鑑か。
「ねえ、あれ、君のこと探してるんじゃない?」
「あ! そうみたいですね。ありがとうございました」
「礼儀正しいのね、そういうの好きよ。
じゃあ行ってらっしゃい」
「ありがとうございます、それでは」
俺はお礼を言って、売店を離れカウンターの方へ歩き出した。